大規模植物工場でわさびの栽培技術開発を開始 海外市場向け生産体制構築へ NEXTAGE2025年4月28日
わさびの自動栽培に取り組むアグリテックベンチャー、NEXTAGE(東京、中村拓也代表取締役)と三菱ガス化学(東京、伊佐早禎則社長)は、海外のわさび市場に向けた安定供給を目指して、大規模植物工場でのわさび栽培の実用化に向けた技術開発を開始した。

わさびの大規模植物工場のイメージ
NEXTAGEはわさびの国内生産量改善に向けて「わさび栽培モジュール」を提供している。海外での市場調査から、同モジュールによる現地栽培だけでは供給力が不十分と判断し、栽培規模拡大の機会を探っていた。同社独自の市場調査(推計)では、わさびの需要は大きく伸長し、現在は1万585tという。三菱ガス化学とは一昨年から、わさびの植物工場栽培に向けた共同研究を行っており、取り組みに参画することになった。

アイルランドで試食会
ヨーロッパでわさび栽培に関心の高いアイルランドでは、ミシュラン星獲得シェフ、わさび関連商品製造会社代表、農業法人代表を招き、同社が栽培した本わさびの試食会を開催した。寿司・日本食に加え、イタリアン、ヨーロピアン創作料理での活用を提案し、高い評価を得た。アンケートでは85.7%が「食材として利用したい」と回答し、強い関心があるという。
NEXTAGEは最高峰の国産わさびと言われる「真妻種」発祥の地、旧真妻村(現和歌山県日高郡印南町川又)で2019年から真妻種の栽培を開始。「わさび文化」の継承と発展、未来の子供たちに「本物のわさび」を残すため、屋内環境での人工光による試験栽培(=植物工場栽培)と商品化に取り組んでいる。

わさびの年間推定需要
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