千葉・鴨川地域の生産者と協業 インディカ米の改良米「プリンセスサリー」など新発売 良品計画2024年1月25日
無印良品を展開する株式会社良品計画は、千葉県の鴨川地域の生産者と作った、インディカ米の「バスマティ」を日本で栽培できるように改良された米「プリンセスサリー」を1月26日から千葉県鴨川市総合交流ターミナル「里のMUJI みんなみの里」で発売。「里のMUJI みんなみの里」内の「Café&Meal MUJI みんなみの里」で、この米を使ったメニューを提供する。また、鴨川市大山地区で生産された長狭米(飯用米)を原料とする日本酒を蒸留して作った「安房鴨川 里山GIN」を2月9日から無印良品の限定14店舗で発売する。
千葉県鴨川市産米「プリンセスサリー」
同社は、「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指し、地域の皆様と課題や価値観を共有しながら、地域を活性化するさまざまな活動を進めている。地域事業部の1つである千葉事業部では、これまでの主な取り組みとして、2014年から鴨川市内釜沼北集落で、棚田保全と里山コミュニティの活性化を目指す「鴨川里山トラスト」活動を開始。また、2016年には同市内大山地区で生産された米で醸造した日本酒の販売を始めた。さらに、2017年4月には鴨川市と「地域活性化に関する協定」を締結、2018年3月には千葉県鴨川市が設置する総合交流ターミナル「みんなみの里」の指定管理者に認定され、同4月には「里のMUJIみんなみの里」としてリニューアルオープンするなど取組みを進めてきた。
鴨川地域では、主力産業の農業において、従事者の高齢化と市内耕地の8割以上で栽培されている米の価格向上が課題となっている。中山間地域のため傾斜地も多く、他の作物への転換も困難なことなどから、同社千葉事業部では、米の可能性を拡げて新たな価値のある地域産品の創出、生産者の収入向上、後継者・新規就農者を呼び込むことによる鴨川の農業活性化に向けて地域の生産者と議論を重ねてきた。
その中で、新たな価値のある米として、現在の食の多様化のニーズに応えられる長粒米の生産を提案。「プリンセスサリー」は、パラパラした食感で香りの良いインディカ米の「バスマティ」と、もちもちとした食感の国産うるち米の特徴を併せ持っており、和食、カレー、チャーハン、アジア料理との相性も良いほか、単体で食べても甘さや旨みを感じられる。また、インディカ米はぱさぱさして苦手という日本人や、日本の米はもちもちして柔らかすぎるという外国人のいずれにも対応。周囲で作られている品種に比べて差別化が見込めるため、買い取り価格アップにつながることから、生産者の収入向上を目指す。
プリンセスサリーを楽しむスープカレー(単品:税込1200円、市民割:税込900円)
「プリンセスサリー」の生産は2023年4月から、地域の生産者と協力して作付けをスタート。2023年秋に収穫されたお米は同社が全量を買い取り、商品化し、まずは同社が鴨川市の指定管理者として運営している総合交流ターミナル「里のMUJI みんなみの里」で2kgの真空パックで販売する。また、里のMUJI みんなみの里内の「Café&Meal MUJI みんなみの里」で全メニューの米がプリンセスサリーに変わる。なお、2月28日から300gの少量パックを「無印良品 銀座」で発売する。「プリンセスサリー」(2kg/真空パック)は1680円。
「安房鴨川 里山GIN」
一方、鴨川産の米の可能性を拡げるもう一つの取り組みとして、鴨川で生産された飯用米(コシヒカリ)を原料とする日本酒(純米酒)を使ったクラフトジン「安房鴨川 里山GIN」(180ml、2330円)をつくった。
同社は2016年から、千葉県鴨川市の大山地区で生産された長狭米(飯用米)で醸造した日本酒(純米酒)を、亀田酒造株式会社(千葉県鴨川市)と協力して製造。無印良品の限定店舗で販売している。その日本酒(純米酒)を蒸留してベーススピリッツとし、香りづけにはジェニパーベリーと、それ以外のボタニカルはすべて鴨川で採取したものを使って仕上げた。無印良品の限定14店舗で2月9日から発売。価格は税込。
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