「環境価値」をシェア ブロックチェーン活用の売買アグリゲーション事業開始2020年12月22日
(株)電力シェアリングは、TSUBU(株)と河内椎茸園などの協力を得て、「ソーラーシェアリング・シェアリング(SSS)サービス」(環境価値の売買アグリゲーション事業)を始めた。自然エネルギーで野菜や果物を育てる農家をネットワークでつなげ、そこから生み出される環境価値をブロックチェーン(分散型台帳)技術を使ってメンバー同士でリアルタイムに融通し合う持続可能な社会の実現をめざす。

同サービスは、電力シェアリングが環境省から受託している「ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2排出削減価値創出モデル事業(ブロックチェーン事業)」と、「低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)等による家庭等の自発的対策推進事業」の一環として、同事業の成果の社会実装・商用利用に向けて実施する。
地球温暖化の防止やSDGsへの関心が高まる中、農場に太陽光発電設備を設置して、CO2フリーの野菜や果物を育てる農家が増えている。この仕組みでは、日光(ソーラー)を農作物の光合成と電気を作る用途でシェアするため、「ソーラーシェアリング(SS)」と呼ばれている。
ただ、一つの農場だけで環境価値を賄おうとすると、雨や曇りの時には価値が足りなくなり、反対によく晴れた日には余ってしまい、バランスをとるのが難しかった。そこで、ブロックチェーンを活用した最新のP2P取引システムにより、全国のソーラーシェアリング農園をネットワークでつなぎ、環境価値を無駄のないようにリアルタイムでお互いに融通し合うソーラーシェアリング・シェアリング(SSS)を導入した。
この仕組みは、全国に分散する環境価値を一つにまとめてリアルタイムで取引するため、売買アグリゲーション取引とも呼ばれる。例えば、北日本で雨が降って環境価値が足りない場合には、晴天で環境価値が余っている南日本の農園から供給。実際に相模原で椎茸を栽培している河内椎茸園や関東地方各地の農園をネットワークでつないでリアルタイムでの価値のシェアリング取引が実現している。
また、農園だけでなく、全国にメンバーが点在する同窓会・同好会や、地域で再エネ普及をめざす市民コミュニティへの適用も進めている。
電力シェアリングは、このSSSサービスに加えて、再エネ版ふるさと納税「ふるさとからの贈り物サービス」と、環境野菜で農家と消費者がつながりあう「再エネと野菜のP2Pサービス」を同時に導入。価値観を共有する全国の生産者・消費者等がブロックチェーンを活用したネットワークの力で直接つながり、ともにカーボン・ニュートラルの達成をめざす。
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