未承認遺伝子組換えペチュニアを回収 タキイ種苗2017年5月11日
タキイ種苗は5月10日、同社が販売している観賞用ペチュニアのうち4品種が、国内未承認の遺伝子組換え体であることが判明したので、回収を実施することを発表した。
遺伝子組換え体と判明した観賞用ペチュニアの商品名と販売開始時期および出荷件数は以下の通り。
★F1オレンジクイーン 2013年 7637件
★F1ディーバマンゴー 2016年 5件
★F1ディーバレッド 2014年 1852件
★F1ディーバディープパープル 2016年 302件
上記種苗を購入し、現在も保持している顧客については、「返金ならびに回収のお知らせ」をすることにしている。
顧客からの問い合わせについては、5月11日午前9時から下記窓口で対応している。
★タキイ種苗(株)専用窓口
電話:0120-076-526
(受付時間:土日祝日を除く午前9時から午後5時まで)
今回、この4品種が遺伝子組換え体であることが判明したのは、4月27日に、フィンランド食品安全局からオレンジ色のペチュニア9品種について遺伝子組換え体であったとの発表があったことが発端だった。
タキイ種苗は、この情報を5月2日に入手し、その内容を確認したところ、そのなかに同社のF1オレンジクイーンが含まれている事が分かり、当該品種を検査したところ事実であることを確認した。併せて同様の素材を用いて育種開発した品種についても確認したところ、上記の3品種も遺伝子組換え体であることが判明した。
同社では、遺伝子組換え技術による品種開発を「全く行っていない」ので、育成のために同社が海外で入手した市販品種が原因であった可能性が高いと考えている。そうした素材を導入し品種開発を進めてきたことで、「未承認の組換え体を販売・流通させる事態を招いてしまった」ことになる。
なお、フィンランドの食品安全局によると人体への危険性はないという。また、同社によれば「ペチュニアは南米原産の外来種で、日本における交雑可能な近縁野生種の存在は知られていない」こと。「園芸作物として改良が重ねられ、人が作りだした環境に適応した作物であるため、雑草化して他の野生食物に影響を与える可能性も低いと考えられている」という。
今後の開発について、同社では「今回の件を厳粛に受け止め、今後の品種開発を進めるうえで、とくに外部からの素材については、その特性を慎重に確認し、同様の問題を起こさぬよう再発防止に努める」としている。
今回判明した品種は、いずれも観賞用花き類で、食用ではなかったが、もし食用品種で「国内未承認」の遺伝子組換え品種を海外で購入し、それを「育成の素材」として使っていれば、開発された植物が人体への危険性がなくても、許されるものではなく、回収すればすむ問題ではなくなる。なぜ「素材」の段階で確認作業がなされなかったのか、種苗開発のあり方を改めて問う必要があるのかもしれない。
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日