農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

農家ニーズに即した研究開発を  農研機構10周年記念シンポ

 農研機構は平成13年に発足し、今年で10周年を迎えた。これまでの研究成果をまとめ、改めてこれからの日本農業と研究開発のあり方を考えようと、12月5日都内で記念シンポジウム「未来の農業を創る」を開いた。

パネルディスカッションの様子。(左から)林教授(座長)、門間敏幸・東農大教授、大西常務、小山豊・千葉県農林総合研究センターセンター長、荒蒔康一郎・キリンホールディングス相談役、有田芳子・主婦連合会副会長、堀江武農研機構理事長 基調講演では千葉大の古在豊樹客員教授が植物工場の研究成果と、その将来像としての医農食連携について発表した。
 農研機構の10年間の成果発表では、高温耐性イネや飼料作物などの新品種のほか、家畜伝染病の防疫資材、米粉など新たな食材の品質評価技術、といった研究開発が紹介された。
 パネルディスカッションは東農大の林良博教授を座長に、「今、求められる農業イノベーションとは」をテーマに6人が登壇した。
 その中で「農家ニーズをしっかり把握した上での研究開発が必要だ」との意見があり、パネリストの大西茂志JA全中常務はJA全農も開発に携わり利用をすすめている鉄コーティング水稲種子を使った湛水直播栽培技術や、地下水位制御システム「FOEAS」(フォアス)の実用について、「JAグループとしても、県の人たちと一緒に生産現場へ行き研究開発、普及をすすめた。中山間地でこれらの利用が広がり、農業が楽しくなった、などの意見をもらった。現場での課題に対して、総合力を発揮して解決することができている」などと紹介した。
 そのほか、農研機構と大学、団体、行政などと連携した研究機関コンソーシアムの構築、生産者ニーズと消費者ニーズをどう合致させるか、などについて討論した。

(写真)
パネルディスカッションの様子。(左から)林教授(座長)、門間敏幸・東農大教授、大西常務、小山豊・千葉県農林総合研究センターセンター長、荒蒔康一郎・キリンホールディングス相談役、有田芳子・主婦連合会副会長、堀江武農研機構理事長


(関連記事)

3種の水稲新品種を発表  農研機構(2011.11.29)

クッキングトマトの新品種「すずこま」 来秋から一般発売  農研機構・JA全農(2011.10.13)

【全農特集】生産から販売まで確かな技術でつなぐ 「生産者を支援する新技術開発と営農・技術センターの役割」 (2010.09.01)

(2011.12.06)