青森県産りんごの製造体制を拡大 オランダ製大型選果機を導入 日本農業2024年11月14日
日本の農産物の生産から販売まで一気通貫で展開する株式会社日本農業は、青森県弘前市内のりんご選果場(境関選果場)でオランダの選果機メーカー企業・GREEFA社製の大型選果機を導入し、9月下旬から稼働した。従来の日本式選果機に比べ約3倍の処理能力の大型選果機で、境関選果場では昨シーズンから約2.5倍の1万9000トンのりんごの選果を計画している。
GREEFA(グリーファ)社製の大型選果機を導入した境関選果場
2016年の設立から日本産りんごの輸出を手がける同社は、青森県弘前市に支店を構え、青森県内のりんご生産者と契約を結び、青森県産りんごをアジア各国へ輸出および日本全国に販売している。このほど、さらなる海外・日本国内の双方の販路拡大を見据え、りんごの外観検査を自動化でき、かつ1秒で8個の高速選別ができ従来の約3倍の処理能力を持つ大型選果機を導入した。
GREEFA社製の大型選果機を導入することで、品質を安定させ、大幅にりんごの選果量を拡大。2023年実績で、導入拠点の境関選果場では7500トンのりんごを選果した。2024年シーズンは約2.5倍の1万9000トンの選果量を計画している。なお、GREEFA社製の大型選果機では、入庫されたりんごの粗選果と国内販売用製品の製造で稼働する。
選果量の増加は、国内外への販売拡大だけでなく、生産者向けのサービス拡充にもつながる。これまで、生産者が担ってきた選果作業をせず入庫する「ぶっこみ入庫」のサービス対応量を増やし、生産者の作業負担軽減に寄与していく。
日本農業は、りんごを入庫する農家を募集中。木箱だけでなく軽量化を図ったプラスチックコンテナ・折りたたみコンテナでの入庫や、生産者での山選果をせず入庫する「ぶっこみ入庫」が可能で、集荷サービスなども提供している。問い合せは(電話)0172-55-8206、(公式LINE:http://nav.cx/aDJHPUw)から。
◎GREEFA社製大型選果機の導入で期待される効果
・品質の安定化
これまで熟練の作業員が目視で確認していた判別を機械化することで、人で選果していたときに発生する「見落とし」を減らす。また、安定した品質の製品を製造できるため、経験が少ない作業員でも選果・梱包作業に従事することが可能となる。
・生産性の向上
1粒ごとの品質確認を機械が担い自動化することで、これまで目視で確認していた作業を削減。人の手が介在する箇所を減らし簡略化することで、効率化を図る。
・製造量の増加
GREEFA社製大型選果機では、従来の約3倍の処理能力を持つため、大幅な製造量の増加を見込む。海外および日本国内の消費地でニーズがあるタイミングに、求められる規格の製品を供給できる体制を築くことが可能となる。境関選果場では1万9000トンの選果量を計画。
・労務費の半減
100トンを選果・梱包するために、従来の日本式選果機では20人で約40時間を要したが、GREEFA社製大型選果機では40人で約9時間。コスト削減と人手不足の解消が期待される。
・生産者の作業負担軽減
GREEFA社製大型選果機による効率化や選果量増加に伴い、生産者の作業の負担軽減となるサービスの充実を図る。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日