政府備蓄米 入札1回でほぼ全量落札-農水省2021年1月28日
農林水産省は1月27日、26日に実施した2021(令和3)年産備蓄米の政府買入入札結果を公表した。買い入れ予定数量の20万7000tに対して、20万5000tとほぼ全量落札となった。需給緩和を懸念し産地が積極的に取り組んだ。
入札参加資格者182のうち131者が入札した。応札数量は38万4000tと買い入れ予定数量を大幅に上回った。
入札の結果、都道府県別に他県と競争せずに落札できる優先枠は18万5314tで落札数量は18万3537tでほぼ全量落札となった。一方、一般枠2万1686tは全量が落札した。米の需給緩和を懸念し産地は早期に対応した。
2021(令和3)年産では効率的に備蓄米を確保するため、第2回入札までは最小売渡申込数量を10t以上から「100t以上」に引き上げた。また引渡し時の最小引渡数量を1ロット・10t以上を「1ロット・100t」以上とした。そのほか、穀粒判別器で検査したB区分米穀の買入数量の上限を500tから5倍の2500tに変更するなど要件を見直した。
昨年の第1回入札での落札数量は1万5000tにとどまり、3月に実施された第4回入札で全量落札した。今年は過去最大水準となる6万7000haの作付け転換を求められている。JAグループは2021(令和3)年産に向けた取り組み方針でも備蓄米について「早期の手取りの一部を確定させる観点から全量落札を図る」としており、この目標は1回の入札でほぼ達成したことになる。
しかし、需給状況は厳しく、緊急事態宣言の再発令もあって外食をはじめとして需要はさらに厳しくなることも想定される。一方で各県の「生産の目安」を合算すると、適正生産量693万tには未達であり、作付けまでにさらに非主食用への転換に取り組む必要がある。手取り確保のために飼料用米をはじめとした非主食用米の生産にも交付金を活用して取り組むことが求められる。
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