【クローズアップ】数字で見る米③ 委託販売と共同計算2024年10月23日
「令和の米騒動」で俄然注目が高まった米問題。「喉元過ぎれば」にならないためには、現状と課題の正確な理解が必要だ。JA全農米穀部が10月17日に開いた「米の生産・流通に係る記者説明会」でのレクをもとに、ポイントをまとめた。
【クローズアップ】数字で見る米② 低すぎた米価、生産費賄えず
2024年産米では仮渡金(JA概算金)も脚光を浴びたが、概算金の正確な理解には「委託販売・共同計算」の理解が必要だ。
JAグループの米の取り扱いは、全国の取引先に通年販売をするため、多くが委託販売・共同計算の手法を取っている(一部、買い切りもある)。
委託販売は、全農など受託者が生産者(委託者)に代わって価格交渉から代金回収まで「売る業務」を行い、得られた代金から経費を引いて精算する仕組みである。
共同計算は、JA・生産者から販売委託された米穀について、時期ごとに上下する価格や経費をプールしておき、全体の集荷数量で割り返して計算することで収益を公平に分配し、生産者間の手取りを平準化する仕組みである。
米を集荷する段階では生産者に概算金を支払い、販売・経費支払いが終わった後、余剰があれば追加払いし最終精算する。概算金には、全農県本部や経済連が決めてJA単協に支払う「JA概算金」と、その額を踏まえJA経費等を考慮してJAが決め、生産者に支払う「生産者概算金」とがある。
この仕組みにより、生産者は米の出荷時(米卸等への販売前)に一定の収入を得ることができて資金繰りが助かり、追加払いにより年間の販売状況を適切に反映した収入を得ることができる。
JA全農の資料をもとに編集部作成
【クローズアップ】数字で見る米① 減る生産者、進む田の集積
【クローズアップ】数字で見る米② 低すぎた米価、生産費賄えず
【クローズアップ】数字で見る米③ 委託販売と共同計算
重要な記事
最新の記事
-
(408)技術と文化・伝統の引継ぎ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月3日
-
令和6年秋の叙勲 加倉井豊邦元全厚連会長ら77人が受章(農水省関係)2024年11月3日
-
シンとんぼ(116) -改正食料・農業・農村基本法(2)-2024年11月2日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (33) 【防除学習帖】第272回2024年11月2日
-
農薬の正しい使い方(6)【今さら聞けない営農情報】第272回2024年11月2日
-
【25年産米】適正生産量683万tに懸念の声も(2)高米価でもリタイア?2024年11月1日
-
【25年産米】適正生産量683万tに懸念の声も(3)ギリギリ需給でいいか?2024年11月1日
-
【特殊報】「サツマイモ炭腐病」県内のサツマイモに初めて確認 鳥取県2024年11月1日
-
食と農の情報 若年層にはSNSや動画発信が有効 内閣府の世論調査で明らかに2024年11月1日
-
【注意報】野菜、花き類にチョウ目害虫 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年11月1日
-
だし・かつお節需要が高まる年末年始に向けて「徳用シリーズ」売れ筋2品を10%増量 マルトモ2024年11月1日
-
JA貯金 残高108兆2954億円 農林中金2024年11月1日
-
【田代洋一・協同の現場を歩く】 福島・JA会津よつば 産地強化で活路探る 中山間地域で〝生きる〟2024年11月1日
-
鳥インフル 米サウスカロライナ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年11月1日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 一時輸入停止措置を解除 農水省2024年11月1日
-
鳥インフルエンザ 「危機感共有して発生予防を」小里農相2024年11月1日
-
兵庫県ご当地カレー&「午後の紅茶」キャンペーン実施 JAタウン2024年11月1日
-
「JA共済安全運転アプリ」提供開始 スマホではじめる安全運転2024年11月1日
-
子どもたちが丹精込めて作った「優結米」熊本「みのる食堂」で提供 JA全農2024年11月1日
-
たまごのゴールデンウィーク「幻の卵屋さん」各所で出店 日本たまごかけごはん研究所2024年11月1日