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2020.02.19 
根でも光合成の可能性広がる 根に葉緑体を作る重要な酵素 筑波大など研究グループが発見一覧へ

 筑波大学、東北大学 、理化学研究所、国際農林水産業研究センター、岐阜大学の研究グループは、根の葉緑体を作るのに窒素同化鍵酵素が重要であることを発見した。同研究により、光合成をしない根に葉緑体を作らせ、光合成能力を加える新たな方法の開発につながると考えられる。

 窒素同化とは、硝酸イオンやアンモニウムイオンなどの無機窒素化合物を材料にアミノ酸など有機窒素化合物を合成する反応のこと。同研究グループは、イネの窒素同化に欠かせない細胞質型グルタミン合成酵素(GS1)のアイソザイム(同一の生化学反応を触媒する複数の酵素群)のうち、根で働く2種類の働き方の違いを明らかにした。

 2種類のうちOsGS1;1は、炭素・窒素代謝の恒常性制御を担っており、OsGS1;2は、アミノ酸の生合成に影響を与えていた。

 また、OsGS1;1の働きを抑制すると、光合成を行わない根に葉緑体が形成されることを世界で初めて明らかにした。

 同成果は、これまで葉緑体の形成に関係ないと考えられてきた窒素同化と炭素・窒素代謝を制御することで、根に光合成能力を付与できる可能性があることを示しているという。

 窒素は肥料の三大必須栄養素の一つで 、植物の生存に不可欠な葉緑素やアミノ酸等の材料となる。植物の体内に取り込まれた窒素は、アンモニウムに変換された後、グルタミン合成酵素(GS)によりアミノ酸の一種であるグルタミンを作る。

 植物は細胞質局在型GS1をコードする遺伝子を複数個持っているが、植物が多数のGS1アイソザイムを持つ理由は明らかにされていなかった

 同研究では、食糧として重要な作物であるイネのGS1アイソザイムの中で、窒素肥料を与える時期として効果的な生育初期段階で発現するOsGS1;1とOsGS1;2に着目。それぞれの遺伝子を破壊した変異型イネを解析した結果、Osgs1;1変異体の根で中心代謝に属する糖類やアミノ酸類の蓄積バランスが崩れるのに対し、Osgs1;2変異体ではアミノ酸類の量だけが減少した。

 さらに、Osgs1;1変異体では、光合成を行わない根の部分に 葉緑体が形成されることを明らかにした。OsGS1;1は、炭素・窒素代謝の恒常性や葉緑体形成など、広範な現象に関わり、Osgs1;2は、代謝中のアミノ酸生合成制御に特に関わ っていることになる。

 同研究の成果は、2月6日に「Plant Physiology」で公開された。

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