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【農と杜の独り言】第9回 耕す文化・文化を耕す "農の復権"の契機にも 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2026年2月27日

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2027年3~9月に横浜で国際園芸博覧会「GREEN×EXPO2027」が開催されます。博覧会自体は会場と会期が限定されているものですが、これを契機として、わが国の「農」と「農」の文化を見直し、全国的な人々の行動につなげたいと考えます。

千葉大学大学院園芸学研究科客員教授・賀来宏和氏_sum2千葉大学大学院園芸学研究科客員教授・賀来宏和氏

第6回でご紹介したように、私自身は、千葉県流山の住まい近くと茨城県内にそれぞれ農地を借り、折々に地域の子ども食堂やフードバンクに提供できる程度の品目を栽培しています。期待以上の出来もある一方で、時に病虫害の発生、また、土壌条件や気候条件の読み誤りでしょうか、期待外れの出来に終わることも。住まい近くの今の農地は二カ所目、そして昨春、茨城の農地に出合え、計三カ所の農地での栽培経験があるのですが、同じ品目でありながら、場所によって成果に大きな違いがあるのが興味深いところ。

住まい近くの農地でよく出来た品目が、茨城の農地ではほぼ全滅、茨城の農地は昼夜の気温差が大きく、また丘陵地で風当りも強いため、不織布程度の防寒対策では不十分だったようです。これも勉強の一つでしたが、加温設備を持ち周年栽培している訳ではないので、その反省に基づく改善は次の年の栽培時期まで待たねばなりません。既に古希を迎えた私に、こうした勉強と実践の機会はあと何回残されているでしょうか。10回か20回か、30回はさすがに無理でしょう。

幸い、茨城の農地では近所の農家の方のご指導を仰ぐこともでき、それなりに地域の知恵を学んでいる実感もありますが、他方、台風などの自然災害、特に近年では気候変動の影響などもある訳で、そう考えると「農」とは難しいものであり、経験と知識に立脚した試行錯誤の繰り返しによる、実に壮大な生業の体系であると思い至ります。

「農」は、単なる産業ではなく、自然の力とともに地域の人々が営む知恵と技の積み重ねとして、まさに文化領域と言えるのではないでしょうか。因みに、「文化」という語に対応する英語「カルチャー」の語源には「耕す」という意味が含まれますから、これは確かに文化です。

さて、昨年開催された「大阪関西万博」の前の万国博覧会は、平成17(2005)年の「愛・地球博」。また、来年の「横浜園芸博」の前の国際園芸博覧会は、平成16(2004)年の「浜名湖花博」。

西洋史学者で東京大学教養学部教授や静岡文化芸術大学学長などを歴任された故木村尚三郎先生は、この二つの博覧会に関わり、「愛・地球博」では総合プロデューサー、「浜名湖花博」では日本委員会の会長を務められました。

木村先生は、昭和63(1988)年に『「耕す文化」の時代』を出版され、その「あとがき」で、「土地ごとに自ら耕し、そしてそれを楽しむことこそ、文化の本質である。英語のカルチャー(文化)は何よりもまず耕作を意味し、土地ごとに、自然条件、歴史や伝統を踏まえながらつくるのを、楽しむことに他ならない。その意味で、農業を工業と同じく、生産性・経済性・効率性の点だけから論じる時代は過去、新たに『文化としての農業』を議論すべきときが、今訪れようとしている」と述べています。

更にその10年後の平成10(1998)年には、「農」に関する第2弾の著作『美しい「農」の時代』を世に問われ、「日本の農村は、大切な食糧を生産してくれるだけでなく、かけがえのない自然環境を守ってくれる。そしてさらに、太陽の光を受けてキラキラと輝く棚田は、先祖が残してくれた、美しい日本人の心のふるさとでもある」とし、日本と日本の文化を支えてきた美しい農村をつくり、守っていかなければならないと主張され、「作物を慈しみ、食事を大切にし、食べ物を残さない食の倫理を、もう一度よみがえらせる。それによってだれもが、『心のふるさと』を創造できる。それが、二一世紀における私たちの生き方である」と結んでいます。

木村先生のこの二書とほぼ同じ時代、平成2(1990)年に、アジア初の国際園芸博覧会「国際花と緑の博覧会」(通称:「花の万博」)が開催されました。第2回でご紹介したように、当時、政府は「緑の三倍増構想」を策定、建設省ではこの構想の実現方策として、昭和59(1984)年に「緑化の推進について~21世紀"緑の文化"形成を目指して~」と題する政策指針を定め、この中の「国際協調」に係る政策に、「昭和65年日本での開催に向けて国際花と緑の博覧会構想を早期に立案する」という文言が盛り込まれ、そして実現したのが「花の万博」でした。

前回述べたように、江戸時代のこの国には、当時の地球社会で最高水準の園芸文化が花開いていました。平成にガーデニングブームを生んだ「花の万博」は、まさに我々日本人が、150年ぶりに、緑の文化の価値を再発見し行動する契機となったと言えるでしょう。

木村先生の二書のサブタイトルは「セカンド・ルネサンスの道」と「耕す文化の復権」。出版から30~40年が経ち、誰もが地球環境と人類の存続の危機を感じ始め、国内的には食料自給の問題が改めて関心を集めている今こそ、先生が主張された「農」の文化の復権に向けた実践に取り掛からねばと思います。

人々の行動様式を変えた過去の国際園芸博と同様に、横浜国際園芸博覧会が一過性のイベントに終わることなく、全国規模で人々が「農」の文化を再確認し行動する契機となって欲しいものです。

(2027年横浜国際園芸博覧会農&園藝チーフコーディネーター)

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