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オペレーターの技術・地位向上をめざす 全国農協CE協議会が総代会

 全国農協カントリーエレベーター協議会は6月4日、東京・大手町のJAビルで第40回総代会と、上級オペレーター認定式を開いた。

◆課題は「稼働率向上・老朽化対策・人材育成」

野口会長 カントリーエレベーター(CE)などの大規模な乾燥調製貯蔵施設は全国39都道府県の277JAで、計754施設がある(24年3月現在)。協議会は、これらの管理・運営の改善と向上をめざそうと、昭和49年に設立された。
 野口好啓会長(JAさが代表理事副組合長)はあいさつで、CEがJAグループ経済事業の拠点施設の一つであることを強調しつつ、「稼働率の向上、老朽化への対応、オペレーターの育成、といった課題にしっかり取り組んでいきたい」と決意を新たにした。
 総代会では24年度の事業計画として、23年度にJAみやぎ登米(宮城)とJAグリーン近江(滋賀)の2JAで実施したJA全農生産資材部の「CE総合コンサル」をさらに活用すること、例年通り8月15日から10月15日までを「CE品質事故防止強化月間」とすること、などを決めた。
 また、役員の改選が行われ、野口会長をはじめ役員全員が再任された。幹事では宮下勝義氏が退任したため、後任として御子柴茂樹氏(JA上伊那代表理事組合長)が就任した。
 役員は次の通り(敬称略)。
▽会長 野口好啓(JAさが代表理事副組合長)
▽副会長 横山昭夫(JAにいがた岩船代表理事組合長)
▽副会長 牛嶋泰樹(JA全農ふくれん農産部部長)
▽会計監事 天野吉伸(JAあいち三河代表理事組合長)
▽会計監事 岩本伸一(JA全農とちぎ米麦部部長)

(写真)
野口会長

◆上級オペレーター認定スタート 8人が合格

 野口会長が指摘したように、施設利用率の向上、施設運営の改善、運転技術の向上と品質事故防止などに向けてオペレーターの育成が大きな課題となっている。
 協議会では23年度にオペレーター経験3年以下の初級者を対象にした運転技術者研修会を東京、大阪、福岡の3会場でそれぞれ開き計146人、また施設管理者や主任オペレーターを対象にした研修会を同じく3会場で開き計114人が参加した。
 こうしたオペレーター育成事業のさらなる強化をめざし、23年度からスタートしたのが上級オペレーター認定だ。24年2月に各JAの組合長から推薦を受けた16人が受験し、8人が合格した。
 この日の認定式には認定第1号となった合格者らが出席。野口会長からお祝いの言葉と記念品が授与された。
 合格者の1人である長野五雄さん(福岡・JAみい)は「こうした認定制度によって、オペレーターの地位向上が図られたのは大変うれしい。これから後進の指導にも力をいれたい」と喜びを語った。
 上級オペレーター認定は、当初は2年に1度の開催予定だったが、応募者が多ければ24年度も引き続き試験を行う計画があるという。野口会長は「オペレーターの意識を変えるためにも、全国からたくさんの推薦を出してほしい」と、制度への積極的な参加を呼び掛けた。
 全認定者は次の通り(敬称略)。
佐藤一雄(福島・JA会津いいで)
湯田坂和臣(長野・JA信州諏訪)
五十嵐幸雄(新潟・JA中条町)
内海智誠(新潟・JA佐渡)
川上肇博(JA香川豊南)
長野五雄(福岡・JAみい)
馬場貴行(福岡・JAふくおか八女)
緒方雅孝(JA熊本うき)

合格者7人(1人欠席)と協議会役員ら

(写真)
合格者7人(1人欠席)と協議会役員ら


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