JAの活動:第10回JA営農・経済フォーラム
【第10回JA営農・経済フォーラム JAの実践報告②】意向確認から要望実現へ JAふくしま未来 西幸夫常務2024年10月1日
JA全中は9月11日、東京都内で第10回JA営農・経済フォーラムを開いた。テーマは「次世代総点検運動をふまえた組合員参画型の地域農業振興計画等の策定・実践」。オンラインでも中継し、会場と合わせて約200人が参加した。ここでは3JAの実践事例報告を中心に紹介する。
「ど真ん中に"食と農" 次代につなぐ地域づくり」
JAふくしま未来 西幸夫常務
東日本大震災と原発事故を受けて2016年に合併した当JAは農業生産力と農業所得の拡大を最大の使命としてきた。水稲、園芸、果実、畜産とバランスのとれた産地が特徴でJAとしての販売高は桃、夏秋キュウリ、あんぽ柿、飼料用米で日本一で、さらに生産販売強化を目指している。
当JAでは中期経営計画と地域農業振興計画を平行して作成し3年で更新してきた。今年度は第4期計画策定の年度となっている。
中期経営計画策定に向けてはJA職員を中心とした八つのプロジェクトチームを設置し検討を進めている。そのうちの一つのプロジェクトが地域農業振興計画・営農販売戦略策定チームでそのチームが中心となり、地域農業振興計画の素案を策定する。
計画策定にあたり、JAの取り組みについて毎月動画を配信することで、取り組み状況や進捗を共有するとともに、組合員との日常的なコミュニケーションの促進をはかっている。また、管内約2500人の認定農業者と常勤役員との意見交換会を2カ月に1度開いており、こうした場を通じて組合員の課題、要望を聞きながら今後の計画策定に反映させていく。
現行の計画では農業所得10%向上を掲げ、それぞれ特色ある24の営農センターごとに1億円の販売高増加をめざして重点品目を設定したほか、生産トータルコストの低減を掲げ今年度に販売品販売高300億円をめざしてきた。
新規就農者の支援では「のれん分け方式」を2022年度から導入した。高度な生産技術を持った受け入れ農家97戸を研修先として登録してもらっており、新規就農者を受け入れている。2023年度は研修者が19人で、31人が就農した。離農者はなく、JAとしても、次世代の貴重な担い手として継続して支援を行っていく。
また、農業所得向上の検証にも取り組んでおり、JAとして品目別の生産費調査などを行い2023年までの5年間で約25%所得が向上したなどを結果を明らかにした。
みどりの食料システム戦略への取り組みとしては、土壌分析センターの設立を25年2月の稼働に向けて準備しており、健康な土づくりを支援して適正な施肥によってコストの削減につなげることをめざす。
次期計画の策定に向けては、5年後、10年後の産地形成について組合員とともに考え、現行計画で取り組んだ担い手対策を中心に、広報活動、みどり戦略の取り組みなどをさらに強化していく、。そのために組合員に対して農業経営意向アンケートを実施し、農地の活用状況と今後の経営意向などを調査している。こうしたアンケート調査をもとに、規模拡大予定者や後継者がいる生産者などを中心に、栽培、販売、労働力支援など課題を確認してJA全体で支援することも次期計画に盛り込む。
次期農業振興計画では▽農業者の所得増大、農業生産基盤の維持・拡大に向けた取り組み▽多様な農業の担い手、新規就農者の育成・確保支援対策▽みどりの食料システム戦略(環境配慮型農業)の実践▽農業リスク、異常気象・自然災害に対する備え・対策支援▽東日本大震災・原発事故からの完全復興に向けた産地づくり――を柱にしていく。
【第10回JA営農・経済フォーラム JAの実践報告①】「集えひとつに!!」力に JAきたみらい 高橋優常務
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