米農家の「時給」、23年は97円 農水省・農業経営統計調査から試算 深刻な実態続く2024年12月26日
2023年の米農家の「時給」は97円、主業経営体に限っても892円だった。農水省が公表した農業経営統計調査をもとに試算すると、深刻な実態が浮かんだ。

水田作経営の農業経営収支(全農業経営体・全国・1経営体当たり)
米農家の所得、2023年は年9.7万円
「米農家の時給はたった10円」。2022年の農業経営統計調査をもとにした試算が、米農家の苦境の象徴として物議をかもしてきた。2023年はどうなったのか。
農水省は12月24日、「農業経営統計調査(営農類型別経営統計) 令和5(2023)年農業経営体の経営収支」を公表した。このうち「水田作経営(米農家)の農業経営収支」をみると、1経営体当たりの農業粗収入403.5万円(前年比+6.7%)から農業経営費393.8万円(前年比+4.4%)を差し引いた農業所得は9.7万円(前年比+870%)だった(1経営体当たり平均作付面積約2.8ヘクタール)。
「時給」を試算してみると
農業所得がわずか1万円だった2022年より増えたものの、平均労働時間(年約1000時間)で割ると「時給」は97円(9万7000÷1000)となる。前年の「時給10円」より上がったとはいえ、不条理なまでの安さは変わらない。
主業経営体でも最賃に及ばず
主業経営体の米農家(平均作付面積約9.5ヘクタール)に限ると、農業粗収入は1499.5万円に増え、1229.9万円かかった農業経営費を引いた農業所得は269.6万円だった。主業経営体の米農家の自営農業労働時間は3024時間のため、「時給」は892円だ(269万6000÷3024)。全農家平均の97円と比べれば1ケタ高いが、雇用労働者に適用される最低賃金(2023年)と比べるとすべての県で下回る。暮していくのがぎりぎりで、これでは設備更新費用の捻出も難しい。
重要な記事
最新の記事
-
業務用米の特徴を紹介 播種前・書面契約のリスク管理 東京で業務用米セミナー&交流会2025年12月23日 -
甘み増す旬野菜「和歌山県産冬野菜フェア」直営店舗で開催 JA全農2025年12月23日 -
ノウフク・アワードで「チャレンジ賞」障害者の社会参画や地域農業に貢献 JA全農2025年12月23日 -
「石川佳純47都道府県サンクスツアーin鳥取」4年かけて遂に完走 JA全農2025年12月23日 -
「水戸ホーリーホックJ2優勝&J1昇格キャンペーン」開催中 JAタウン2025年12月23日 -
米国ニューヨーク市に人工光型植物工場のマーケティング拠点を開設 クボタ2025年12月23日 -
利用者・行政・協同組合が連携 焼売やナゲットで食料支援 パルシステム神奈川2025年12月23日 -
本格スイーツの味わい「安納芋プリン スイートポテト仕立て」期間限定で発売 協同乳業2025年12月23日 -
普段使いしながら「もしも」に備える「日常×防災・防犯」特集公開 日本生協連2025年12月23日 -
東京都「Tokyo-NbSアクションアワード」で優秀賞 稲城での里山活動が評価 パルシステム東京2025年12月23日 -
村上農園×青学駅伝 特設サイトと原監督・村上社長の対談動画を公開2025年12月23日 -
マクドナルドとコラボ「シャカシャカポテト ハッピーターン味」期間限定販売 亀田製菓2025年12月23日 -
マーガリン類 ゼラチンが香り成分放出に影響することを確認 雪印メグミルク2025年12月23日 -
DJI 産業用ドローンが圃場整備事業に貢献 北海道での事例動画を公開2025年12月23日 -
「農林水産・食品分野オープンイノベーション・チャレンジピッチ」開催 中小機構2025年12月23日 -
「あさか舞プレゼントキャンペーン」開催 抽選で122人に豪華商品 福島県郡山市2025年12月23日 -
【26年度畜酪決着の舞台裏】加工補給金上げ12円台 新酪肉近で全畜種配慮2025年12月22日 -
配合飼料供給価格 トン当たり約4200円値上げ 2026年1~3月期 JA全農2025年12月22日 -
鳥インフルエンザ 岡山県で国内8例目2025年12月22日 -
【今川直人・農協の核心】農協の農業経営をめぐる環境変化(3)2025年12月22日


































