農水省 野菜のコスト指標 複数の産地別に作成検討 野菜WG2025年6月9日
農水省は6月6日、適正な価格形成に関する協議会の野菜ワーキンググループの第3回会合を開き、コスト指標の作成について議論した。
農水省は野菜のコスト調査の結果を公表している。そのうち九州で生産・集荷され、東京近郊の卸売市場を通じて都内の量販店で小売されたたまねぎのコストは、生産段階で1kg69.9円だが、取引価格は同55.7円とマージンはマイナスとなっていることが示された。
そのうえでで卸売段階などのコストやマージンw積み上げた結果、小売価格は同142.1円だった。しかし、各段階のコストをそのまま積み上げると同145.5円となり、調査事例の小売価格ではコスト割れとなっていることが示された。
農水省はこうしたコスト調査を実施してコスト指標を作成し、まずは基準年のコスト指標を示す。その後、統計等を活用して直近のコスト指標を作成し、コストがプラスに変動していれば販売先に説明して、価格交渉を開始するトリガーとして活用する。
コスト指標作成で一致
WGの意見交換で生産者委員からは「同一品目でも流通形態が異なっており、全国一本のコスト指標作成は困難」との指摘が出て、複数の産地別に指標を作成すべきではないかとの意見が出た。また、品目によっては年1回ではなく季節ごとに作成する必要があるのではないかとの指摘もあった。ただ、コスト指標があれば取引の指標になると有効性を認めた。
卸売業者からは「数値の客観性の確保は必要」と指摘しながらもコスト指標の作成には協力していくと話した。そのほか実需者、小売業者からもコスト指標の作成は必要で「コストを踏まえれば交渉のレベルが上がる」などと期待する声もあった。
消費者団体もコスト指標作成に参加していく方針を表明し「情報の提供を受けることで互いに信頼が生まれる」と話すなど、生産から流通、消費者まで野菜のコスト指標を作成する必要があることで一致した。現在参議院で審議されている食料システム法では農相がコスト指標を作成する品目を指定し、その品目の生産、流通、小売など団体の関係者で構成するコスト指標作成団体を組織して国が認定する。
今後は野菜のうち、どの品目を対象とするかや、露地と施設栽培でコストが異なること、主要産地別に策定する場合の産地の選定の仕方など、課題は多い。
野菜は卸売市場で需給によって価格が決められ早急に売買され小売まで届く。新たな法律のもとでは卸市場開設者が指定品目とコスト指標を公表する。
その下で競りを行い、コスト割れする価格で取引されるようであれば、市場出荷を翌日持ち越しとしたり、産地側に出荷抑制を促すなど、適正な価格形成につながると農水省は期待する。
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