うめ・ももに県内未発生のヨコバイ科「Singapora shinshana」発生 栃木県2021年9月21日
栃木県農業環境指導センターは、ヨコバイ科の一種「Singapora shinshana」の発生を県内で初めて確認。これを受け、9月15日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
幼虫(写真提供:栃木県農業環境指導センター)
8月に、宇都宮市内のうめとももに、葉が白化する被害が確認された。被害葉の裏面にはヨコバイ科の成幼虫及びその脱皮殻が認められた。被害樹からの採集個体を農林水産省横浜植物防疫所に同定依頼した結果、栃木県未発生のヨコバイ科の一種「Singapora shinshana」と同定された。
成虫、幼虫ともに葉を吸汁し、被害葉は白くカスリ状となる。食害が進行すると葉全体が白化して落葉。被害葉の裏面には幼虫の脱皮殻が多量に付着する。成虫の体長は 3.0~3.5mm。体色は黄緑色で、複眼は黒く、頭頂部に黒斑点を有する。
同種の発生は中国、台湾、韓国、北朝鮮で確認されており、日本では沖縄県、和歌山県、徳島県、埼玉県、京都府、大阪府、岡山県、群馬県、滋賀県及び香川県の10府県で確認。うめ、もも、なし、りんご、サンザシ、ポポー、ポプラ等を加害することが報告されている。
同センターでは、現時点で本種に適用のある農薬はないとし、防除対策として、同種の発生および被害の早期発見に努め、被害が確認されたら速やかに寄生葉ごと除去し、適切に処分することを呼びかけている。
被害葉表面(うめ)(写真提供:栃木県農業環境指導センター)
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