土壌菌により活性化されるとジャガイモの寄生虫を孵化させる鍵物質 神戸大など研究グループが発見2025年6月10日
神戸大学大学院農学研究科の水谷正治教授、理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 代謝システム研究チームの秋山遼太基礎科学特別研究員、平井優美チームリーダーらと、農研機構北海道農業研究センターの串田篤彦博士、北海道大学大学院理学研究院の谷野圭持教授らの研究グループは、土壌菌により活性化されるとジャガイモの寄生虫を孵化させる鍵となる物質を発見。植物・微生物・寄生虫の三者間の相互作用を明らかにした。
ジャガイモの根に寄生するジャガイモシストセンチュウの雌成虫(黄色の丸い粒。直径約0.7mm)
土壌中に潜む植物寄生性線虫は、多くの作物の収量や品質に深刻な影響を与えることから、農業現場ではその防除が大きな課題となっている。中でもジャガイモやトマトなどのナス属作物に寄生するジャガイモシストセンチュウは、国際的な検疫対象にも指定されており、持続的な対策が求められている。
同研究グループは、ナス科植物が根から分泌する化合物「ソラノエクレピンC」を新たに発見。さらに、孵化促進活性を示さない不活性なソラノエクレピンCが土壌中の微生物によって変換されることで、ジャガイモシストセンチュウの孵化を誘導する「孵化促進物質」に変化することが明らかになった。
この成果は、植物-微生物-シストセンチュウという三者間の相互作用を理解する上で重要な知見であり、線虫被害の新たな防除戦略の構築に貢献することが期待される。
同研究成果は、5月26日付で国際学術誌『New Phytologist』に掲載された。
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