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近縁種との交雑などなし GM植物の生育調査  農水省

 農水省は10月14日、「平成22年度遺伝子組換え植物実態調査」の結果を公表した。

 この調査は、遺伝子組換え(GM)農作物の輸入や流通の際、こぼれ落ちたり飛散したりしても生態系や生物多様性への影響がないことを確認するため、平成18年から輸入港とその周辺地域で毎年行っているもの。
 セイヨウナタネは18の輸入港で調査し、そのうち四日市港や博多港、千葉港など9港の周辺地域でGMセイヨウナタネが生育していた。交雑が心配される近縁種のカラシナ、ナタネ(在来種)とあわせて全1542個体を採取した結果、112個体のGMセイヨウナタネがあり、うち111個体は1種類の、1個体は2種類の除草剤耐性遺伝子を持っていたが、在来種との交雑や過去の調査と比べての生育地域の拡大などはなかった。
 大豆は10の輸入港で調査し、そのうち苫小牧港と博多港の2港の周辺地域でGM大豆が生育していた。近縁種のツルマメとあわせて18個体をサンプル調査した結果、5個体のGM大豆があったが、交雑種や生育地域の拡大はなかった。
 農水省消費・安全局では引き続き調査し、来年23年度の調査結果が出た時点で21年度からの3カ年の報告書を作る予定。


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