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混載事例17例め 米国産牛肉

 12月3日に開催された食品安全委員会では、先月確認された米国からの輸入牛肉の混載事例について農水省と厚労省が報告した。食品安全委員会はリスク管理機関である農水省と厚労省に対して詳細な報告と再発防止策を米国に要請するよう求めた。

 今回の混載事例は衛生証明書に記載のない米国産牛の冷凍バラ肉。11月22日に東京港に入庫したものを動物検疫所が現物検査したところ、骨なしバラ肉429箱(約9t)のほかにあばら骨付きのバラ肉1箱(約26.5kg)が含まれていたことが確認された。特定危険部位ではないが、この品目は衛生証明書に記載のないものだったことから、農水省と厚労省は米国の当該出荷施設からの貨物について輸入手続きを保留した。出荷施設はネブラスカ州のカーギル社スカイラー工場。
 また、在京米国大使館と輸入業者(スターゼンインターナショナル(株))を通じて、当該冷凍バラ肉の月齢を照会した。
 米国政府からの回答は11月29日にあり、内容はこの品目が30か月齢未満であることは確認できるが、対日輸出条件とされている20か月齢以下であることまでは確認できないというものだった。このため農水省と厚労省は輸入手続きを停止するとともに、米国政府に詳細な調査と報告書の提出を要請した。
 米国からの牛肉輸入で対日輸出条件を満たしていない品目の混載事例はこれで17例目。食品安全委員会では農水省と厚労省からの説明に対して、「なぜ衛生証明書から記載が漏れてしまったのか」、「30か月齢未満との確認はできたとのことだがどのように行ったのか」などの指摘が出た。月齢については米国でも30か月齢未満かどうかは歯列などで確認していることを農水省が説明したが、その他の指摘については米国に詳細な調査を要請している、とした。
 熊谷進・食品安全委員会委員長はリスク管理機関である農水省と厚労省に対し「米国に対して詳細な調査と再発防止を要請してほしい」と求めるとともに、プリオン専門調査会委員にも今回の事例につて報告するよう指示した。


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