3月の野菜生育状況と価格見通し きゅうり、なす、ピーマンは平年並みへ 農水省2025年3月5日
農林水産省は2月28日、東京都中央卸売市場に出荷される3月の野菜の生育状況と価格見通しを主産地等から聞き取り、結果を公表した。3月は、キャベツ、はくさい等ほとんどの野菜が引き続き高値傾向で推移する見込みである一方、果菜類(きゅうり、なす、ピーマン)等を中心に平年並みの価格で推移する品目が増える見込み。
<主要野菜の生育、出荷および価格見通し>
◎だいこん
千葉県産の生育は順調。神奈川県産は12月から2月の少雨、2月の低温の影響により歩留まりが低下しており、3月の出荷数量は平年を下回る見込み。
全体として、3月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎にんじん
千葉県産に加え、徳島県産の出荷が増加する。
徳島県産の生育は順調。千葉県産は葉枯れに加え、12月から2月の少雨の影響により細物傾向となり、出荷数量が平年を下回って推移している。
全体として、月半ばから後半にかけて徳島県産の出荷数量の増加が見込まれるが、3月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎はくさい
主産県で、12月から2月の少雨の影響により小玉傾向であることに加え、他の葉物野菜の出荷数量が減少傾向で推移し、引き合いが強まったことで出荷が前倒しとなり、秋冬作のほ場残量が少ない状況。春作の生育は順調であり、月半ばから後半にかけて春作の出荷数量の増加が見込まれるが、3月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎キャベツ
主産県で、冬作は12月から2月の少雨の影響により小玉傾向。出荷数量が平年を下回る状況が継続する見込み。春作は千葉県産・神奈川県産で12月から2月の少雨、2月の低温により生育が遅延している。
全体として、春作の出荷により徐々に回復傾向だが、3月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎ほうれんそう
主産県の生育は概ね順調。3月の出荷数量は平年並みが見込まれるが、他の葉物野菜の出荷数量が減少傾向で推移することが見込まれることから、引き合いが強まり、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎ねぎ
主産県で、8月から9月の高温の影響による歩留まりの低下に加え、12月から2月の少雨の影響により細物傾向。生育は徐々に回復傾向にあるが、3月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
◎レタス
静岡県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷に切り替わる。
主産県で12月から2月の少雨の影響により小玉傾向。生育は回復傾向にあるが、3月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎きゅうり
主産県で低温の影響による生育不良等がみられるが、大幅な出荷数量の減少は見込まれず、3月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎なす
主産県の生育は概ね順調。3月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎トマト
熊本県産は定植時期の高温、秋季の天候不順、1月から2月の低温の影響による生育不良等がみられ、3月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。栃木県産・愛知県産も1月から2月の低温の影響による生育不良等がみられるが、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。
全体として、3月の出荷数量はやや平年を下回って推移し、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎ピーマン
主産県の生育は概ね順調。3月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。
◎ばれいしょ
北海道産は収穫及び貯蔵が完了。残量を計画的に出荷しているため、3月の出荷数量は平年並みとなる見込み。鹿児島県産は秋季の長雨、1月から2月の低温、干ばつの影響により歩留まりの低下が見られ、3月の出荷数量は平年をやや下回る見込み。
全体として、3月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎さといも
主産県で、次期作の種芋を確保しながらの出荷となる。残量は平年並みであるものの、定植用に種芋を多めに確保する産地もみられることから、3月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎たまねぎ
北海道産は収穫及び貯蔵が完了。残量を計画的に出荷しているため、3月の出荷数量は平年並みとなる見込み。静岡県産は干ばつの影響で遅れていた生育は徐々に回復傾向だが、3月の出荷数量はやや平年を下回る見込み。
全体的に、3月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
◎ブロッコリー
主産県で、冬季の低温、干ばつの影響により、生育遅延がみられる。気温の上昇に伴い生育は徐々に回復する見込みだが、全体として3月の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回って推移する見込み。
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