農政:農業協同組合研究会 第14回研究大会
【どうする米対策】農業協同組合研究会 第14回研究大会を開催2018年5月25日
・販売先と結びつきを強化業務・加工用にも対応を
農業協同組合研究会(会長:梶井功東京農工大名誉教授)は5月19日に東京都内で第14回研究大会「生産調整見直し後の米需給対策と販売対応の課題」を開いた。30年産からの米穀事業に新たな取り組みを進めているJAや、米卸や食品産業など流通の動き、さらにJAグループの取り組みなどを報告し議論した。

(写真左から)米穀新聞の熊野孝文氏、JA全中農政部水田・畑作農業対策課の加藤純課長、JAえちご上越の石山忠雄常務
30年産からの米政策の見直しのポイントは、国による生産数量目標の配分と、10aあたり7500円の米の直接支払交付金の廃止だ。
米の需給と価格がどうなるか、現場に不安があるなか、産地の取り組みを報告したJAえちご上越の石山忠雄常務が強調したのは「作ったものを売る」から「売れるものを作る」への転換だ。
同JAでは30年産に向け、昨年12月までに全農県本部を含め取引先60社から需要情報を集約し、それをもとに生産販売計画を立て、年明けから生産者に対して出荷依頼数量を提示した。行政による"配分"に替わるものだが、違うのは売り先からのニーズに基づいて生産・出荷が依頼されるという点。JAと出荷契約をすれば、田植えを終えた時点ですでに販売先が決まっていることになる。
ただし、業務用や加工用など需要に応じた銘柄を生産するよう誘導し、30年産ではコシヒカリの比率は45%を下回った。
同時に生き残る産地向けて低コスト栽培の力を入れている。石山常務によると直播栽培と密苗の導入で10aあたり1万円の生産費削減になったといい、米の直接支払い交付金7500円の廃止をこれで補うことができるとした。「米の品揃えを豊富にし販売先を決めてから作付けする取り組みを進めていく」と話した。
米穀新聞の熊野孝文氏は適正な米価を実現し、主食用だけでなく加工用、米粉用など国産米の需要拡大に取り組む必要性を強調し、「マーケットに向き合った米事業をすべき」と指摘した。
JA全中農政部水田・畑作農業対策課の加藤純課長は米政策の変遷を整理したうえで、今後の課題として業務用米が不足しているなど、用途米に需給を見ることが大事だと指摘した。そのうえで水田フル活用を支援する補助金も措置されていることから、それらも活用し「10aあたりの手取りで考える水田農業」の確立が産地の課題だと指摘した。
司会は小池恒男・農業開発研修センター理事長が務めた。
(関連記事)
・【農協研究会・第1報告 米価下がれば需要増える】熊野孝文・(株)米穀新聞社記者(18.05.25)
・【農協研究会・第2報告 需給調整は用途別に】加藤純・JA全中農政部水田・畑作農業対策課長(18.05.28)
・【農協研究会・第3報告 需要に応じた生産へ】石山忠雄・JAえちご上越常務理事(18.05.28)
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