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【アグロ カネショウ】
生産拠点を茨城県結城に新設  アグロ カネショウ

 アグロ カネショウは11月7日、福島第一原発事故の影響で操業停止となっている福島工場に替わり、バイエル社が年内での閉鎖を決めている茨城県結城市の結城中央研究所を取得し、新たな生産拠点を新設すると発表した。

 同社の福島工場(福島県双葉郡大熊町)は、殺ダニ剤の「カネマイト」や「バスアミド」などの主力商品を生産し、同社の生産量の約4割を担う主幹の施設で、平成20年に完成した。しかし福島第一原発から直線距離で約1.8kmほどに位置しているため、原発事故以降は立ち入り禁止区域に指定されている。
 同社の製品の一部は同社の他の工場や外部企業に委託して生産・供給が可能となっているが、「カネマイト」など一部製品は原発事故以降、生産・販売はゼロ。同社は立ち入り禁止区域の指定は今後も長期化すると見て、新たな生産拠点を探していたところ、バイエル社の結城中央研究所跡地を買い取ることに決まり、両者の間で11月初めに売買契約が結ばれた。
現在のバイエル社の結城中央研究所 新施設の「アグロ カネショウ結城事業所(仮)」は、平成24年1月初旬に取得し、24年末には新工場が完成する。この事業所では、福島工場閉鎖に伴い条件付き解雇となった同工場の元職員を優先的に雇用する予定。
 新工場の詳細については検討中だが、バイエル社からはすでに数人の研究員を受け入れた。また、埼玉県所沢市にある生物研究部門を結城事業所に移転させる計画だ。

【結城事業所(仮)】
所在地:〒307-0001 茨城県結城市結城9511-4
敷地面積:2万9000平方m(うち試験ほ場が1万9000平方m)

(写真)
現在のバイエル社の結城中央研究所


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