東京都の174万世帯への米支給事業 3月下旬から配送へ 米集荷は産地バランス配慮2023年3月9日
東京都が物価高で困窮する世帯への支援策として、低所得世帯約174万世帯に国産の米や野菜を支給する「東京おこめクーポン事業」がスタートし、3月下旬から米などの配送が始まる。仮に全世帯に米を配送する場合、全体の米の量は4万トン以上に上るため、東京都はJA全農を通じて産地のバランスも配慮しながら配送することにしている。
東京都の「東京おこめクーポン事業」は、物価高の影響を受けやすい約174万世帯の低所得世帯を対象に、米や野菜と引き換えられるクーポンを配布するもので、先月から対象世帯への郵送が始まった。
1世帯当たり米約25キロの支援を基本としており、東京都は各世帯の事情に応じて9つのメニューを用意した。米25キロを希望する場合は、米10キロと15キロの2回配送か、10キロ2回と5キロ1回の3回配送のコースから選べる。また、自炊をしない世帯や米のアレルギーがある家族がいる世帯に配慮して、パックご飯やうどん、カット野菜、果実飲料などを組み合わせたコースも用意した。
対象世帯は、届いたクーポンに同封されたリーフレットを参考に希望するコースを選び、同封されたハガキや専用サイトから申し込む。東京都は3月下旬から1回目の配送を始めたいとしている。
この事業をめぐっては、困窮世帯への有効な支援策であると評価される一方、すべての世帯に米を支給する場合、合計4万3500トンに上ることから、米の流通などへの影響を懸念する声も上がっていた。このため東京都は、支給する米の集荷などに関する業務をJA全農に委託し、産地の偏りなど流通への影響に配慮して事業を進めることにしている。
東京都は、「東京おこめクーポン事業コールセンター」(03-5249-3553)を設置し、問い合わせを受け付けている。
【あわせて読みたい記事】
・コメの配給制復活!?東京都の低所得者支援対策【熊野孝文・米マーケット情報】(22.11.22)
・低所得世帯に米25キロを現物支給へ 東京都が物価高対策で独自支援策(22.11.22)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日