米価の見通し「高くなる」判断 過去最高値の「76」 米穀機構2025年1月10日
米穀機構は1月10日、12月分の米取引関係者の判断に関する調査結果を公表した。
主食用米の需給についての現状判断DI値は85で前月から7ポイント増加した。85は過去2番目の数値で過去最高は2024年8月調査の89。
一方、向こう3か月の見通し判断DI値は80で同9ポイント増え過去最高となった。これまでは2012年4月と5月、2024年5月の「78」だった。いずれも「大幅な増加」で今後も需給が締まるという見方が11月よりも強まったことになる。
一方、米価水準についての現状判断DI値は同3ポイント増の92で「高い」という判断がさらに強まった。これまでの2024年9月と10月の90より増え、過去最高値となった。
また、向こう3か月の見通し判断DI値は同9ポイント増の76と「大幅に増加」となり、これも過去最高値となった。これまでは2017年9月の75が最高だった。
米穀機構が毎月公表するこの調査で示される4つのDI値のうち、3つで過去最高となり、関係者の判断は、主食用米の需給は締まり米価は高くなるとの見方がさらに強まっている。
今月(12月)と比較した来月(1月)の価格に関する見通しDI値は生産者は57で前月から5ポイント増、集出荷業者は61で同10ポイント増、卸業者は74で8ポイント増、小売業者は76で10ポイント増と、いずれも関係者も米価が上がるという見方が強まった。
一方、今月と比較した在庫量に関しては生産者は6ポイント減の28、集出荷業者は前月と同じ35、卸業者は13ポイント減の29、小売業者は12ポイント減の32といずれも手元の在庫は少なくなるとの見方のほうが強まった。
そのため今月と比較した来月の販売数量は卸業者では34ポイント減の26、小売業者では26ポイント減の36とそれぞれ大幅な減少となり、販売数量が減るという見方が強まっている。調達に苦戦していることが伺え、今回の判断を行うに当たって考慮した要因では「米穀の調達状況」が前月より4ポイント増えて57%ともっとも多く、次いで「国内の在庫水準」が26%と前月より9ポイント増えた。
市場では米の需給にひっ迫感が強まり、卸間売買では60kg4万円での取引も行われている。
JA全中の山野徹会長は9日の定例会見で米価について「高値基調で推移しているが、生産コストが上がっているなかで決して高くはない。しかし消費者の米離れにもつながりかねないため、適正な価格での安定供給がなによりも大事」などと述べ、関係者による適正な価格形成の仕組みづくりの協議が重要との考えを示した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日