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「共食」重視の意識高まる  内閣府が食育の意識調査

 内閣府は昨年12月に全国の20歳以上を対象に行った「食育に関する意識調査」の結果を4月20日公表した。

 この調査は平成19年から毎年実施しており今回で7回目。国民の食育に対する意識を把握し食育推進施策の基礎資料にすることを目的としている。
 調査内容は▽食育への関心▽現在の食生活・生活習慣▽食生活の意識や地域の状況▽家族との食事など6項目。有効回答は1867人だった。


◆安全性の不安やや高まる

 今回「東日本大震災以前と現在の食生活で変わったと思うこと」を調査項目に加えた。震災後の食生活で「増えたり、広がったりしたもの」と「減ったり、狭まったりしたもの」を各選択肢のなかから選んでもらったところ、「増えたもの」のうち2番目に「食品の安全性への不安」(26・1%)があがり、とくに20〜50代の女性に多く見られた。次いで「節電に配慮した食生活」(17・1%)、「地場産物の購入」(14・6%)となっている。


◆家族との食事増える

 「今後の食生活で特に力を入れたいこと」を聞いたところ「栄養バランスのとれた食事の実践」が58・4%でもっとも多く、「食品の安全性への理解」(50・5%)、「食べ残しや食品の廃棄の削減」(47・1%)と続く。ただし「家族や友人と食卓を囲む機会の増加」(44・6%)は4位だが、前回調査(21年3月)より10ポイント以上も増えており、「家族のつながりを改めて見直す家庭が増えていることがうかがえる」(内閣府)。
 家族との食事の頻度にもこの結果が表れている。朝食を家族と一緒に食べる頻度の調査では「ほとんど毎日」という人が60・3%で前回(22年12月)から約10ポイント増え、夕食も「ほとんど毎日」という人が71・6%で前回より15ポイント増えた。
 内閣府は昨年度から「第2次食育推進基本計画」をスタートしており、そのなかの重点課題の1つに「家庭での『共食』における子供への食育推進」を掲げていることから、実践初年度として望ましい結果となった。


◆「食育」への関心かわらず

 「食育」に関心があるかを聞いたところ「ある」、「どちらかといえばある」という人は合わせて72・3%で、前回の70・5%より若干増えたものの調査開始から大きな変化は見られていない。
 一方「食育」という言葉の認知度は「言葉も意味も知っていた」、「言葉は知っていた」という人を合わせると77・5%で、食育基本法が成立した平成17年は52・6%だったことから言葉の周知度は高まっていることがわかった。


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