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供給網は維持も「値上げは避けられない」 中東情勢緊迫化による農業資材への影響 JA全農2026年3月31日

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JA全農は3月30日、東京のJAビルで2026年度事業計画の説明会を開催した。このなかで尾本英樹専務は、緊迫する中東情勢が農業資材に及ぼす影響について供給面の不安は少ないとの認識を示す一方、「様々な値上げ要素が複雑に絡んでおり、今後、価格の値上げは避けられないのではないか」と述べ、生産コスト上昇への強い懸念を表明した。

JA全農の尾本英樹専務JA全農の尾本英樹専務

燃料は、日本の石油の中東依存度が約9割に達することから、ホルムズ海峡の封鎖が供給体制に及ぼす影響を注視している。政府による45日分の備蓄原油の放出が決まったが、紛争が「長期化すれば備蓄も底をつき、元売りも一部で計画出荷という話も出ており、今後の留意事項」とした。

全農は全国5カ所の石油基地に20日分超の備蓄を保有し、前年並みの供給体制を整えている。しかし、元売りとの協議次第では「JAや組合員に需給調整への協力を要請する」可能性にも言及した。

肥料は、窒素、リン酸、カリの三大要素ごとに説明した。窒素系の尿素は、世界輸出の4割を中東産が占めるが、全農は主にマレーシアから調達しており「すぐ枯渇するということはない」。リン酸原料のリン安はモロッコと中国、カリはカナダから主に調達している。モロッコからの航路は喜望峰まわりなので、「戦火が拡大しない限り供給に支障はない」見通し。

農家への供給は「春肥はほぼ配達が終わり、困ることはない」とし、リン安やカリは国が支援する約3カ月間の国内備蓄制度を活用し、供給体制を敷いていく考えだ。

飼料は米国やブラジルからの調達を維持しているが、中東問題で石油からバイオエタノールや再生可能エネルギーに需要が集中し、「トウモロコシや大豆に影響が出ないとは限らない」状況を懸念材料に挙げた。

ナフサを原料とする生産資材は、一部メーカーによる供給規制の動きを注視し、「出荷規制等が起きると現場に迷惑を受けるので、注視していく」と述べた。

価格動向の見通しも示した。燃料は政府の激変緩和措置により価格が抑制されているものの、「国の財源が続けば大丈夫だが、かなり額が大きいのでどこまで続くかが不安要素」。全農としては、免税軽油制度の活用や園芸用A重油のセーフティネット、営農用乾燥機向け灯油等への独自支援を通じてリスクヘッジを呼びかける。

肥料は、尿素高騰で「値上げは避けられない」と見ており、飼料や生産資材も原油高やメーカーからの値上げ要請を予測。こうした動きに対して「最大限、農家の生産コストを直撃して困らないように交渉していきたい」と延べた。

また、コスト押し上げ要因にフレイト(船賃)の急上昇と円安を挙げ、「コストに直接跳ね返ってくる」と懸念を表明した。今後も輸入ソースの多元化や早期調達を進め、紛争が長期化しても持続可能な供給体制を構築していく方針を強調した。

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