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【特殊報】ピーマンにクリバネアザミウマ 県内で初めて確認 茨城県2025年12月4日

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茨城県病害虫防除所は、に県内の施設栽培ピーマン圃場でクリバネアザミウマの発生を県内で初めて確認。これを受けて11月28日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第3号を発表した。

写真1:かすり症状の食害痕、写真2:かすり症状の食害痕(拡大)(提供:茨城県病害虫防除所)左から、写真1:かすり症状の食害痕、写真2:かすり症状の食害痕(拡大)(提供:茨城県病害虫防除所)

茨城県病害虫防除所によると、9月に県内の施設栽培ピーマン圃場で葉裏にアザミウマ類のかすり状の食害痕を確認(写真1、2)。10月上旬には、同圃場において被害葉上にアザミウマ類の寄生が確認された。

圃場で採取した成虫について、横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、クリバネアザミウマであることが判明した。

同種は国内において、ピーマン・シシトウ(高知県:平成15年)、クワイ・アガパンサス(神奈川県:平成15年)、ナス(岡山県:平成16年)、ミョウガ(埼玉県:平成18年)、カラー(千葉県:平
成19年)、ダリア(熊本県:令和2年)などにおける発生が特殊報により報告されている。

左から、写真3:クリバネアザミウマ成虫、写真4:成虫頭部の網目模様(提供:茨城県病害虫防除所)左から、写真3:クリバネアザミウマ成虫、写真4:成虫頭部の網目模様(提供:茨城県病害虫防除所)

クリバネアザミウマの雌成虫は褐色で体長は1.2~1.5mm(写真3)。頭部と前胸背板に細かい網目模様があり(写真4)、頭部は幅広で褐色。複眼と単眼の間は黄色、前翅は褐色で亜基部と先端は淡色で中間部に基部の暗色帯の半分以下の長さの淡色帯を持つことがある。

幼虫の体色は黄色で、腹部背面には排泄物が固着した点状の褐色の物質が認められ、尾部末端には球状の排泄物を保有する場合が多い(写真5)。

写真5:クリバネアザミウマ幼虫(提供:茨城県病害虫防除所)写真5:クリバネアザミウマ幼虫(提供:茨城県病害虫防除所)

被害としては、葉を舐めるように吸汁加害し、葉にかすり症状や退緑斑点および排泄物によるすす状の汚れを発生させる。また、茎部、果実にも食害や汚れが見られる。寄種範囲は広く、海外では、バショウ科、サトイモ科、ウコギ科、ユリ科、コショウ科、サボテン科、ツユクサ科、キョウチクトウ科、キク科な
どで寄生が確認されている。

同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1)雑草等で繁殖する可能性があるため、圃場および周辺の雑草および作物残さを適切に処分する。
(2)施設内への侵入を防ぐため、防虫ネット(特に赤色系)、近紫外線除去フィルム、シルバーマルチ、粘着シート等を設置する。
(3)圃場の見回り等による早期発見に努め、発生初期に薬剤散布等を実施する。
(4)同種は各種殺虫剤に対する感受性が高いと考えられるため、アザミウマ類に登録のある薬剤により防除を行う。

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