ミツバチ産品の新たな抗アレルギー効果を発見 食物アレルギー治療薬開発へ期待2020年12月9日
北海道大学大学院薬学研究院の柏倉淳一講師と松田正教授らの研究グループは、ミツバチ産品プロポリスがIgEに依存した好塩基球の活性化反応を抑制することを発見。抗アレルギー効果が認められたことで食物アレルギー治療薬開発への貢献に期待される。
食物アレルギーは食物抗原の摂取により引き起こされるアナフィラキシー反応で、死に至る危険なアレルギー反応。現在のところ、根治療法がないため原因となる食物の除去による対処が一般的で、患者の生活の質の低下や成長不全が問題になっていることから、食物アレルギーの発症機序や重症化のより詳細な解明が必要とされている。
好塩基球は白血球の一つで、アレルギー反応に関わることが知られる。特に、食物アレルギー発症や重症化への関与が示されており、新たな好塩基球活性化制御物質の発見は、食物アレルギー患者の新規治療薬開発につながると考えられている。
今回研究グループは、ミツバチ産品の一つであるプロポリスが、好塩基球の活性化を抑制し食物アレルギー反応を抑えることを発見。プロポリスを好塩基球に添加し、活性化の変化を観察したところ、IgE依存性のサイトカイン産生が減少した。また、プロポリスを投与したマウスでは、食物アレルギー反応の重症化が大幅に抑制された。
同研究により、好塩基球を標的細胞として食物アレルギー反応に対してプロポリスが作用することを発見されたことで、食物アレルギー疾患への新たな治療薬開発に繋がる。
同研究成果は12月2日公開のAllergologyInternational誌に掲載された。
また、同研究は予防医学の観点からローヤルゼリー、プロポリスなどミツバチ産品をはじめとする天然素材で健康を守る研究に取り組む山田養蜂場みつばち研究助成基金の支援を受けて行われた。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(140)-改正食料・農業・農村基本法(26)-2025年5月3日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(57)【防除学習帖】第296回2025年5月3日
-
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日