【米の食味ランキング】猛暑・残暑で西日本のランク落ち目立つ 徳島南部コシヒカリは初の「特A」2025年2月28日
(一財)日本穀物検定協会は2月28日、令和6年産米の食味ランキングを公表した。最上級の「特A」にランクされたのは39産地品種(5年産は43)で前回より4つ減ったが、3産地品種は今回は選出されていないため、ほぼ前年並み。初めて「特A」になったのは徳島南部コシヒカリの一つだけだった。前年に猛暑も影響などでランクを落とした北海道や東北、北陸は天候にも恵まれて回復傾向となっている。一方、関西以西の西日本、特に九州は猛暑に残暑が長引いた影響を受け、ランクを落とす産地品種が多い。また「特A」の39産地品種のうち高温耐性品種が23(前年は25)を占めており、改めて高温対策の必要性が示された。
米の食味ランキングは今年で54回目。道府県から選出された139産地品種(前年は144)について昨年11月から今年2月まで食味官能試験を行った。同ランキングは5段階評価で、「特A」以外は「A」が76(同78)、「A'」が28(同23)で「B」「B'」はこれまで同様に該当なしとなった。「特A」で今回は選出が見送られた3産地品種は基準の栽培面積を下回ったり、猛暑・残暑の影響で品質の低下や別の品種に転換を進めていることが理由。
北海道、東北、北陸は回復が目立つ。「A」から「特A」に上がった6産地品種のうち3、「A'」から「A」は13産地品種のうち9をこのエリアが占めた。逆に「特A」から「A」、「A」から「A'」にランクを落とした産地品種は一つもなかった。日本穀物検定協会は「天候に恵まれたことに加え、高温・渇水対策により回復している」という。ただ、新潟は前年同様に「特A」は魚沼コシヒカリのみで、全体に回復傾向にはあるものの「9月中旬の降雨などによる倒伏の影響」があったという。
これに対して、関西以西の西日本は厳しい。「特A」から「A」に落ちた7産地品種のうち6、「A」から「A'」では17産地品種のうち13となっている。日本穀物検定協会は「8月まで2年連続の猛暑に加えて9月以降の残暑も厳しく、白未熟粒や胴割れによる品質への影響」が出たという。
昨年同様に高温耐性品種による猛暑への対応が進んでいる。今回は全体で30県39産地品種となり、「特A」の39のうち23産地品種を占める。同協会は「各県で続々と新しい品種が出ており、一定の成果が出れば栽培面積がさらに広がる」と見ている。
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