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【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】20~30万トンの脱脂粉乳の「過剰」で右往左往する愚から卒業しよう2026年2月26日

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農業・酪農政策に大局的見地が欠如している。インドの人口が中国を抜いて15億人に近づき、新興国の肉や乳製品需要の増加を中心に、中期的な国際食料需給の逼迫基調は強まることは間違いない。気候変動や紛争リスクの高まりもあり、輸入依存からの脱却が不可欠になってきている。

食料自給率が低いということは「国産に過剰は存在しない」。「国産は足りていない」のだ。だから、加速している農家の減少に歯止めをかけ、どんどん増産して輸入を国産で置き換えていくことが原則になる。コメも酪農も砂糖なども生産抑制している場合ではない。

重箱の隅を楊枝でほじくるような需給調整に時間と労力とお金をかけている場合ではない。自然や動物相手の農業生産は生産調整には時間のずれが生じる。需要も正確には推定できない。そこに労力をかけて増産だ、減産だ、と指示してもチグハグになり、かえって過剰と不足を増幅してしまう。それで農家を振り回し、疲弊させてきた歴史に終止符を打つべきだ。農家も農協もよく頑張ってきたが、もう十分だ。

コメでは、「需要に応じた生産」を食糧法に明記して、減少する需要に応じた「生産の目安」を示すから、それを基に生産を減らせと誘導したり、無駄な予算と流通への迷惑をかけても結局は無理な需要把握や供給量把握の精緻化を試みて生産を調整しようとする愚策を強化しようとしている。

酪農では、再び、脱脂粉乳の在庫が問題になっているが、生乳換算で20~30万トンの「過剰」に対応して酪農家も負担して飼料で処理し、生産も抑制方向にするといった後ろ向きの対策から卒業すべきだ。

わずかな需給変動への対処に躍起になって関係者を苦しめるのでなく、農家の自由意志による増産を促し、国の責任で備蓄も増やし、フードバンクや子ども食堂にも届け、海外支援にも活用し、国産米の輸入小麦や輸入トウモロコシへの代替、国産生乳による輸入チーズの代替などの需要創出に予算をかければ、皆が助かり、食料危機にも備えられる。「生産調整から出口調整」への転換が不可欠だ。農家の生産コスト割れを補填することで農家を支えつつ、消費者には安く買えるようにして需要を拡大する財政出動も不可欠だ。

酪農における需要創出としては、チーズ向けの補填拡充で、輸入チーズを国産に置き換えるのが最も有効である。ホクレンの生産者受け取り乳代(8月からの飲用向4円/kg増を踏まえて)の内、8~11月平均基準乳価分のプール単価が103.6円/kg。チーズ向乳価は86円なので、メーカーが86円でさらなる受け入れができると仮定すると、103.6-86=17.6円の差を埋める補填があれば、プール乳価を下げずにチーズ向けを増やせる。

この差を100億円で埋めると考えると、生乳換算57万トンをチーズに回せる。当面の脱脂粉乳の過剰在庫は、生乳換算で20~30万トン程度なので、その「過剰」を問題なく解消できる。そもそも、20~30万トンの「過剰」で右往左往して、酪農家からも処理費を出させ、飼料で処分し、生乳生産は抑制だ、と言っていることの無意味さを認識すべきだ。酪農業界が新設した新たな基金をこのような後ろ向きの政策に使うべきではない。基金を何に支出するかを明示すべきだ。

酪農家の新基金への拠出をしないと政府補助金を受け取れないという条件で拠出を「強制」しておきながら、国は一切拠出しないで、民間任せにするのも矛盾している。国も応分の負担をすべきだ。米国では、酪農家の販売促進事業への支出金額と同額を連邦政府も出す仕組み、つまり、国が半額補助になっている。酪農業界でつくるJmilkの当初の計画でも、国1/2, 生産者1/4, メーカー1/4、最低でも各1/3が想定されていた。また、Jmilkの2020年の提言でも最大800万トンの生産を促して、それに見合う需要を創出することが目指されていた。

大局的見地に立てば、止まらない酪農家の廃業に歯止めをかけ、生乳増産を奨励し、チーズ向けを筆頭に、輸入を国産で置き換えていくことが不可欠なのだ。乳価はある程度上がったが、酪農家の倒産は止まらない。飼料だけでなく機械・設備などの高騰も激しい。次の世代につなげる投資ができるには、まだ所得が足りない。

筆者は、以前から、「食料安全保障推進法」を超党派の議員立法で成立させ、酪農については、①kg当たり乳価に10円、乳牛1頭当たりに換算して10万円の基礎支払い(牧草地、飼料畑については、別途10a当たりの基礎支払い)、②それでもコスト割れする場合の不足払い、③乳製品の政府買い上げによる備蓄、国内外援助、チーズ向け需要拡大のための差額補填などの出口対策、の実現を提案してきた。

その後、乳価が上がったので、現時点では、基礎支払いは、乳価で5円/kg、一頭当たり5万円程度に設定することにするとすれば、約400億円の財政出動だ。チーズ向け補填の100億円を足しても500億円。コメには今も3500億円は財政出動しているのだから、非常に少ない予算で酪農を守ることができる。国の予算と新基金も併せて財源を確保すればよい。

縮小均衡から拡大均衡に向かう政策に早く転換しなければ、日本の農業、農村も、国民の命も守れない。

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