6年産規格外も2万1000円で買われる【熊野孝文・米マーケット情報】2024年8月27日
8月22日に開催された全米工東日本取引会で加工原料米以外に主食用相当品の6年産米が成約した。成約したものはいずれも1車(13t)単位で千葉ふさおとめ未検2万3000円(置場:税別以下同)、千葉ふさこがね未検2万3000円、規格外米は2万1000円と2万1800円で各1車、茨城あきたこまち1等は2万4500円。全米工取引会は組合会員社だけが参加できるが、ほとんどの組員が主食用米も扱っていることやクリスタルライスも参加するようになり、こうした価格で成約するようになった。
全米工は取引会前に情報交換会が開催され、冒頭に理事長より、8月9日の宮崎での地震で南海トラフ地震の注意情報が出されたことにより、コメ、水、ボンベがスーパーの棚から姿を消すなど消費者が敏感に反応した。関東早期米の庭先価格もそうした情報の煽りを受け価格が高騰しているなど直近の状況に触れられた後、進行役を副理事長が務め参加組合員から各地の情報が提供された。出席者の情報概要は以下の通り。
北海道=茎数は若干少ないが収量には影響はないだろう。南北海道は水不足の影響でシラタが多くなるかもしれない。大雨の予報が出ており刈取りが遅れる懸念があるが、影響がなければゆめぴりかは9月第1週から刈取りが始まる。
宮城=台風が頻発しており、予断を許さないが、台風5号の影響は大きくはなかった。収穫時期は1週間ぐらい早まると見ており、9月第2週から始まると見ている。岩手の山間部では今までにないぐらい作柄が良いという生産者もいる。
茨城=あきたこまちの刈取りが始まったが、集荷合戦で庭先価格が高く、このまま上がっていくのか注視していく必要がある。6年産が上がり過ぎると7年産が逆パターンになる可能性もあるのでそうしたことも踏まえて6年産に取り組んでいかないといけない。
茨城=価格の動きが激しく、この価格でやって行けるのかと思っているが、スーパーに置けば売れていく。しかし、これから他の産地の新米が出て来るとこの価格でやって行けるのか心配。早期米のくず米の品質は早期米の割には品質が良い。ただし、原料用として扱うのか中米として扱っていくのかで大きく違ってくるので難しい。
茨城=新米の出来は悪くないが、降雨で倒伏してしまった稲もある、コシヒカリの倒伏が多い。庭先価格は異常な感じがする。県南の方はパニックと言えるような状態。
新潟=先週から葉月みのりや五百川の刈取りが始まった。葉月みのりはオール1等、五百川は2等だが、収量も品質も昨年産より良い。主食用米は予想以上にヒートアップしている。全農新潟が概算金を示し、各農協も独自に加算金を示しているが『どうなの』という反応。
スーパーがいくらでも良いから持ってきてくれと言っているが、5㌔3000円以上で売れていくものなのか注視している。9月中旬までに落ち着いてくれれば良いと思っている。
米菓など加工メーカーは㌔150円超えるものはいらないとはっきり言っている。中米と選別下は今まで以上に価格差を付けないと加工メーカーからそっぽを向かれる。
新潟=早生の葉月みのりが入荷した。価格は1俵2万1000円、スーパー店頭では2600円ぐらい。
新潟=6年産は平年作以上で丸粒もあるしくず米もあるが、主食用米に引っ張られてくず米も上がるととんでもないことになる。豊作の時は必ず農家が保有米を出してくる。
静岡=夏しずかが5㌔2680円で販売されたが、スーパーに置けばすぐ売れる。コシヒカリも8月15日に2780円で売り始めたが前年の2倍の売れ行きですぐなくなってしまう。
滋賀=8月12日にハナエチゼンの刈取りが始まり、今週入荷したシラタ、胴割れがあったが1等米。ただ、例年よりカメムシ害が多い感じ。県内はもとより大阪からもコメの問い合わせがある。
熊本=キヌヒカリが始まった。若干実が細いかなという感じ。カメムシ害は懸念されたほどは出ていない。昨年の作況は104だったが今年はそこまでは言っていない。
8月20日には政府備蓄米の入札売却が行われ、受託企業体である伊藤忠食糧が2,199t(秋田から大分まで10か所)、丸紅が1,587t(北海道から熊本まで6か所)、神明が1,220t(青森から鹿児島まで7か所)合計5000tの2年産政府備蓄米が売りメニューとして提示された。買い手のコメ加工業界では事前の予想で6年産加工用米並みの価格1俵1万2000円を落札価格の最低価格の目途にしていたが、それでも落札できなかった。落札数量は公表されていないが、業界の情報では120tに留まったとしており、食糧法より財政法が優先されるという政策が現実のものになっている。
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