【いつまで続く? 気候危機】太平洋側の極度の乾燥 二季化で拍車も 三重大学教授 立花義裕氏2026年2月27日
各地のドカ雪ニュースに隠れがちだが、太平洋側は、秋以降、降水がほとんど無い乾燥と渇水が続いている。給水制限に踏み切った地方も出てきた。2月下旬に久々にまとまった雨が降ったが、渇水を解消させるには、ほど遠い。このような異常乾燥に伴い、野菜などの生育に大きな影響が発生している。この乾燥状態と渇水がいつまでつづくのか? 今回は乾燥と渇水の原因を取り上げる。
三重大学教授 立花義裕氏
最初に結論。二季化が一因だ。それを追って説明する。2025年は未曾有の猛暑となり、暑さは10月まで続いた。夏が長引き、秋が縮んだ。気温が高いほど地面の水分は蒸発しやすい。長い夏は、干ばつを伴うのだ。
まとまった雨が広い範囲で降ればそれは解消するが、温暖化時代の雨は、狭い範囲の豪雨が増え、他の広い地域は逆に降水が減る。実際日本では、年間の総降水量は増えていない。だから日本全体をみれば、干ばつ傾向となる。
昨年は、その後、急に冬が来た。冬期の太平洋側は総じて降水が少ない。唯一、太平洋側の南岸を低気圧が通過したときに降雨となる。ところが、今冬は、この低気圧が日本に近づけないまま冬を終えようとしている。だから小雨が続いている。
それはなぜなのか? 今年の冬は、前回紹介したように、日本や北米での極めて強い寒波襲来とそれに伴う日本海側各地のドカ雪があった。北極の寒気が二つに分裂して、そのうちの一つが日本周辺まで大移動したのだ。二つに分裂した寒気が日米の上空にそれぞれがやってきて、そして居座った。日本全体を北極寒気が広く覆ったために、低気圧が日本に近づけない。これが冬の極端な小雨をもたらし、秋から続く乾燥に拍車をかけた。
冬は、北西風が吹く日が圧倒的に多いので、日本の北西に位置する大陸から寒気が、暖かい日本海で水蒸気をたっぷり吸って、それが日本海側にドカ雪をもたらす。雪雲は脊梁山脈でブロックされるので、太平洋側はドカ雪の「恩恵」を受けない。
だから、強い寒気は、日本海側がドカ雪、太平洋側が乾燥、の二極化をもたらす。前回触れたように、北極寒気の分裂は、地球温暖化に伴う北極海氷の激減が一因だ。だから、太平洋側の極度の乾燥は、地球温暖化が一因だ。そして前年の夏から続く猛暑も相まって、乾燥に拍車がかかっている。だから極度の乾燥には二季化が背景にある。
では、今後の見通しはどうであろう。春になると、気温が一気に上がる。地球温暖化で昇温トレンドが最も大きい季節は、春なのだ。夏の猛暑に目を奪われ気味だが、春の温暖化も顕著だ。気温が上がれば、地面からの蒸発が促進されて、ますます乾燥する。乾燥すればするほど、気温が上がる。それは蒸発熱を奪わないからだ。
一方、海面水温は3月が一年の中で一番低い。水温が低いと海からの水蒸気の蒸発が抑えられるので、大気中の湿度は低めとなる。湿度が低く水蒸気が少ないので、雨も少なくなる傾向にある。しかも春は偏西風が丁度日本上空に位置する。温暖化に伴う昇温激しい大陸の乾燥した空気が大陸から日本に吹く。だから乾燥に拍車がかかる。昇温激しい大陸の空気は軽くなるので、上昇し上空まで達し、乾燥した地面の土壌を舞い上げる。そして偏西風に乗って日本にやってくる。
これが黄砂だ。黄砂は、大陸の乾燥と温度上昇のサインでもある。黄砂と共に高温で乾燥した空気が日本にやってくる。これが温暖化時代の春の気候だ。仮に強い雨が降ったとしても、局所的なので、広い範囲の乾燥状態が解消されるほどにはならない可能性が高い。このまま夏になってしまうと、更なる水不足が心配だ。極度に乾燥しているので、山火事も心配。昨年も大規模山火事が各地で発生した。温暖化時代は、このような気候になる確率が上がるであろう。こんな気候を望む人は皆無だ。二酸化炭素削減は、待ったなしなのだ。
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