2021年に食品・農業分野で注目すべき技術トップ5発表 米ラックスリサーチ社2021年2月10日
先端技術調査を専門とする米調査会社ラックスリサーチは、食品・農業分野でのイノベーション動向への理解をサポートする年次技術予測レポート「2021年に注目すべき先端技術」で、2021年に注目すべき技術の総合ランキングとして12の技術と食品・農業分野における主要技術トップ5を発表した。
ラックスリサーチは、同調査で注目の技術を特定する際、まず独自開発のデータアナリティクスプラットフォーム「Tech Signal(テックシグナル)」でイノベーションデータを分析し、技術開発への関心が急速に高まりを見せている技術を特定した。ただし、注目度が高く技術開発が盛んに行われていても、規制や事業性など、商用化には克服すべき重大な課題を抱えている技術もあることから、データ分析によるランキングに対し、自社の技術専門家であるアナリストが事業性などの最終的な技術評価を行い、今回の総合ランキングと産業別を作成した。
同社が食品・農業分野で2021年に注目するべき技術として挙げたトップ5は、「バイオインフォマティクス」「代替たんぱく質」「精密農業」「バイオ肥料」「イングリディエントインフォマティクス」の分野。
1位の「バイオインフォマティクス」は、これまで主に医療および製薬用途に焦点を当てて開発されてきたが、現在、食品・農業・ヘルスケアにおける活用が増加すると予想されている。2位の「代替たんぱく質」は、健康管理やサステイナビリティへの懸念は食生活の多様化を推進しており、土地利用から原材料のサプライチェーンに至るまで大きな変化をもたらしている。
3位は「精密農業」。デジタル技術は農業に革命を起こしており、精密農業技術は作物の収穫量増加や品質改善につながると同時に、環境負荷の軽減に貢献する。また、4位の「バイオ肥料」やその他微生物の生物刺激剤は、生きた微生物を使い、栄養素の使用効率と農業の持続可能性を改善するとしている。
さらに、5位の「イングリディエントインフォマティクス」は、機械学習をレシピや材料・成分に適用すると、新商品の成分配合をより迅速に行うことができる技術。食品の開発から発売までの必要期間を短縮化することが可能になる。
結果について同社シニアアナリストのJoshua Haslun, Ph.D.は「食品・農業両分野で、デジタル技術の活用が今後不可欠となる中、『イングリディエントインフォマティクス』は製品開発サイクルを短縮するための主要な技術。『精密農業』の技術は従来の農薬開発を補完するものとして重要性がさらに高まっている。また、『バイオ肥料』や『代替たんぱく質』は、主力原料の代替品として、農業・食品の動きのひとつとして今後さらに注目される分野といえる。バイオインフォマティクスが医薬品開発における活用から、今後アグリフードエコシステム全体に大きな変革をもたらす技術となることが期待されている」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日