加工用トマト産地拡大へ JAいわみざわ、カゴメ、ヤンマーアグリが連携協定を締結2021年9月3日
ヤンマーアグリジャパンとJAいわみざわ、カゴメは9月2日、同JA管内における加工用トマト産地の拡大推進を目的に連携協定を締結した。3者の連携により加工用トマトの産地拡大をさらに推進し、地域農業の振興と発展への貢献をめざす。
締結式に出席したカゴメの橋本隆専務、JAいわみざわの引頭一宏組合長、
ヤンマーアグリジャパン北海道支社の小野哲也支社長(左から)
カゴメは、トマトジュースなど主に野菜飲料の原料としてトマトを利用している。現在、国内加工用トマトの面積は276ヘクタールで、産地は関東が中心だが、年々、東北と北海道の構成比が拡大している。加工用トマトの栽培で最も重労働なのが「収穫作業」。カゴメは国産加工用トマト収穫機をヤンマーグループと共同開発し機械収穫を特に北海道と東北で進めている。
今回の協定は、JAいわみざわでの加工用トマトの産地拡大と地域農業の振興と発展に貢献することをめざし、2025年までにJAいわみざわ管内の加工トマト栽培面積を2021年比で約3倍となる30ヘクタールに拡大することを目標に掲げている。その手段として、JAいわみざわの農業基盤の活用し、岩見沢に合わせた栽培体系を確立。産地集約により、収穫機の運用と輸送の効率化を図る。
3者の役割として、JAいわみざわは、管内における栽培面積の拡大するため新規生産者獲得や規模拡大に努め、スマート農業、潅水設備、空知型輪作体系への組込みなど岩見沢の産地基盤に合わせた栽培技術の確立する。また、収穫・出荷スケジュールの管理を担う。
カゴメは、加工用トマトの安定的な購入と、北海道農業の課題解決につながる品種の開発と導入。同社は今年から、北海道の重要病害であるジャガイモシストセンチュウに抵抗性のある品種「KGM191」を全面導入し、ジャガイモシストセンチュウの拡大防止に努めている。また、基本技術に基づく栽培指導や収穫機・収穫コンテナの貸与、収穫したトマトの本州への輸送などを手がける。
ヤンマーアグリジャパンは、北海道支社の岩見沢支店が中心となりサービス担当チームの設置し、収穫機のメンテナンスなど、農業機械の稼働安定化をサポートする。同社のトマト収穫機「HT1250T」はすでに稼働しており、加工用トマトにおける一連の収穫作業に必要な、拾い上げ・搬送・揺動分離・選別の4工程が1台で可能。10アールを約3~5時間で収穫でき、作業時間の短縮や効率化を実現し、ほ場条件や作業者のペースに合わせて速度を調整できる。
今後は、同協定の事例を水平展開することで、北海道全体での産地拡大もめざしており、ホクレンとも連携して取り組んでいく。
ヤンマー製トマト収穫機「HT1250T」による収穫の様子
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日