【注意報】さとうきびにメイチュウ類 久米島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきびにメイチュウ類が久米島で多発のおそれがあるとして、6月4日に令和7年度病害虫発生予察注意報第1号を発表した。
図1:ほ場の芯枯れの発生状況と図2:ほ場の坪枯れの発生状況(点線部)
(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
沖縄県病害虫防除技術センターによると、5月21日に久米島において新植夏植えほ場5地点と株出しほ場5地点で芯枯茎調査を実施。その結果、芯枯茎率は16%で、この値は国が定める発生予察調査実施基準における発生程度別基準では「多」に該当する。また、発生ほ場率は100%で坪枯れの発生しているほ場も確認された(図1、2)。芯枯茎の切開調査の結果、確認されたメイチュウ類幼虫はカンシャシンクイハマキとイネヨトウだった。
図3:芯枯れ茎、図4:カンシャシンクイハマキ幼虫、図5:カンシャシンクイハマキ幼虫
(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
メイチュウ類に共通する生態としては、被害ほ場およびイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害して芯枯れ(図3)を起こす。
カンシャシンクイハマキ(図4)は沖縄では年6~7世代を重ね、周年発生。卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵に達し、被害はほ場内に散在的に発生する。
イネヨトウ(図5)は沖縄では年5~7世代を重ね、周年発生。卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。初期被害はほ場周縁部で見られ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)ほ場および周辺の除草を徹底する。
(2)培土時に土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
(3)茎葉への水和剤等の散布は、葉鞘内に薬液が十分に行き届くように丁寧に散布する。MEP単独成分の剤は感受性低下の報告があるため、他の剤を中心に散布する。
(4)薬剤防除後、2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まる。
(5)被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。※農薬の使用にあたっては、ラベルをよく読み、登録内容を確認して正しく使用する。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】さとうきびに黒穂病 多良間島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 久米島で多発のおそれ 沖縄県2025年6月6日
-
備蓄米なくなれば米の緊急輸入も 小泉農相表明2025年6月6日
-
全農 備蓄米 出荷済数量7割に 6月5日現在2025年6月6日
-
米価 「下がる見通し」判断増えず 米穀機構2025年6月6日
-
【動き始めたバイオスティミュラント】農水省がガイドラインを公表 今後は業界の自主的なルール作りと適切な運用が課題に2025年6月6日
-
米の自給守り抜く瀬戸際 農家への所得補償を 国会内で緊急集会2025年6月6日
-
供給過剰なら備蓄米確保を JA全中 山野会長2025年6月6日
-
【'25新組合長に聞く】JA馬路村(高知) 長野桃太氏(3/26就任) 「村興し」のその先へ2025年6月6日
-
【統計】りんごの収穫量 前年産比1%増 農水省2025年6月6日
-
【統計】みかんの収穫量 前年産比18%減 農水省2025年6月6日
-
(438)食と金融における「余白」と「ゆらぎ」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月6日
-
【JA人事】JAひがし宗谷(北海道)佐藤裕司組合長を再任(5月16日)2025年6月6日
-
大手農機メーカーの大型作業機が集結 JAグループ宮城の「営農支援フェア2025」2025年6月6日
-
若手農業従事者90人に聞いた「農作業と熱中症に関する実態調査」草刈り、薬剤散布は特に注意2025年6月6日
-
タイの研究開発拠点を拡張 現地ニーズを反映した製品開発を加速 クボタ2025年6月6日
-
町工場の職人が田んぼの先生に 「ものづくり×米作り」体験 炊飯具「にわ先かまど」で炊飯も ヤマナカ2025年6月6日
-
「國酒フェア2025」を大阪で開催 本格焼酎・泡盛カクテルの新たな魅力発信 日本酒造組合中央会2025年6月6日
-
「6月は牛乳月間!毎日、県産牛乳を飲もう」 山形駅と赤湯駅で高校生に牛乳を配布 山形県牛乳普及協会2025年6月6日
-
鮮度保持技術「ZEROCO」で大阪・関西万博に出展 仙台産いちご×国産牛乳のプレミアムスムージーや新食感冷凍フルーツなど紹介 ZEROCO2025年6月6日