「椎茸荒選別におけるAIの活用事例」農事組合法人みずほと共同発表 伯東2024年4月22日
伯東株式会社(東京都新宿区)は、農事組合法人みずほ(秋田県横手市)との共同プロジェクトとして取り組んできた菌床椎茸の荒選別におけるAIテクノロジーの活用について、2月28日に開かれた日本特用林産振興会モデル事業報告会で発表した。同社は今後、社会実装に向けた活動の開始を予定している。
報告会で発表する農事組合法人みずほの熊谷代表(左)、AI選果機(プロトタイプ)を用いた荒選別作業
伯東は、2023年から農事組合法人みずほと、椎茸の生産現場における労働力不足解消と選別品質向上を目指し、新たな荒選別手法の具現化に向け取り組んでいる。これまで、椎茸の選別現場では、様々な手作業の残存や選別知見の属人化が課題となっていた。
この課題解決に向けて、農事組合法人みずほから椎茸選別における様々なノウハウの提供を受け、同社が長年エレクトロニクス業界で培ってきたテクノロジー知見を基に、AI技術とカメラデバイスを組み合わせた選果機を新たに開発。AIへの学習に加え選果機のバーションアップを重ね、これまでの人を介した選別と遜色無い水準に高めた。
このほど、農事組合法人みずほは、日本特用林産振興会の「令和5年度 需要拡大や生産性向上に向けたモデル的取組の支援事業」にノミネートされ、伯東は協力事業者として共同で実効性検証を進めてきた。
報告会では、主催者で日本特用林産振興会と林野庁の選考委員会委員に向けて、農事組合法人みずほの熊谷賢代表が、菌床椎茸の荒選別にAI技術を導入するメリットを伝えると、今後の社会実装に向けて高い期待が寄せられた。
熊谷代表は「AIを椎茸選別へ活用するという新しい試みだったが、予想を大きく上回る選別精度と労力低減効果を出すことができ大変驚いている。今後はスマートグラスや自動判別機などの形で、実際の生産現場へ組み込むことを考えていきたい。大学や研究所とも検証結果を共有し、農工連携で椎茸栽培を持続可能な形にできることを期待している」とコメント。今後は農事組合法人みずほと協業の上、社会実装に向けた活動の開始を予定している。
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