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農業景況は3期連続で改善  日本公庫が調査

 日本政策金融公庫農林水産事業は平成24年上半期の農業景況調査の結果を9月24日公表した。農業全体の景況は3期連続で改善となった。

 調査は7月に同公庫のスーパーL資金・農業改良資金の融資先を対象に実施し、24年上半期の経営を振り返り「良くなった」という構成比から「悪くなった」という構成比を差し引いた「DI」で評価した。回答数は6715先。
 農業全体の景況DIは▲1.4で、▲7.9だった23年から6.5ポイント改善し、3期連続での上昇となった。
 マイナス値からプラスに転向したのは▽施設野菜(▲15.7→18.0)、▽酪農(北海道▲26.9→0.6・都府県▲24.2→4.3)、▽露地野菜(▲14.0→7.9)、▽果樹(▲11.7→3.7)の4業種。野菜は上半期の市場価格が前年を上回ったこと、酪農は猛暑や東日本大震災の影響を受けた前年に比べ、生産量が増加していることなどが要因とみている。
 また、▽肉用牛、▽施設花き、▽茶、▽畑作、▽ブロイラーはマイナス幅が改善した。
 一方、前回から悪化したのは▽稲作(北海道(43.5→7.2・都府県13.1→8.1)、▽養豚(▲6.2→▲22.3)、▽採卵鶏(8.4→▲43.1)となった。

◆コスト増への「対策がない」30.7%

 また、最近負担が増えたと感じる生産コストについて聞いたところ、耕種では重油や灯油などの燃料代が66.2%でもっとも多く、次いで肥料代(43.4%)となった。
 一方、畜産は飼料代が81.8%ともっとも多く、全畜産業種で見てももっとも高かった。
 生産コスト増加への対策では、30.7%が「対策がない」とし、「販売価格への転嫁」は4.1%と少ないことから、コスト負担が増えても販売価格に転嫁できない実態が明らかとなった。


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