政府備蓄米、入札量の9割落札 JA福井県 価格低下は限定的か2025年3月12日
3月10日に始まった政府備蓄米の入札で、JA福井県が入札量の9割を落札した。同JAは「相対取引価格を参考に入札額を決めた」としている。入札開始後も流通関係者に「米不足感」は根強く、備蓄米放出によって小売価格が落ち着くかは見通せない。
米流通の目詰まりを解消するため、政府が行った備蓄米放出で、JA福井県は入札した量の約9割を落札した。10日に入札し、11日に農水省から結果が届いた。
ハナエチゼンなど福井県産米を中心に入札した。同JAでは「入札額は相対取引価格を参考に決めたが、1割ほどは『もっと高くてもほしい』という業者に取られたということだろう。今回の放出は、価格を下げるというより物を出すことで流通を円滑にする施策と理解している」(米穀販売課)とする。
政府備蓄米放出は合計21万トンの予定で、今回が15万トン、2回目が6万トン。2回目について同JAは、銘柄や産地など詳細を見てから判断する。今回の放出の条件とされている政府による同量買戻しについて同JAは、「今のところ、2025年産が米余りになるとは考えにくく、25年産米で返すのは難しいと思う」(米穀販売課)と話す。
福井県内のJA関係者は、「政府は流通にスタック(滞留)があるとし、『消えた40万トン』のような報道もみるが、そんな量がどこに隠されているのか。県内では噂も聞こえてこない」と、米不足を否定する農水省に疑問を投げかけた。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日