Z-GISのサービスをグレードアップ、BASFのザルビオと来春連携ーJA全農2020年7月3日
JA全農は、独BASFデジタルファーミング社が開発した人工知能(AI)利用型栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー」と、営農管理システム「Z-GIS」との連携を来年4月から開始する。
ザルビオとZ-GISとの連携
ザルビオフィールドマネージャーは、2017年に海外でサービスを開始。20年には世界15か国300万ha以上で活用されている。
各ほ場の土壌や作物の品種特性、気象情報、人工衛星からの画像などをAIが解析し、作物の生育や病害・雑草の発生を予測、最適な防除時期や収穫時期などを提案するシステム。いつ、どのような作業が必要かほ場ごとに把握できるため、効率的な栽培管理計画を作ることが可能となる。
ザルビオフィールドマネージャーには、あらかじめ作物別の病害感受性、生育ステージ別の特徴、農薬登録情報・効能・推奨散布回数などがインプットされており、生産者がほ場の位置、作物の種類、過去の輪作、直近の防除履歴などを入力すると、AIが病害虫発生予想、最適な農薬散布次期、前回の防除効果期限などを自動解析する仕組み。
これにより、海外のほ場では農薬使用量の30%削減、気象被害の25%回避、耐性菌リスクの低減などが確認されている。入力情報はビッグデータとして蓄積され、今後の解析に役立てることもできる。
一方、Z-GISはインターネット上の電子地図とエクセルのワークシートを結びつけたGIS(地理情報システム)。土地所有者や作付け品目・品種、生産履歴などほ場に関する情報管理の効率化を図る狙いで、2018年4月にリリースした。
ザルビオフィールドマネージャー
ザルビオフィールドマネージャーとの連携により、Z-GISですでに管理しているほ場ごとのデータをもとに、AIによる解析を通じた生育予測、施肥・防除、収穫適期などのアドバイスが実現する。
ザルビオフィールドマネージャーは、来春から水稲・大豆向けの導入を目指す。今年度は全国135か所での実証試験を行い、大規模生産者や公的試験場、JA、県連、全農がシステム機能を確認。システムの最大の特徴であるAIを、田植えなど日本の栽培方法に適した仕様とするため改良を進める。
ザルビオフィールドマネージャーは有償提供するが、「できるだけ使いやすい価格帯で提供したい」(JA全農)考え。JA全農はZ-GISを営農管理システムのプラットフォームと位置付け、ドローンやGPS(全地球測位システム)ナビ付トラクター、収量コンバインなどの農業機械、各種計測機器との連携も実施し、多くの生産者にグレードアップしたサービスを提供していく方針だ。
重要な記事
最新の記事
-
(461)小麦・コメ・トウモロコシの覇権争い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年11月14日 -
【特殊報】りんご等にチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 長野県2025年11月13日 -
【特殊報】ミカン、モモにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内の農地で確認 岡山県2025年11月13日 -
【特殊報】カンキツにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 大分県2025年11月13日 -
畑地化 26年産取組みは支援単価引き下げ2025年11月13日 -
政府備蓄米 在庫32万t 11月12日時点2025年11月13日 -
【酪農乳業8団体需要拡大】脱粉過剰に危機感、業界挙げて"連携"2025年11月13日 -
ドイツからの牛肉等 輸入一時停止措置を解除 農水省2025年11月13日 -
集荷業者への融資 「米を売って返済」今年は? 銀行のスタンスさまざま2025年11月13日 -
クルミ割り【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第364回2025年11月13日 -
オオタバコガ、シロイチモジヨトウ 関東・東海等で多発 病害虫発生予報第9号 農水省2025年11月13日 -
虹のコンキスタドールが手掛けた米「虹びより」を商品化 カレーセット販売 JAタウン2025年11月13日 -
山形県りんご「ふじ」品評会入賞商品を限定販売 JAタウン2025年11月13日 -
JAタウン限定ギフト商品発売「冬はピエトロスープであったかキャンペーン」実施中2025年11月13日 -
県奨励品種採用から100年 岡山県産米「朝日フェア」開催 JA全農2025年11月13日 -
「みのりカフェ福岡パルコ店」開業11周年記念 特別メニュー13日から提供 JA全農2025年11月13日 -
第19回全農学生『酪農の夢』コンクール受賞作品が決定 上位4作品の朗読動画を公開 JA全農2025年11月13日 -
「交通安全マップ」をJA共済アプリに搭載 身近な事故情報を確認可能に JA共済連2025年11月13日 -
浅草寺で第70回虫供養 クロップライフジャパン2025年11月13日 -
ブロッコリー 大型花蕾生産技術で労働生産性の向上を実証 農研機構2025年11月13日


































