高知県黒潮町で非常用独立電源システムの平時活用を実証 名古屋工業大学・日東工業2020年12月9日
日東工業(愛知県長久手市)は、高知県黒潮町と名古屋工業大学と共同で、災害時の大規模停電に備える独立電源システムを普段でも活用する実証実験を開始した。
災害を想定して、避難フロアー(高さ22m)まで運び取り扱い方法を説明(左)、7月の農作業時に電源利用を確認
黒潮町は、南海トラフ地震の被害想定で日本一高い34.4メートルの津波が来ると想定されているが、停電時の電気確保として防災用発電機や燃料などの管理・運営などに課題がある。同社は、名古屋工業大学が黒潮町で取り組んでいる防災・復旧対策の実践研究に対し昨年、非常用電源として独立電源システムを提案した。
太陽光発電と蓄電池を組み合せた独立電源システムは、商用電源を使うことなく、昼間は太陽光発電で得られた電気を利用し、夜間は蓄電池に蓄えた電気を供給する電源システム。今回の取り組みは、独立電源システムの移動タイプを使うことで、災害時の非常用電源と平常時における電源活用とのリバーシブル運用を実証する。
実証では、独立電源システムの平常時の使用を想定して、農作業用倉庫でLEDライトやテレビ、ラジオなどの電源として使用。7月に農作業時に使用した際は、ラジオやテレビの電源として利用できることを確認した。
また、地元の高校生からはスマートフォンの充電やWifiの電源などに使いたいと提案があった。
名古屋工業大学の中居助教は、「燃料を消耗しない太陽光発電のため、音が静かなところと災害時まで倉庫にしまっておかないで普段からどんどん使って慣れていくことができるのも魅力」と評価している。
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