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3ha未満の農家退場で192万tの米不足 スーパー業界も理解 「米のコスト指標」が守るもの2026年4月3日

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適正価格で米が取引される参考になる「米のコスト指標」が近く公表される。一部の業界団体からは異論も出ているが、生産、集荷、販売に関わる多くの団体に理解が広がる。農水省が行ったパブリックコメントでも「高過ぎる」といった趣旨の批判はなかった。ただ、需給が大きく緩む中、指標が活用されるためにはいっそうの理解醸成が課題となる。

全米販の異論、東京新聞が拡散

食料システム法にもとづいて作成される「米のコスト指標」をめぐって、米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が4月1日、「米穀に係る認定指標作成等団体」に国から認定された。

米穀機構の「コスト指標作成等委員会」(コスト指標委)は3月、米のコスト指標の算定方法で合意し、3月6日時点の暫定値として「米のコスト指標のイメージ」を公表した。生産段階のコスト指標は玄米60kg当たり2万437円で、生産~小売を合計したコストは精米5kg換算で2811円(いずれも税込)となる。それについて「東京新聞」(3月24日付)は、全農などの要望で「生産費が安い大規模農家のデータが除外された。その結果、コスト指標はかさ上げされ、米価の上昇につながる恐れがある」と報じた。

コスト指標委は議長が茨城大学の西川邦夫教授。生産委員が全農、ホクレン、農業法人協会の3人、流通委員が全国主食集荷協同組合連合会(全集連)、全米販の2人、日本スーパーマーケット協会と全国スーパーマーケット協会の2人の計8人からなり、オブザーバーが5人いる。

全米販の委員は「算定方法について2点、問題提起した。耕作面積3ha以上の生産者が流通量の7割を占めている。それよりコストが高い1~3haの生産者を代表性のある作付面積とされた。家族労働費も、農水省の生産費統計とは違い、全産業のパートを除く給与を参照した。その結果、コスト指標が高くなり、消費者からも不信や疑問が生じる」と話す。

スーパー団体「欠品が一番困る」

こうした異論に同調する声は、コスト指標委に委員を出している他の団体からは聞こえてこない。

農業法人協会の齋藤一志会長はコスト指標委が示した暫定額について「適切な金額だと考えている。国がコストを出すのはありがたい。生産者とバイヤーで価格を決める中で参考にできる」と話す。

コスト指標委に販売委員を出す全国スーパーマーケット協会も「スーパー2団体は否定的スタンスではない」とし、全米販と並ぶ流通委員である集荷業者の団体、全集連も異論は唱えていない。全国スーパーマーケット協会は「スーパーとしては、お米の欠品が一番困る。安定的に入ってきてほしい。それには安定的生産のためのコストも見なければ。同時に、お客様に納得して買っていただけることも重要で、納得価格を探っていきたい」と説明する。

農水省パブコメでも

農水省が行った「米穀に係る認定指標作成等団体」の認定に関するパブリックコメント(意見募集、3月10日~23日)には11件の意見が寄せられた。コスト指標の作成方法については、「米のコスト指標について、全国共通の基本的な指標としては、おおむね妥当な内容であると認識。『1.0ha以上3.0ha未満』の階層を代表的な作付規模とし、最新の公的統計をもとに算定されており、取引条件の協議における参考資料として適切だと考える」というコスト指標作成等委員会で合意された作成方法に賛成する意見があり、同様の意見も3件あった。

中山間地と平坦地との違いを踏まえた指標設定、地域ごとの栽培条件等も考慮した区分別の設定、町の米屋のコスト構造の反映を求める意見や、「指標は利潤を含まない生産コストを示すものであることから、コスト水準のみが独り歩きし、流通や取引の場面において一律の価格基準として受け止められることがないよう、指標の位置づけや活用方法について十分考慮し、適切な運用を図ることが重要である」との意見もあったが、高過ぎるという趣旨の意見は見当たらない。

意見募集を担当した農水省大臣官房新事業・食品産業部企画グループは「意見募集では、コスト指標の算定方法を『かさ上げ』と批判する意見はなかった」としている。

3ha未満の生産者がいなくなれば「自給崩壊」

3月31日に農水省が公表した2025年農林業センサス結果(確定値)によると、1~3haの農業経営体(生産者)は13.9万で、3ha以上の8.1万より多い。全農業経営体の平均作付面積も2.2haで、農家数も多く平均面積を含む1~3haを「代表性のある作付規模」としたのは自然だ。

作付面積3ha以上の生産者の作付面積は約81万haで全体の68%に及び、「流通量の約7割」という主張は裏付けられる。だが、米の安定供給という観点でみれば、違う問題が浮かぶ。

25年の米生産量(約747万t)を前提とすると、68%は約508万tになる。1年間の国内需要量を低めにみて700万tだとしても、3ha未満の生産者が採算割れですべて離農したとすれば192万t(700万t-508万t)もの米不足が生じる計算となる。1~3ha作付する生産者の作付面積は約22.6万haで全体の19%である。25年の生産量の19%は約142万tなので、この層が継続できれば米不足は50万tまで縮小する。1~3haで数も多い米生産者を守ることの重要性は、農林業センサスからもうかがえる。

コスト指標活用、理解醸成が重要

コスト指標の作成は初めての試みで、生産・流通・販売各段階の取引関係者から、それぞれの立場と利害を踏まえたさまざまな意見が出るのは当然ともいえる。鈴木憲和農相は3月24日の記者会見で「様々なご意見がある、時には対立するご意見があるというのは当然だ。まずこうした形で一歩目を踏み出させていただいたのだと思います」と述べた。

米穀機構は近く、コスト指標を公表する。JA北つくばの川津修組合長は本紙で「消費者が安心して手に取れ、生産者が再生産を続けられるにはどうしたらいいか。単に『高い』『安い』にとどまらず、コスト指標を参考に議論が深まってほしいと願います」と説いた(JAcom3月26日付)。これを機に議論が深まり、生産者が米づくりを続けるためのコストと条件が、取引関係者や消費者が広く共有されることが望まれる。

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