畑地化促進事業 3倍増の750億円 多様な農業者支援策も 23年度農林水産関係補正予算2023年11月10日
政府は11月10日、総額13兆1000億円の23年度補正予算を閣議決定した。このうち農林水産関係の予算は8182億円とした。
昨年度の補正予算の全体額は29兆1000億円だったため今年度は半減となった。ただし、農林水産予算は24億円減にとどまり、昨年度とほぼ同水準を確保できたと農水省は胸を張る。
このうち農業関係は5522億円で林業関係1401億円、水産関係1251億円となっている。
重点事項は▽食料安保の強化のための構造転換対策、▽物価高騰等の影響緩和対策、▽総合的なTPP等関連政策大綱の基づく施策、▽持続可能な成長に向けた農林水産施策の推進。
食料安保の強化に向けては「過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換対策として、海外依存度の高い麦、大豆、子実トウモロコシなどの生産に向けた水田の畑地化促進事業で昨年度の3倍増となる750億円を確保した。また、加工業務用野菜の国産シェア拡大のため農業機械・技術の導入、流通加工施設の整備などで25億円を確保した。
米粉の利用拡大をめざし米粉商品の開発や、製粉企業・食品製造業者の施設導入などの支援に20億円を確保した。
また、基本法改正を視野に政府が6月に決めた「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」に「人口減少下でも持続可能で強固な食料供給基盤の確立」を盛り込んだことを受け、将来の生産者の急減に備え、担い手への機械・施設の導入、農業サービス事業体の新規参入などを支援する予算として23億円を確保した。
物価高騰の影響緩和対策では燃料の価格高騰や収入保険制度の加入者に対する補てん金の交付などに45億円、需要が減退している和牛肉の需給改善を図るための和牛肉の新規需要開拓などのために50億円を確保した。
TPP関連政策大綱に基づく施策では輸出促進対策で360億円、産地生産基盤パワーアップ事業に310億円、有機農業の面積拡大を加速するなどみどりの食料システム戦略緊急対策事業で27億円を確保した。
そのほか酪農対策では長命連産性の高い牛群構成への転換を図るための取り組みを支援する予算として50億円を確保した。
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