11月の野菜生育状況 平年並みの価格に落ち着く野菜が増える見込み 農水省2024年10月31日
農林水産省は10月30日、東京都中央卸売市場に出荷される11月の野菜の生育状況と価格見通しを主産地等から聞き取り、結果を公表した。11月は、夏秋の産地から秋冬の産地への切り替わり等に伴い、平年並みの価格に落ち着く野菜が増える見込み。

<今後の生育、出荷および価格見通し>
◎だいこん
北海道産・青森県産の出荷が減少し、千葉県産・神奈川県産中心の出荷へと切り替わる。
千葉県産の生育は順調。神奈川県産は播種時期の8月から9月の高温の影響により歩留まりの低下がみられるものの、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。
全体として、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎にんじん
北海道産中心の出荷から、千葉県産中心の出荷へと切り替わる。
北海道産の生育は順調。千葉県産は8月以降の高温の影響により高温障害が発生し、歩留まりの低下がみられる。
全体として、11月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移し、11月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎はくさい
長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へと切り替わる。
茨城県産は、8月以降の高温の影響により生育が遅延傾向であることに加え、高温障害による歩留まりの低下がみられるため、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。11月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎キャベツ
群馬県産の出荷が減少し、千葉県産・愛知県産・茨城県産中心の出荷へと切り替わる。
千葉県産の生育は順調。愛知県産・茨城県産は8月から9月の高温等の影響による定植の遅れ、歩留まりの低下がみられ、11月前半までは出荷数量は平年を下回って推移する見込み。
全体として、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、11月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎ほうれんそう
主産地で、9月以降の高温の影響により細物傾向となっているものの、気温低下に伴い生育が回復傾向。11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎ねぎ
北海道産・青森県産の出荷が減少し、茨城県産・栃木県産の出荷が増加する。
秋田県産の生育は順調。茨城県産・栃木県産・青森県産は7月から9月の高温による生育の遅延、歩留まりの低下がみられ、出荷数量は平年を下回って推移する見込み。
全体として、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎レタス
長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へ切り替わる。
茨城県産の生育は順調。静岡県産は高温の影響により生育が遅延傾向となっており、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。
全体として、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎きゅうり
群馬県産・埼玉県産に加え、宮崎県産が増加する。
主産地において、定植時・生育初期の高温、その後の天候不良の影響により、11月前半の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。宮崎県産は11月後半は生育が回復し、平年並みの出荷数量となるが、群馬県産・埼玉県産は切りあがりが早く、11月後半も出荷数量は平年を下回って推移する見込み。
全体として、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎なす
群馬県産・栃木県産の出荷が減少し、高知県産・福岡県産中心の出荷へと切り替わる。
主産地で、生育は順調。11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎トマト
千葉県産の出荷が減少し、熊本県産・愛知県産・栃木県産の出荷が増加する。
熊本県産・愛知県産・栃木県産は定植時・生育初期の高温の影響により、生育不良がみられることに加え、小玉傾向。11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。千葉県産は高温の影響により生育不良がみられることに加え、切りあがりが早くなるため、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。
全体として、11月の出荷数量は平年を下回って推移し、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎ピーマン
茨城県産は10月の曇天・気温の乱高下の影響により生育遅れ等がみられること、宮崎県産・高知県産は定植時・生育初期の高温の影響により生育不良がみられることから、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。生育は回復傾向であるため、11月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。
◎ばれいしょ
北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。
11月の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。
◎さといも
主産地で、生育は順調。11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎たまねぎ
北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。
11月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移するが、9月から10月の干ばつの影響により小玉傾向。11月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎ブロッコリー
埼玉県産に加え、熊本県産・香川県産・愛知県産の出荷が増加する。
主産地で、7月から9月の高温の影響により、生育遅れや歩留まりの低下がみられ、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。11月後半には各産地の出荷が出揃い、出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































