【特殊報】温州ミカンにワタミヒゲナガゾウムシ 県内で初めて確認 徳島県2024年8月19日
徳島県立農林水産総合技術支援センターは、温州ミカン(施設栽培)にワタミヒゲナガゾウムシ(コウチュウ目ヒゲナガゾウムシ科)を県内で初めて正式に確認。これを受けて8月9日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
徳島県立農林水産総合技術支援センターによると、6月に県南部のハウスミカン園において、樹上の腐敗果実や落下した果実に多くの成虫を確認した(図1)。
図1:ワタミヒゲナガゾウムシの成虫(提供:徳島県)
また、着色期の果実のへた部周辺には幼虫がおり、果実が黄変し落果する被害が認められた。以上のことから虫体を採取し、農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼した結果、ワタミヒゲナガゾウムシと判明した。
ワタミヒゲナガゾウムシの成虫は体長2~5mm程度。黒褐色で素早く飛翔する。食痕は、浅いかすり状のものから果肉部に達する孔まで多様。幼虫は体長1.5~5.5mm 程度で白色のイモムシ状。成虫は果皮内に産卵し、孵化した幼虫は果実内部に食入し発育する。
国外では露地カンキツの果実が加害された事例があるが、国内では露地カンキツでの直接的な被害は確認されていない。
ワタミヒゲナガゾウムシは本州以南に古くから生息しており、ハウスミカンでは福岡県、佐賀県、香川県、和歌山県で被害が確認されている。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇登録農薬はビフェントリン水和剤のみで、成虫発生期に散布する(表)。
表:かんきつでワタミヒゲナガゾウムシに登録のある農薬(登録内容:8月1日現在)
〇生理落果や摘果した果実は発生源となるので、園外で埋没処分するか、ビニール袋へ入れて密閉処分する。収穫後から次作の開花期の間の除去を徹底し、とくに、ハウスビニール被覆の1か月ほど前までには、園内の果実を一掃しておく。
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