農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

業務用の水稲新品種「ふくまる」お披露目  JA全農いばらき

 茨城県産米銘柄化協議会(事務局:JA全農いばらき米穀課)はオリジナル水稲の新品種「ふくまる」の発表会を12月6日、都内で開いた。

あいさつするJA全農いばらきの野口副会長 「ふくまる」は業務用向けに開発された茨城県のオリジナル品種だ。米の消費形態が家庭から中食・外食需要へと移行する中、時代にあった品種の育成が必要であるとして開発に取り組んできた。
 「ふくまる」の特徴は大粒で炊き増えがよく、冷めても粘りがあって食味の低下が少ないこと。また異常気象などの影響も受けにくく品質が安定していることも業務用に適した大きな特徴だ。
 25年産からの一般栽培と販売をめざし、23年度は県内5JAの6ほ場で実証試験と炊飯適正試験を実施。今年度も面積を拡大して試験栽培を行った結果、コシヒカリよりも平均100kg/10aほど多く収穫でき、等級もすべて1等を確保できた。
 また、コシヒカリとくらべ、出穂期・成熟期が7〜10日早いことや、稈長が短いため耐倒伏性に優れること、特性に合わせた管理で2割程度増収が可能であること、千粒重は3g程度重く玄米外観品質が優れていることなどの特徴がある。
 試食した米穀卸関係者からは「粒の大きさが一つのとりえ。皿に盛ったときにボリューム感が出る」など好評な声が聞かれた。
 茨城県はコシヒカリの作付が8割を超えることから収穫作業の集中が課題となっており、生産者の作業分散に対応する点からも「ふくまる」の普及は期待される。
ツヤがあり冷めても粘りがあるためおにぎりにも最適 販売初年度となる25年産は3000トンの販売を目標とし、「将来的には大手業務用向けに大々的に展開していきたい」(JA全農いばらき米穀部)としている。
 JA全農いばらきの野口嘉徳運営委員会副会長(JAしおさい代表理事組合長)は「全国的に親しまれる銘柄に育てていきたい」と抱負を述べた。

(写真)
上:あいさつするJA全農いばらきの野口副会長
下:ツヤがあり冷めても粘りがあるためおにぎりにも最適


(関連記事)

冷害・いもち病に強い、中山間地向け水稲「夢の舞」  農研機構 (2012.11.28)

直播でも倒れない、業務加工用多収水稲「たちはるか」 (2012.10.23)

(2012.12.07)