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純利益は1268億円で増益 農林中央金庫が半期決算

 農林中央金庫は11月22日、2012年度半期決算を発表した。経常利益は1394億円で前年に比べて215億円の減となったが、純利益は1268億円で同25億円の増益となった。
 自己資本比率は同2.53ポイント増の27.36%、Tier1(基本的項目)比率も同1.7ポイント増の19.92%と高水準を維持している。

◆通期の経常利益目標は達成の見通し

記者会見で説明する河野良雄代表理事理事長(左)と高橋則広専務理事 経常利益が前年に比べて減ったのは、資金運用収益が落ちたことなどが要因。経常費用が4059億円で前年に比べて475億円減だったが、経常収益が691億円減の5454億円と、費用の落ち込み以上に収益が落ちた。経常利益が減った一方で、純利益が増えたのは、過年度に税務上、有税で有価証券の償却等を実施したものが、今年度に入ってその有価証券については償還や売却によって損失が確定したため、過年度に有税処理した部分の税負担が今期は軽くなったため。
 資金運用収益が落ちたのは、米国の長期金利の急速な低下、中国の経済成長の減速、欧州の金融不安など、世界的な経済状況の悪化から、低利回りで運用せざるを得なくなったため。ただ、通期では現在の中期経営計画で掲げた経常利益目標500〜1000億円は達成できる見込みだ。
 そのため、現在、長期金利が低く債券価格が高く推移してはいるものの、この時期に債券を売却して無理に売却益をあげることはしない方針。世界各国で追加の金融緩和策が講じられ、円高基調も続くという見通しから、来期以降も厳しい運用環境が続くのは確実であり、現在の債券を保持したまま安定的な収益を確保していく方針だ。

◆中期的にJA貯金100兆円突破めざす

 総資産は1兆7745億円増の73兆4937億円で、09年以降順調に増えている。預金高は43兆3726億円で前年に比べて1905億円減ったが、これは円高によるものであり、受託金は前期に比べて1兆8115億円増の6兆1632億円で順調に増えている。
 貸出金も16兆2378億円で、09年以来3年半で約5兆円増と、国内外で順調に伸びている。その内訳では政府向けが9888億円増の9兆2778億円と多いが、一般企業向けの貸し出しも増加傾向にあるという。
 また、農業者への支援としては、JAバンクグループの農業担い手支援として大規模農業法人など、JAだけでは対応できない大型の法人に対して農林中金が直接的に対応をしている。この半期で新規に取り引きを始めた法人が20件あり、合計で110件となった。そのほかこの半期での新たな取り引きを始めたのは、アグリシードファンドを通じたものが11件1億円、農林水産環境ビジネスローンを通じたものが5件4億円で、それぞれ順調に増えている。今後も「息長く、キメ細かい対応を続けていく」方針だという。
 河野良雄理事長は、この日の発表会見で2013年からスタートする新たな中期計画(13〜15年)の方向性も紹介した。それによると、次期計画では「低調な金利と厳しい運用環境が続くため、20%以上の自己資本比率を維持する必要がある。その中で、年度別の経常利益目標を1000〜1500億円と、今期の計画以上の目標を据えて、積極的に投資していきたい」という。また、JA貯金については、預金額が12年12月末で90兆円を突破する見込みであることを踏まえて、「次期3か年計画の中で、(その次の3か年計画で)貯金額100兆円を突破するための基盤作りをすすめたい」と目標を述べた。
 農林中金では13年から国際的な規制にかかる対応として、バーゼル3に基づく自己資本管理の枠組みを導入する予定だ。現在の自己資本比率をバーゼル3規制を完全導入したと想定して換算すると、Tier1比率で約18%となるという。この数値は所要水準とされている7%を大きく上回っており、財務の健全性を確保している。

(写真)
記者会見で説明する河野良雄代表理事理事長(左)と高橋則広専務理事

 

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