JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは9【今さら聞けない営農情報】第128回2021年12月4日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっているようです。そこで、本稿では「有機農業とは何か」をひも解いており、その大元となる有機JAS規格について解説しています。現在、第1条から第3条「用語の定義」まで終了し、現在、第4条「有機農産物の生産方法」を解説中です。
今回は、「ほ場又は栽培場における有害動植物の防除」です。
有機農産物を生産する時に大きなハードルとなるのが病害虫雑草の防除です。規格では、このことを「有害動植物の防除」と表現し、耕種的防除や物理的防除、生物的防除によって、あるいはこれらの防除を複数組み合わせた方法で防除しなければなりません。
人工物である化学農薬は一切使用することはできません。
ただし、農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であり、耕種的防除、物理的防除、生物的防除又はこれらを適切に組み合わせた方法だけでは、十分な防除効果が得られず、被害が起こってしまいそうな場合には、有機JAS規格別表2で示された農薬(組換えDNA技術を用いて製造されたものを除く)に限り使用することができます。
それぞれの防除の定義は以下のとおりです。
○耕種的防除:作目及び品種の選定、作付け時期の調整、その他農作物の栽培管理の一環として通常行われる作業を有害動植物の発生を抑制することを意図して計画的に実施することにより、有害動植物の防除を行うこと
○物理的防除:光、熱、音等を利用する方法、古紙に由来するマルチ(製造工程において化学的に合成された物質が添加されていないものに限る。)
もしくはプラスチックマルチ(使用後に取り除くものに限る)を使用する方法又は人力もしくは機械的な方法により有害動植物の防除を行うこと
○生物的防除(病害の原因となる微生物の増殖を抑制する微生物、有害動植物を捕食する動物もしくは有害動植物が忌避する植物もしくは有害動植物の発生を抑制する効果を有する植物の導入又はその生育に適するような環境の整備により有害動植物の防除を行うこと
(つづく)
本シリーズの一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
【今さら聞けない営農情報】
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日