農作物の鳥獣被害158億円 営農意欲減退の要因に AgVenture Lab2021年6月29日
(一社)AgVenture Labが主催するオフラインセミナー「野生鳥獣との共生を考える~猪突猛進編~」が6月25日、東京大手町のAgVenture Labで開催された。
環境省の遠矢氏
ショートレクチャーでは、環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室の遠矢駿一郎室長補佐が、ニホンジカやイノシシなど一部の増えすぎた鳥獣による生態系・農林水産業等への被害について報告。遠矢氏はこれらの鳥獣数は各地で駆除が行われたことで、平成26年をピークに減少傾向にある一方、分布域は東北や北陸、関東の一部地域で拡大している現状を話した。
農作物の被害は200億円を超えていたが、令和元年度は158億円となっており、その被害の約7割がシカ、イノシシ、ニホンザルとなっているという。遠矢氏は「野生鳥獣の被害額は減っているが、営農意欲を減退させる大きな要因のひとつとなる」と話し、野生鳥獣による被害が農業現場で数字以上に深刻な課題になっていると語った。
トークイベントでは、鳥獣被害対策に取り組んでいる農研機構中央農業研究センター虫・鳥獣害研究領域鳥獣害グループの平田茂樹氏、狩猟免許を持つnozomi氏、DMM Aguri Innovationの岡崎翼社長が登壇。「野生鳥獣と人との共生」をテーマに、野生鳥獣の適応能力の進化や道路整備等に起因した野生鳥獣の生息域が変動している現状などを報告した。
農研機構の平田氏は、野生動物の市街地出没が問題となっている現状を語り、「今後は農業が担ってきた防波堤効果が再評価され、それと同時に農村と都市の連携も求められている」と話した。
トークセッションの様子
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