農業協同組合新聞 JACOM
   
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荒川 弘(株)サカタのタネ 常務取締役

2007.12.28
荒川 弘(株)サカタのタネ 常務取締役

 「皆さんに、いっそう楽しみ味わっていただけるよう『サンパチェンス』を改良していき、今後とも温暖化に耐えられる品種をつくっていきたい」と、将来に向けた夢を語る。さきごろ行われた『日本フラワー・オブ・ザ・イヤー』授賞式での挨拶。花壇苗部門において、インパチェンス属の種間雑種『サンパチェンス ラベンダー』が最優秀賞を受賞した。温暖化、異常気象といったストレスの多い環境のもと、暑い夏を生きられる植物は限られる。インパチェンスは、基本的に暑さにはあまり強くないが、同社では研究開発の結果、暑さに耐えられるものを作った。そして、「太陽に耐えられる」という思いを込め、「サンパチェンス」と名づけた。アメリカやヨーロッパでも高い評価を得ているが、いろんなバリエーションを考え、「どんどん新しいものを育成していく」という。

 

市瀬 宏 肉のいちのせ((有)いちのせ)専務

2007.12.25
市瀬 宏 肉のいちのせ((有)いちのせ)専務

 南信州・飯田市で両親や兄姉と肉の小売業を営む。関西で評価の高い「南信州牛」の地産地消に、行政や地元の料飲店と一緒になって取組んでいる。飯田は北海道と同じ頃にマトンのジンギスカンがはじまった地域であり、馬刺しや、中央と南アルプスに挟まれた地域だからの山肉(猪、鹿、熊等)もあるという「肉文化」をもつ地域だ。そうした肉文化を活かして将来は直営の肉料理店を経営してみたいとも考えている。(詳細は、「シリーズ 食肉流通フロンティア ―全国食肉学校OBの現在」第4回で

 

庭野吉也 東都生協理事長

2007.12.19
庭野吉也 東都生協理事長

 毎年1万人を超える組合員が産地と交流するなど「産直の東都」は健在だ。だが、商品開発の仕組みを変えたり、新たな時代に対応するための生みの苦しみも経てきた。産直については、「事業は事業、交流は交流というように事業と交流が分断」されているので「関係性をどうするか考える場をお互いにつくる必要もある」と考えている。また、提唱した「地域総合産直」についてもう一度「政策的な議論ができる場をつくろう」としている。首都圏では巨大な事業連合の誕生も予想されているが「経済合理性を追求するのであれば事業連合にメリットがあると思う。しかし、生協はそれだけでいいのだろうか」と疑問を呈し「組合員への要望や意見へすばやく対応できるのは東都生協程度の規模ではないか」と語る。(詳細は「シリーズ:新しい時代を創造する生協の活動と商品戦略」で

 

野沢雅人 ダウ・アグロサイエンス事業部門 アグロ営業本部長

2007.12.17
野沢雅人 ダウ・アグロサイエンス事業部門 アグロ営業本部長

 「全ては、自社原体製品への販売の集中と直接販売の強化・充実につきるのではないか」と、今日の隆盛の背景を語る。2007年度には、他社からの導入品販売を完全に終了し、製品数も最大であった約800アイテムから55アイテムに絞り込んだ。販売資源を自社原体製品の拡販に集中させ、キメ細かな技術普及を基軸とした営業戦略を現場・川下に展開していくことで、アグロ事業分野で5年後の売上高約300億円を目指していく。あくまでも、「日本は、ダウ・アグロサイエンス事業部門のグローバル戦略の一環として、欠くことのできない役割を担っている」とも。「製剤・販売メーカーや代理店との絆をいっそう強めながら、日本農業の成長および安全・安心な食料生産に貢献していきたい」と、改めて気持ちを新たにした。

 

古川泰典 全農物流(株)代表取締役社長

2007.12.1
古川泰典 全農物流(株)代表取締役社長

 全農『新生プラン』で方向性が示されている物流子会社の全国一社化に向けた実践の中で、競争力のある会社として荷主の負託に応えることをめざし、12月1日に社名を『エーコープライン』から『全農物流』に変え、新たなスタートを切った。
「物流によって、生産者と消費者を安心でむすぶ懸け橋機能を果たし、地域に密着した事業運営と高品質なサービスを提供して、顧客からの更なる信頼を獲得したい」と、社名披露パーティーの席で述べた。農産物や生産資材の輸送や保管、加工を主な業務としており、まさに生産者と消費者をつなぐ仕事をしている。物流コスト削減が全農改革の柱の一つとなっているが、「全国一社化に向け、全農物流のリーダーシップが求められている」ことの責任を果たしていく、とも述べた。

 

松永 和紀さん 科学ライター

2007.12.12
松永 和紀さん 科学ライター

 農薬についてさまざまな誤解があり、「いまの農薬は昔のものとはまったく違うということをまず知ってもらわなければいけない」が、「知らないのは消費者だけではなく、実は生産者も同じ」だと指摘。「消費者よりも生産者の意識を変えないとダメだ」と最近は考えているという。そのためにはすぐに役立つ情報提供だけではなく「化学物質の摂取量と人への影響など、最低限の毒性学についてキチンと情報提供し、“農業者の常識”というところまで持っていかないといけない」とも(詳細は、連載「農薬の安全性を考える」第3回を

 

吉岡浩人(株)モリタ屋社長

2007.12.10
吉岡浩人(株)モリタ屋社長

 明治2年に創業された「伝統と文化の味 京都肉」を牧場経営から卸売、小売、そしてすき焼きやしゃぶしゃぶなどを提供する飲食店まで、生産から消費までを一貫して行っているモリタ屋の社長で、全国食肉学校の第18期卒業生だ。大学で学んだ経営学が全国食肉学校へ入ったことで「仕事とつながり」今日に至ったという。これから食肉業界を目指す人には「生き物の生命のうえに成立っていることを理解して」入ってきて欲しいと語る。そこには「生産から食べる人まで責任を持つ」というモリタ屋の精神が息づいている。社長に就任したのはBSEで日本中が揺れた平成13年のこと。この間を振り返りBSEの後「社会の常識と業界の常識が一致し」良い方向にきていると語った。
詳細は連載「食肉流通のフロンティア―全国食肉学校OBのいま」第3回を

 

藤本博明 住友化学(株)農業化学品研究所 研究グループマネージャー

2007.12.7
藤本博明 住友化学(株)農業化学品研究所 研究グループマネージャー

 「世界に飛翔し、食料生産に広く貢献できる原体を開発していくことが夢です」と12月6日、今後の研究開発の方向性について本紙の取材に応えた。マーケティング部門などを歴任し、宝塚市にある農業化学品研究所に赴任して早4年。応用開発に専心し、住化武田農薬と完全統合した新生「住友化学」に新たなエネルギーと風を吹き込む。食の安全・安心への関心が高まるなか、農薬開発においては「安全・安心プラス省力の3つが求められている」と、生産者、消費者に温かいまなざしを向ける。さらに、現場での普及においては「せっかく進歩してきた製剤・技術を消さないような活動」がもっとも重要だという。

 

雨滝愛奈さん JA全中主催『朝組 新メニューコンテスト』最優秀賞

2007.12.3
雨滝愛奈さん JA全中主催『朝組 新メニューコンテスト』最優秀賞

 時間がない時や手軽に食べたい時、家庭で食べる朝ごはんのアイディアを競う  『朝組 新メニューコンテスト』で、最優秀賞を受賞した岡山県立津山東高校1年生。高校では食物調理科に学んでおり、新メニューを考えることが夏休みの宿題として与えられていた。生徒が考えたメニューを校内で審査し、優秀な作品を応募した。授賞作品は、梅とチーズを組合せたものにごまじゃこを混ぜた『梅じゃこおにぎりinこんがりチーズ』。梅とチーズとじゃこが混ざり合った不思議な味が魅力で、手軽に食べられて食欲をそそる、と審査員から好評を得た。「将来は好きな和食の調理を仕事にしたい」と、夢を語る。
 また、優秀賞を受賞した聖岩知佳子さんは同級生で、ごはんに梅と卵を混ぜて焼いた『梅ぇご飯のキャベツナビ』で受賞した。(記事参照

 

大庭成弘 住友化学(株)取締役・専務執行役員

2007.11.30
大庭成弘 住友化学(株)取締役・専務執行役員

 「住化武田農薬との完全統合により商流の統合、研究開発の強化、農薬工場の再編を果たした。新生・住友化学は、製品ラインアップの充実、国内外の販売力の強化などを通し、日本農業の発展に貢献していきたい」と、11月27日に帝国ホテルで行われた『新生・住友化学アグロ事業披露パーティー』で語った。新会社のグローバル戦略としては新製品開発を目指したパイプラインの強化、プロダクト・ライフサイクル・マネジメント、世界における地域的拡大、事業付加価値の拡大、の4点が挙げられる。要は、トータルソリューションプロバイダーとしての責任を果たしていく戦略である。(記事参照

 

2007.11.26
白川彰 JA全農酪農部長

 飼料価格の高騰が酪農経営を直撃、また、飲用向け生乳の消費減も続くなか、日本の酪農が危機に立たされている。
 JA全農酪農部も今年度はこうした厳しい状況なか、安全・安心な牛乳・乳製品を安定して供給するためには、生産基盤を確実に維持していくことの必要性を広くPRする活動に力を入れ、生産者の立場に立ち、酪農家が安全で安心な牛乳を毎日生産していることを訴える新聞の全面広告を酪農部として初めて打ち出した。その広告のコピーは「牛乳は飲み物である前に生き物と考える」、「いい牛乳はいい土から、つくる」など。
白川部長は「単に牛乳・乳製品ということよりも農業が国土を守っていること、あるいは安全・安心な食品のための生産者の努力などのメッセージを込めた。理解醸成の一環になればと思っている」などと語った。(記事参照

 

西村知美さん タレント

2007.11.22
西村知美さん タレント

 「染谷さん(柏染谷農場代表)は、生産者と消費者の情報交換の中にこそ食の安全・安心があると語られ、かつ子供たちに農業体験もさせておられる。このような生産者がおられるからこそ、私たちの健康な体が維持されているんだとつくづく思いました」とその感動を率直に語った。11月17日、東京・有楽町のよみうりホールで行われた『食と地域を考えるフォーラム「未来につなぐ農のチカラ」』でのひとコマ。現在テレビ、ラジオ、映画など多方面で活躍中の西村さん。「農家の皆さんは、自分の農産物に誇りをもって生産に取組んでほしい」とエールを贈った。(写真提供:読売新聞社)(記事参照

 

上戸彩さん タレント

2007.11.20
上戸彩さん タレント

 元気溌剌としたイメージが、朝ご飯をしっかり食べるイメージに重なるということで、このほどJA全中の『朝組 朝ごはん大使』に任命された。1985年生まれの22歳。ドラマやCMで活躍中、若手の中では実力派として今後の更なる活躍が期待されている。「ごはんは大好きで、朝ごはんは必ず食べます。ロケなどのときは、特にしっかりと食べるようにしてます」。近頃少数派の、ごはんを食べないと力がでないタイプらしい。忙しくてなかなか出来ないが、料理も好きとのこと。12月3日から年末までの期間限定で、上戸さんの考案したオリジナル朝ごはんメニューが、ごはんミュージアムで食べられる。楽しみである。
 人気タレントの登場とあって、当日はテレビ、雑誌などの取材が殺到し、農業関係のイベントでは普段見られないような熱気を見せていた。(記事参照

 

杉山日出男 静岡県緑の安全推進協会会長

2007.11.16
杉山日出男 静岡県緑の安全推進協会会長

 「農薬において、ゴルフ場を中心とした緑化の問題は環境問題と密接な関係があり、切り離すことはできません。今後とも、グリーンキーパーなどにとどまることなく、よりいっそう消費者に近いところで農薬の適正使用を啓蒙していきたい」と、科学ライターの松永和紀さんを迎えて開催した協会設立15周年記念講演会で語った。平成4年に設立された同協会は東京に本部を置き、氏が理事でもある(社)緑の安全推進協会の地方では唯一の協力機関で、主にゴルフ場を中心とした緑化分野における農薬の安全対策を啓蒙している。協会設立の背景には、昭和62年に施行されたリゾート法(総合保養地域整備法)があったが、ゴルフ場における農薬の適正使用や農薬開発に氏の果たした功績は大きい。さらなる業界への貢献を期待する。(記事参照

 

中屋俊明 三和シヤッター工業(株)社長

2007.11.14
中屋俊明 三和シヤッター工業(株)社長

 店舗や倉庫そして住宅にも設置されているシャッター業界のトップ企業である三和グループは、国内だけではなく米国・欧州そして中国を中心とするアジアの4極体制で世界的に事業を展開している。この10月に持株会社を設立しグループを再編。氏は従来からの事業を承継する三和シヤッター工業(株)の社長に就任。そうしたビジネスの世界からみると日本で景気がいいと思えるのは「東名阪だけで、北海道・東北とか中四国、九州はなかなか景気が上向かない」。全国展開をしていて農業や漁業関係者にシャッターを使ってもらっているが、「後継者がいなくて古くなった納屋のシャッターをなかなか取り替えてもらえない」「農家の人たちが元気になってもらわないと本当に困る」と語る。(詳細は「この人と語る21世紀のアグリビジネス」で)

 

福代俊子さん JAいずも女性部(JA全国女性協議会会長)

2007.11.12
福代俊子さん JAいずも女性部(JA全国女性協議会会長)

 毎月7日、8日はJAビルの正面玄関前で『米の市』が開かれ、国産農産物の良さを消費者にアピールする機会として定着している。11月7日、8日は島根県・JAいずもが出店して特産品のブロッコリーなどを、道行く人に勧めた。「今回の出店は、女性部の活動の一環として取り組みました」と、消費者に新鮮で美味しい農産物を味わってもらうのと同時に、直接生産者の思いを伝えることが目的だと語った。「今、現場で働いているのは半分以上が女性です。特産品のブロッコリーなどは女性部の取り組みから生産が始まり、JAの出荷品の柱の一つとなりました」。JAの中では女性が大きな役割を果たしているが、経営には女性の声がなかなか届かず、「もっと女性役員数を増やす必要がある」と語る。(記事参照

 

相澤幸美さん 19年度フレッシュミズの主張全国コンクール最優秀賞

2007.11.9
相澤幸美さん 19年度フレッシュミズの主張全国コンクール最優秀賞

 サラリーマン家庭の一人っ子だったが、専業農家の長男のもとに嫁いできた。もちろん、親、親戚など周りは大反対。新婚旅行から帰った翌日、日の出とともに起こされ、新しい長靴を履いて畑へ。それまで経験したことのない生活の中に、単身飛び込んでいった。夢中で畑仕事をするうちにいつしか農業が好きになっていた。好きになったといっても単調な作業の続く毎日。そんなある日、友人の薦めでフレッシュミズの活動と出会う。多くの仲間を得て、積極的にフレッシュミズの活動に参加するようになった。同居する寝たきりの義母、高齢で目が離せない義父もいて、母、妻、嫁と一人で多くの役割を引受けながら、新たに訪問介護の仕事にもチャレンジする。「仲間がいなかったら、きっとくじけていたと思う」。改めて組織、仲間の大切さを感じている。

 

森 明平 大塚化学(株)社長

2007.11.7
森 明平 大塚化学(株)社長

 「本剤は選択性が高く、ハダニ類に特異的に高い効果を発現しますが、天敵や有用生物には影響が小さいという優れた特長をもった環境に優しい農薬です」と、新規殺ダニ剤『ダニサラバフロアブル』の上市記者会見で語った。同社は2002年9月、大塚化学ホールディングスの発足にともない、化学品と農薬・肥料に特化した新たな大塚化学として設立された。「創造的技術でお客様に貢献する」の企業理念のもと、アグリ事業部への投資が奏功し多くの新規農薬を上市してきたが、今回の「ダニサラバ」は園芸分野に特化した新規農薬開発の結実。現在、国内の主要ダニ剤市場は約90億円と見られているが、同社では、3年後のシェア約25%以上を目指していく。

 

中村正男 (株)人形町今半精肉部長

2007.11.6
中村正男 (株)人形町今半精肉部長

 ある食品スーパーに勤めているときに、消費者ニーズに応えられる売場づくり、キチンとコスト管理できる管理者を育成するためにと全国食肉学校に派遣入学。卒業後、そのスーパー精肉担当者として活躍後、人形町今半に入社。「デパ地下ブーム」の火付け役であった池袋東武店で精肉を販売。5年前から本店マネージャーとなり、現在精肉部長に。「東京生まれで、牛も豚もまったく知らないし、包丁も持ったことがない」中村さんは、食肉学校に入校したことで精肉一筋でこれたことに感謝している。そして後輩には、学校で「学んだ基本を活かしていかに努力をするかです」という(詳細は「シリーズ:食肉流通のフロンティア―全国食肉学校OBの現在 第2回」で)

 

星野真理さん 女優

2007.10.31
星野真理さん 女優

 「生まれも育ちも埼玉県です。普段は意識していませんが、埼玉県って農業県なんですね。こんなに美味しい農産物ができるなんて、自分のことのように嬉しいです」と、県産農産物を使った料理の試食会で、試食後に感想を聞かれて星野さんは答えた。ふじみの市生まれで、『春よこい』(NHK)、『3年B組金八先生』(TBS)等に出演し、映画や舞台の活躍も目立つ。
 東京に隣接していて、さいたま市など県南東部に人口密集地域をかかえる埼玉県は、生産量日本一の品目をいくつかかかえる農業県だ。埼玉県民でも、自分の県が農業県だという認識は薄い。「このような機会を設けて、改めて埼玉県の農産物をアピールすることはとても大切」と、女優業と同じく自分を売り出すことで自分が光ってくると語った。

 

神部欣也 (株)ニチノー緑化 社長

2007.10.29
神部欣也 (株)ニチノー緑化 社長

 「いま、環境がキーワードとなっています。河川の堤防や道路緑地、一般法面緑化に全面的に対応できるのがイワダレソウ(岩垂草)です」、と夢を膨らませる。同社は、日本農薬(株)の100%子会社で、ゴルフ場用・家庭園芸用・緑化用薬剤の販売、芝・芝関連資材の販売、造園・芝生地の設計・施工を行っている。このほど市場投入した岩垂草の在来種改良品種の『クラピア』は、常緑性植物であると同時に二酸化炭素(CO2でも良)の吸収能力に優れ、広く環境問題にも対応し得る可能性を秘めた環境対応型(保全・改善・負荷軽減)の地被植物で、同社の企業理念である「グリーンテクノロジーを活かした、豊かな社会づくりへの貢献」を担うことに期待を寄せている。

 

イムレ・メンシェリー 西オーストラリア農協組織 コーポラティブ・バルク・ハンドリング 最高経営責任者

2007.10.26
イムレ・メンシェリー 西オーストラリア農協組織
コーポラティブ・バルク・ハンドリング 最高経営責任者

 西オーストラリア農協組織の代表6名が、先日JAビルを訪れ全農蜻会長を表敬訪問した。州都パースを中心とした西オーストラリアは、飼料作物、とりわけ大麦の産地として有名だ。全農は同農協グループとは30年以上の取引関係にあり、昨年、同地域が大旱魃に見舞われた時でも、同農協は30万トンを超える飼料用大麦を全農に供給するなど、協同組合間の取引として成功している事例の一つとなっている。
「これからも互いの組合員の利益のため、安定的な取引が続けられることを願っています」と、イムレ・メンシェリー氏は語る、10月8日、全農は一層の取引拡大をめざして、バースにオーストラリア事務所を開設した。(記事参照

 

山田俊男氏 参議院議員・自由民主党

2007.10.24
篠原孝氏 衆議院議員・民主党前「次の内閣」農水大臣

 民主党は農家に対する「戸別所得補償法案」を今国会に提出する。直接支払いの導入で食料自給率を高めようとする法案だ。WTОには「緑の政策(増やしてもよい補助金)として通報しておけば、それで十分」と篠原議員は説く。また「日本は国際交渉の場で『食料安全保障』とか『農業の多面的機能』などのお題目を唱えてきただけで、それを具現化する提案をしたことはなかった」とし「農産物輸入国の立場をもっと強く打ち出すべきだ」と主張した。「もし輸出国が直接支払いは生産にリンクするなどと文句をつけてくれば、自給率が50%以上になるまで生産を増やすのは食料安全保障だ、文句をいわれる筋合いはないと突っぱねればよい」などとも語った。
(特集 東京農工大学名誉教授梶井功氏との対談へ)

 

山田俊男氏 参議院議員・自由民主党

2007.10.22
山田俊男氏 参議院議員・自由民主党

 「品目横断的経営安定対策」が農業者から厳しく批判される政策となった背景には規制改革推進会議や経済財政諮問会議の議論があると指摘。そこには「私たちの目指す方向とは別の農業構造改革の考え方がある」とした。特に経済財政諮問会議の中の「EPA・農業の専門調査会」で▽競争条件、市場原理の導入が日本農業の構造改革につながる▽米の生産調整なんか必要はない▽食料品は海外から買えばいいんだ、などといった議論がされていることを問題として挙げた。このため先の参院選では「これをそのまま議論させておいたら日本農業はだめになる。議論の方向修正をぜひやらせて下さいと訴えた」と述べ、自らの大きな課題としたという。
(特集 東京農工大学名誉教授梶井功氏との対談へ)

 

森田実氏 政治評論家

2007.10.17
森田実 政治評論家園

  「米国のブッシュ共和党政権は戦争をしながら巨大な資本に利益をもたらす政治を進めている。それは帝国主義の復活と同じだ。日本の自公政権は、その懐に入っている」「農業政策についても米国の巨大な農業を保護する政策に協力させられている」と指摘した。「自由化をさらに進めざるを得ないのなら日本も農業を保護すればよい。それができないのなら自由化を拒否すればよい。拒否しても内閣が1つ倒れたら済むことだ。農業が倒れるよりはましだ。農業はいったんつぶれると立ち直れないからだ」と説く。また「私は政治によって労働者・農民を不幸にしない調和社会をつくりたいと考えているが、来年はその方向に向けた大転換の年になると思う」と語った。(詳細は「シリーズ:風向計」を)

 

鈴木晃さん  静岡県周智郡森町・鈴木農園

2007.10.15
鈴木晃さん  静岡県周智郡森町・鈴木農園

 冬は田んぼ一面をレタス栽培のビニールトンネルが覆い、初夏には立派に育ったスイートコーンを自分の手でもぎ取る大勢の消費者で賑わう。そして秋には稔りの季節を象徴する稲穂の波――。一枚の田んぼがこんな風景の移り変わりを見せる。
 レタス→スイートコーン→コメという水田を3倍活用する独創的な水田農業を実現した鈴木さん。今では多くの農家が取り組み地域農業の姿を変え若い担い手も多い。アイデアの原点は「田んぼが好き、農業が好き」にある。レタスにはやっかいな病害虫がほとんど発生しないという。「コメを作ることで土が若返るんだね」。(詳細は「シリーズ・どっこい生きてるニッポンの農人2007」を)。

 

小泉武夫 東京農業大学 応用微生物科学部教授

2007.10.12
小泉武夫 東京農業大学 応用微生物科学部教授

 日本の食を取り巻く現状を「世界一食べ物のない国が、世界一食べ物を捨てている」と言い、自給率の低さに警鐘を鳴らす。9割以上の自治体では、食品残渣を中心とした生ごみを、処理費をかけて焼却処分している。「生ごみは宝の山。お金をかけて燃やすなんてとんでもない。微生物の働きによって豊かな"たい肥"をつくり、美味しくて栄養豊かな農作物を育てる」、これが本来の生ゴミの処理方法だと言う。お金をかけず、身近にできるリサイクルが求められており、焼却は最悪の選択の一つだと力説する。「微生物を選んで環境に働きかけ、環境を守る。微生物を研究している者にとって、こんなやりがいのある仕事はありません」と、微笑みながら語る。

 

野沢雅人 ダウ・ケミカル日本(株)アグロ営業本部長

2007.10.9
野沢雅人 ダウ・ケミカル日本(株) アグロ営業本部長

 ダウ・ケミカル日本の今日の隆盛は、「自社原体製品への販売の集中と直接販売の強化に尽きるのではないでしょうか」と語る。2001年のDAS菱商設立時に800種類以上あったアイテム数も、2007年度には導入販売を完全に終了し55アイテムまで絞り込む。この間、2003年には社名をアグロパートナーズに変更したほか、2006年にはダウ・アグロサイエンス事業部門に統合させた。販売資源を自社原体商品の拡販に集中させ、キメ細かな技術普及を中心とした営業戦略を川下に展開することで、5年後の売上高約300億円を目指していく。(記事参照

 

榊原英資 早稲田大学教授

2007.10.4
榊原英資 早稲田大学教授

 「幼児化する日本社会」という新刊書で日本社会はどこで歯車が狂ってきたのかを論じている。本紙が企画したJA全農の加藤一郎専務との対談も、そうした問いかけから始まった。家族の崩壊や、地域共同体の崩壊などを挙げ、利益至上主義や市場原理主義の行き過ぎを衝いた。また「小泉政権以来、市場原理主義の動きが加速し、弱肉強食の世界が拡大してきている」と批判。「崩壊現象を何とか食い止めなければならない」とした。「2020年になったら相当の食料不足になりそうだが、全体としては危機感が足りない」とも指摘した。「農業と製造業との連携で全農は新規事業に乗り出すべき時期ではないか」という加藤専務の考え方については全面的に賛成した。

 

谷 直都 三井化学(株) 農業化学品事業部長

2007.10.1
谷 直都 三井化学(株) 農業化学品事業部長

  「最近、言葉として食の安全・安心が頻繁に使われていますが、本当は食の安全・信頼ではないでしょうか。安全は実験データを含めて定量化できるんですが、安心は定量化できないんですね。でも、リライアビリティ(信頼)は定量化できるんです。このあたりの言葉を、もっと大事にすべきではないでしょうか」と語る。数年前、農水省は安全・安心を提唱した。しかし、「食の安全は理解できるが、反面、食の安心はどうやって説明するのか。信頼は説明が極めて明瞭なんです」と持論を明らかにする。10月1日、新生「三共アグロ」がスタートしたが、ここまでの道筋を裏方でつけてきた。新会社は、2年間で揺るぎないシナジー効果を生みだす。

 

宮崎恵美子さん 第25回全農酪農経営体験発表会 最優秀賞受賞者

2007.9.25
宮崎恵美子さん 第25回全農酪農経営体験発表会 最優秀賞受賞者

 宮崎さんの酪農は、夫の父親が昭和34年に育成牛2頭を自宅の庭先で飼い始めたのが始まりだった。嫁いできたときには、経産牛12頭、育成牛4頭の規模になっていた。娘4人を育てながら、御主人と酪農に取り組んできた。
 耕地面積の少ない中山間地域で酪農を行い、早い時期から全乳用牛の乳量、乳成分などを調べる乳用牛群能力検定事業に参加し、高い乳量を維持してきた。また、徹底したコスト管理を行い、生産原価は1Kgあたり62円とかなり低い水準にある。それに加え、ふん尿処理では、作った完熟堆肥をトンあたり3000円〜5000円で販売していることなどが評価され、今回特別賞が与えられた。
 後継者として、大学生の三女が就農することが決まっている。将来経営から完全に離れたら、御主人と二人でゆっくりと世界中の酪農を見て回りたいというのが夢だ。

 

大原健さん 第25回全農酪農経営体験発表会 最優秀賞受賞者

2007.9.21
大原健さん 第25回全農酪農経営体験発表会 最優秀賞受賞者

 大阪府出身の奥さんとの出会いは、農協青年部主催の2泊3日のバスツアーだった。その後、研修生として実家の牧場に受け入れたことが縁で結婚した。都会育ちの奥さんが、酪農家の生活に慣れるまでには大変な苦労があったが、今では大きな戦力となっている。両親と4人で経産牛87頭、育成牛81頭の経営。牛舎の増改築や新築、ふん尿処理施設整備などを計画的に行っており、「人も牛も一緒、牛舎に行きたくなるような環境づくり」を心がけている。厳しい経営環境の中、生き残りをかけた酪農が始まっている。1頭あたりの乳量の増加、分娩間隔の短縮や自給飼料の増産などをこれからの目標とし、愛する家族と好きな牛に囲まれ、心にゆとりを持った酪農をめざしたいと言う。

 

岩本 毅 (社)日本植物防疫協会理事長

2007.9.18
岩本 毅 (社)日本植物防疫協会理事長

 「本シンポジウムは、病害虫や雑草が農作物やその生育に対してどのような影響をもたらすかについて、最近の調査結果や情報を幅広く紹介し、防除の重要性と必要性を考察していく」ものだと、さきごろ開催したシンポジウム『病害虫と雑草による影響を考える』で挨拶した。農業労働力や生産意欲の低下に加え、ポジティブリスト制度の施行、IPM(総合的病害虫・雑草管理)の推進あるいは有機農業の振興など、防除をとりまく環境と意識には大きな変化が見え始めている。農薬による化学的な防除手段だけでなく病害虫耐性作物などの多様な防除手法が普及した今日、「病害虫や雑草による損失やそれらの防除の意義を実感する機会が減っていることも、このような変化の一因になっているのではないか」と言う。

 

神出元一 JA全農常務理事

2007.9.14
神出元一 JA全農常務理事

 「新生プラン」で第1の使命に掲げた「担い手への対応強化」について、体制面では整ってきているが、「本当に“出向く部署”になっているかというとまだ不十分」。そうした現状への対応は、JAの活動を多面的・構造的に深く分析できるツールである「担い手対策支援システム」の導入と「出向く体制」を「セットで推進すること」だと語る。また、担い手の実質手取りを確保するために、「販売ノウハウをもつ関係子会社も含めて、全農グループとして、販売提案ができる“装置”をつくること」を検討するなど、販売面での支援をしていくことも強調した。
(詳細は「特集:生産者と消費者の懸け橋になるために〜JA全農「3か年計画」のめざすもの」を)

 

林 正照 JAえひめ南組合長

2007.9.13
林 正照 JAえひめ南組合長

 JAえひめ南管内にあり組合員も重複する専門農協・JA宇和青果との合併を2年後に控えている。組合員数の減少と高齢化のなかで、地域のために、主産品であるかんきつ類の担い手対策をしっかりやっていかないとお互いに沈んでしまうという危機意識が合併を促進してきたという。JAとしてはいままで金融主体に改革をしてきたが、今後は「農産・生活を見込んだ改革を考えていかなければいけない」という。その基本は、山間部・島しょう部で「地域に貢献し、地域の人たちに頼ってもらえるJA」にすることだと考えている。

 

丸山重威 関東学院大学教授

2007.9.11
丸山重威 関東学院大学教授

 「自衛隊は限りなく違憲に近い。だからといって即時解散を唱えるのも間違いだ」とし、軍縮を主張する。「軍備を減らしていく思想で憲法を守っていくことが大事だ。日米同盟の下で米国に従属して日本国民の血税がどんどん軍事費に使われている現在、これを止める兵力削減は財政危機の中で非常に重要」とする。だが防衛費削減を主張する新聞論調は見当たらない。「ジャーナリズムは憲法の精神でものを考える立場を貫くべきだ」と批判する。自衛隊の情報保全隊が市民運動を監視しているという実態が先に明るみに出た。「これは憲法意識からすると不気味なことであり、監視や調査をやめさせる規制法を必要とするほどの重大問題だが、読売、日経、サンケイの3紙は小さな扱いだった」などと“憲法とメディア”について多様な議論を展開した。
(詳細はシリーズ:「風向計」を)

 

桑原 謹二 JA三次代表理事副組合長

2007.9.10
桑原 謹二 JA三次代表理事副組合長

 JAにおける事業改革については、支店の統廃合、営農関係施設の整備など、ほぼやるべきことはやった。現在は、今年度からの第3次中期計画に取組んでいる。その柱は「営農振興を通して組合員に役立つJAにする」、「営農振興していかに組合員の所得を増やすか」だという。具体的には、まず担い手問題で法人化を促進するために専門部署を設置した。また、米以外についても重点作物を設定し、広島市内の直営店舗やインショップでの販売を促進している。この3年間で4400名組合員を拡大していることでも全国の注目を集めているが、女性や若い人が主体だという。組合員意識が高く結集力が高いこともJAの特徴だと語る。

 

伊藤元久氏 (財)日本穀物検定協会理事長

2007.9.7
伊藤元久氏 (財)日本穀物検定協会理事長

 昨年6月森元前理事長の後を引き継ぎ1年余り。規制緩和のもとで公益法人の見直しや行政委託型の事業の廃止措置にともなって、事業環境が厳しくなっている。”V字回復”をめざし、450名の職員の先頭に立って「独自制を発揮した各種理化学分析を通じ、食に関してもっとも信頼できる全国検査機関としての地位が築けるよう努力をかさねたい」と熱を込める。
 昭和46年宇都宮大学農学部卒業後農林省に入省、大臣官房、構造改善局などを経て昭和62年以降は食糧庁で買入、需給、消費対策、加工と幅広く経験し、13年1月大阪食糧事務所長を退官し、日本穀物検定協会(穀検)へ。
 穀検は今年2月設立55周年を迎えた。米麦等農産物、飼料、食品など現在の検査・検定分析は40種類以上になっている。これまでは消費地向けの業務が多かったが、農産物検査における第三者機関として、今後は農産物検査をJAと共同でおこなう「協調検査」への取り組みや、全農県本部からの委託により農協検査員の養成研修をおこなう「検査指導業務」など、JAとの業務提携に力を入れたいと語る。
(詳細は「この人と語る21世紀のアグリビジネス」で)

 

キャシー・バーズィック ICMIF(国際協同組合保険連合)会長

2007.9.3
キャシー・バーズィック ICMIF(国際協同組合保険連合)会長

 ICA(国際協同組合同盟)の専門機関の一つであるICMIF(国際協同組合保険連合)のキャシー・バーズィック会長が、8月31日にJA共済連全国本部を訪問し、同連合の副会長でもある上原寿宰理事長をはじめJA共済連役員と懇談した。「全共連は世界最大規模の共済団体であり、今後ともICMIFの活動に対して協力して欲しい」と要請、JA共済連も協力していくことを確認した。氏は全労済50周年記念行事に合わせて来日し、帰国前にJA共済連を表敬訪問したもの。(関連記事)

 

佛田利弘 (株)ぶった農産代表取締役社長

2007.8.31
佛田利弘 (株)ぶった農産代表取締役社長

 改正農地法が施行された平成13年に、農業生産法人としては全国で初めて有限会社から株式会社へ組織を変更し、同時に父の孝治氏(現取締役会長)から社長を引き継いだ。稲作、水稲作業請負、かぶ、だいこん栽培、農産加工・販売など、事業内容は広範。消費者との直接的な結びつきを重視し、直売店舗の周年営業、特別栽培米の直売、コミュニケーション誌の発行、ホームページの開設など、新機軸を開いてきた。
 上京時に、日本農業法人協会でのインタビューとなったが、机上のパソコン操作の手を片時も緩めないほどで、時代のニーズや環境の変化に対応した農業経営をめざす姿勢が顕著だ。
 JAの組合員への広報には、ひと工夫が必要と強調した。広域合併で、職員の農家訪問回数が減るならば、フェース・ツー・フェースを補完するため、かつて身近な連絡網として活用された有線放送の現代版として携帯電話、Eメール、FAXなどできめ細かく情報の発信をしたら、と示唆する。農協の事業も利用者も多岐にわたるため、情報は一律のものではなく、個人向けにまで細分化し、また組合員の家族にも送ることを勧める。(記事参照)。

 

福田 稔 JA新いわて専務理事

2007.8.30
福田 稔 JA新いわて専務理事

 6市町村を管内とするが、それぞれの地域特性を活かした営農で米穀、園芸、畜産・酪農の3分野でバランスのよい販売事業をめざしている。米の価格低迷、野菜も価格が下がっているが、それを酪農でカバーしているという。今後の販売戦略としては、安全・安心な農畜産物を生産するために、ポジティブリスト制度や生産履歴記帳に徹底して取り組み「消費者の求めるものを提供していく」ことだと考えている。本所と3地域センターに担い手支援担当部署を設けているが、「麦・大豆を作付することが難しいし、裏作ができない地域なので、対象品目を多くし、選択の幅を広くして欲しい」ともいう。

 

尾身昭雄 JA十日町代表理事組合長

2007.8.28
尾身昭雄 JA十日町代表理事組合長

 農業協同組合研究会は8月25日、新潟県のJA十日町で現地研究会を開いた。テーマは「地域活性化と農協の役割」。同JAの尾身昭雄組合長は150人の出席者を前に「法人化推進におけるJAの経営戦略と地域に同化する取り組み」と題して報告。
 JAの理念は「素敵な笑顔と元気なあいさつ」。これを日々実践し、組合員へのサービス提供と「農」を中心とした豊かな地域づくりへの貢献をめざす。尾身組合長は「要はお客様を大事にするということ。われわれは地域に同化することを考えてきた」。そのために職員研修も一般企業の幹部研修コースを積極的に受講させたり、消費者への食育は大手量販店と提携するなどの取り組みを進めている。
 集落の営農組織づくりも法人化を目標にする。多様な経営が可能になるためだと説き、地域住民が一体となって運営する法人も誕生している。
 「JA組織はコマに例えると強くしっかりとした軸にあたる。その軸を回すには地域の輪がなくてはならない。地域に広がるJAづくりをしていけば遠心力がついていつまでも回り続ける」。

 

石橋 伸一 JA三浦市組合長

2007.8.23
石橋 伸一 JA三浦市組合長

 組合員数は1132戸と少ないが、大根・キャベツなど三浦野菜の産地として首都圏で確固たる地位を築いている。農業をやっていなければ組合長になれないというのが、JAの不文律になっており、大根・ネギ、春キャベツなどの生産者でもある。JAと隣接する横須賀市の生産者と「特産・三浦野菜生産販売連合」を設置し、ほとんどが市場流通。多様化するニーズに応える生産を行い、グループ化し「指定席を確保」していきたいと考えている。

 

仲野隆三 JA富里市常務

2007.8.21
仲野隆三 JA富里市常務

 平成8年に大手量販店が地元に進出してきたことがきっかけとなり、さまざまな販売形態を開発することになった。同じ年に3年余にわたって議論してきた産直センターをオープンしたが、そのときに、近隣の20を超える団地の主婦に意見を聞いたところ、小ロット単位でなければといわれた。高齢な生産者には1日30品目を売ろう。単価が安くても年間通して売れれば、年金で足りない部分が補えるのではと説得。いまでは品目も増え取扱い量も増えてきた。その後インショップなども含めて販売場所ができたことが、農家にとって重要ではないかと話す。

 

志村善一 JA横浜組合長

2007.8.20
志村善一 JA横浜組合長

 横浜という大都市のなかに、農地が島のように点在する典型的な都市農業をどう振興していくかがJA横浜の課題だといえる。「全国に見本はない」から独自の販売方法を作り出さなくてはいけない。具体的には「5aの人も流通にのせられるような流通構造の改革をしていかないと都市農業は成立しない。共販のスタイルだけでは生産物をカバーできないから、一括販売という集荷の仕組みをつくり、直売など消費者とのアクセスポイントを多く」し、販売力を高めることが農家の手取りアップにつながると考えている。そのことで都市農業を維持していくことが農協の役割だとも。

 

岡田齊夫(社)日本植物防疫協会理事・研究所長

2007.8.16
岡田齊夫(社)日本植物防疫協会理事・研究所長

 「微生物防除剤は点から線に、線から面に少しずつ認知されつつありますが、広くIPM(総合的病害虫・雑草管理)の流れの中で、まだまだその地位を確たるものとはしていないと思います。微生物防除剤は防除技術としての体系化が進められており、今こそ積極的に啓蒙・普及していくべき」と、日本微生物防除剤協議会の総会後の記念講演会で語った。「環境保全型農業」の推進を受け有機栽培、特別栽培農産物の生産規模が着実に拡大しつつある。同協議会は、これらの背景のもと2006年8月に同防除剤を扱う4社で設立された。現在、登録されている生物農薬は92剤。総合防除であるIPMはいま新たな展開を迎えており、現場により近い地域の指導者・リーダーにそれぞれの防除技術を明確に伝える時期に来ていると思われる。(記事参照)

 

堤 憲太郎 日本微生物防除剤協議会代表幹事(セントラル硝子株式会社取締役常務執行役員)

2007.8.10
堤 憲太郎
日本微生物防除剤協議会代表幹事
(セントラル硝子株式会社取締役常務執行役員)

 自然界にいる微生物による病害虫・雑草の防除は、「天然にあるものを使い、防除している」から、環境への負荷も少なく、耐性の問題や残留の心配もない「自然の摂理に反しないマイルドな防除剤」なのだが、「まだ、世の中には知られていない」。それの普及をすることが協議会の当面の課題だ。そのためにはまず知ってもらい使ってもらうことだと考えている。使ってもらい「その効果を確かめてもらう努力」をしていきたいと語る。(詳細は「この人と語る21世紀のアグリビジネス」で)

 

宮下弘 JA全農理事長

2007.8.8
宮下弘 JA全農理事長

 就任後初の記者会見で所信を表明コンプライアンスの浸透と自らがJAなど現場に出向き、顔をあわせて話し合い、理解をえて事業を進める攻めの姿勢の2点を徹底していくと語った。コンプライアンスでは、新たな仕組みを作るのではなく、これまでに作り上げたものに“魂”を吹き込むために、「簡略化できるものは簡略化し、グループ内の役職員が確実に実践し、信頼に応えていく態勢をつくりあげていく」とした。事業では事業の方向を明確に定めて、「内向き組織となることを避け」、「自らがJAに出向き、顔をあわせて協議をし、理解を得ることがすべての基本」だとして、これを徹底することで「戦える全農」にしたいと語った。

 

鈴木節夫 JAちばみどり組合長

2007.8.7
鈴木節夫 JAちばみどり組合長

 農家の世代交代による組合員意識の変化、首都圏近郊という立地からさまざまな販売が可能なこと。生産資材についても競争が激しい地域であるため、価格競争だけではないJAの魅力をださなければ難しい経営環境にあるという。そのため従来の経済事業への取組みを見直し、迅速な対応とサービス強化が必要だと考えている。しかし、経済合理性のみを追求することは協同組合として長年にわたって築き上げてきた体質とは異なるし、市場原理による価格競争の勝者でいつづける可能性は引くのだから、それを超えたJAの魅力、組合員意識の醸成や信頼関係強化への努力こそがいま必要だと語る。

 

萬代 宣雄 JAいずも組合長

2007.8.6
萬代 宣雄 JAいずも組合長

 准組合員を含めて地域住民のおよそ3分の1を農協に組織。20歳以上の人口では5割を超えている。昨年秋の総合ポイント制導入で約1万3000人増えたこと、女性の正組合員化によるところが大きいという。事業面でも組合員と一体感をもって密接な関係が保たれており、販売も購買も農協利用率が圧倒的に高い。だが経済事業は赤字だ。従来のように作ったものを売るか、消費者が何を求めているか、それをどう作るか、作ったものをどういうルートで販売することが農家のためになるかを考え実行するために、マーケティング担当者をおき、出雲出身者を対象にした通信販売や直販事業を立ち上げるなど、新たな取り組みを展開していると語った。

 

鈴木昭雄 JA東西しらかわ組合長

2007.8.3
鈴木昭雄 JA東西しらかわ組合長

 少子高齢化と農産物価格の低迷という厳しい農業情勢のなかで農協の果たす役割は、従来のものとは違うのではないか。いまめざすのは「選ばれる農協」になるこだという。そのためには、経済的に販売で勝たなくてはいけない。生産者から高く買い消費者に安く売ることが農協の使命であり、それを追求していくことが流通業界で生き残る条件だ考えている。もう一つの農協の役割は、地域に役立ち組合員に利用してもらえるカルチャー分野での貢献だ。その二つをどう進めていくかがこれからの課題だという。

 

宮崎定芳 JA大潟村代表理事組合長

2007.8.1
宮崎定芳 JA大潟村 代表理事組合長

 組合員戸数は約540。平均農地面積は15ha。大規模稲作農家の経営をJAは信用、購買事業で支えてきた。
 大潟村の米生産者は大規模化だけでなくJAS有機認証栽培や減農薬、減化学肥料栽培にも取り組んでいる。加えて多くの生産者が品質向上のために丁寧な整粒を心がけてきた。「流通、販売に自ら携わることで生産者は経営力を高めることになった」という。後継者も多い。
 しかし、最近の米価の続落で生産者個々の経営も厳しくなっている。JAとしての経営支援と村全体での米の新品種栽培への取り組みなどを課題としている。

 

吾妻雄二 JA新ふくしま 経営管理委員会会長

2007.7.31
吾妻雄二 JA新ふくしま 経営管理委員会会長

 今年4月の経営管理委員会制度導入で会長に就任した。委員は50名。生産部会長、女性部、青年部の代表も委員に。委員会は「説明時間はできるだけ簡潔に、意見を出し合う時間を多くとる」を会議運営の方針にしている。JA運営について委員で意思疎通を図り、一方で吾妻会長は常勤で理事とともにスピーディな業務執行を心がける。
 自身は酪農家。就任後、職員に発したメッセージは「明るく、楽しく、元気良く」。本支所内のあちこちに張り出されているこのメッセージには「みんな、あなたの笑顔が大好きです」の一行も加わっている。「これは職員が考えたんです」と顔をほころばす。思いやりを持ち農家組合員の目線に立つこと、消費者に信頼される農産物の提供を強調する。

 

宮川正道 JA相馬村代表理事組合長

2007.7.30
宮川正道 JA相馬村代表理事組合長

  組合戸数は約1000戸。主産品のリンゴはこれまでに価格の暴落、台風被害などいくども苦境に陥ってきたが、JAは選果場などに設備投資をして共販体制づくりに努めてきた。とくに平成3年の台風では大量のリンゴが落下。それをJAは全部集めて売り組合員の所得確保につなげた。リンゴジュースなど加工事業が本格化するのもこの台風被害がきかっけになった。今では年間35万本のジュースを売る。1JAの販売高としては全国で一位。「一丸となって危機を乗り越えた。今では財産となっている」と振り返り、「農協が組合員から離れていないか、つねに原点に戻ることだ」と基本理念を語る。

 

丸山基雄 生協連合会ユーコープ事業連合専務理事

2007.7.27
丸山基雄 生協連合会ユーコープ事業連合専務理事

  ユーコープは神奈川・静岡・山梨をエリアとする生協の事業連合で、174万人・2144億円の事業高をもつ。いま生協組合員が求めているのは「価格そして鮮度」だという。鮮度については宅配(個配)事業の「おうちCO−OP」で、収穫から組合員に届くまでのリードタイムを半日から1日短縮した。これからは「インターネット受注が伸びる」とみている。ネットの場合は1回当たり受注高が店舗や無店舗より高いという。また流通寡占化が進むなかで、生協が対抗していくためにコープネット事業連合との連帯について協議しているとも。田代洋一横浜国大教授のインタビューで語った(詳細は「シリーズ:新しい時代を創造する生協の活動と商品戦略」で)。

 

山口清隆 JAあいち知多常務理事

2007.7.26
山口清隆
JAあいち知多常務理事

  「『げんきの郷』は、JAの総合店舗をめざしたのが始まり。当初の売上計画4億円が、18年度は約20億円でした」と成長ぶりを語る営農・生活担当常務理事の山口清隆氏。その原動力になったのは、なんのために、誰のために仕事をするかを、みんなで話し合い意識を徹底させたことだという。「出向ではなく“転籍”で、やるしかないという気持ちで売上向上に取り組んだ。その伝統が引き継がれていて、今は人も育っています。人づくりが事業の中心だと思います」。敷地内に温泉も完備して観光名所にもなっているが、『げんきの郷』の役割はあくまでも生産者と消費者をつなぐ活動拠点だ。その意味でボランティア活動にも力を入れており、施設の清掃やちょっとした修理などは、利用者に呼びかけて生産者と一緒に行っている。今後は農家コンビニ、バリアフリーのレストランなど農村地域に根ざした活動にも夢が広がる。

 

杉山忠雄常務理事 JAはが野

2007.7.25
杉山忠雄常務理事 JAはが野

 秋に予定しているJA改革特集の取材で現地を訪れた。合併から今年で10年。この間、県域物流にいち早く踏み切った。目的は支店ごとに持つ在庫や担当職員などの無駄の削減。配送を県本部に委託し物流コストの削減と生産資材の引き下げによる組合員へのメリット還元に取り組み成果を上げてきた。同時に営農経済渉外員チーム「ACSH(アクシュ)」を設置、現在12名の専門職員が認定農業者や生産部会員合わせて約2000名への訪問活動を展開している。配送合理化などによって組合員とJA職員のふれあいが少なくなるなか、「待ち」から「攻め」への姿勢で「組合員がJAに何を考えているか」を捉えJAの総合力を発揮するチームづくりをめざす。

 

金澤幸彦 JAえちご上越常務理事

2007.7.24
金澤幸彦 JAえちご上越常務理事

 「農業・農村を守るには集落が扇の要」と語る。集落営農組織も品目横断対策の対象になったが管内に950集落すべてで対応できる状況にないことから、JA出資法人・アグリパートナーを設立し集落営農法人化に向けた受け皿として機能させる。米も含め新対策への加入面積の6割を同法人でクリアできる見込みだという。
 一方、「売れる米づくり」では19年産から「3割減+有機質肥料」を栽培基準として呼びかけたところ面積にして9割が賛同した。「一定の栽培基準で作る上越米をめざす。売り切れる産地、が目標だ」と話す。

 

和田正美 JAみっかび代表理事組合長

2007.7.23
和田正美  JAみっかび代表理事組合長

 「合併の話もありましたが、『三ヶ日みかん』というブランドを守るため、独自の道を歩いて来ました。今は、そのことが良かったと思っています」と語るのは、JAみっかび代表理事組合長の和田正美氏。
 JAみっかびはみかんの生産量年間約3万8000トン、出荷額のほとんどをみかんが占めている。自ら販売まで行おうと農協とは別組織で、生産者が出荷組合を立ち上げた。品種の指定や全量組合出荷の義務化など、みんなで規則を決め、みんなで守るということに取り組んできた。「ブランド化を図るためには、高品質なものを安定的に供給することが必要なため、決めた約束は生産者にとって多少厳しい面もあったが、みんなが心を一つにしてよく取り組んだ」。今後も、消費者のニーズに合った『三ヶ日みかん』の生産をめざしたいと、和田組合長は語る。

 

松島松翠 JA長野厚生連 佐久総合病院名誉院長

2007.7.13
松島松翠 JA長野厚生連 佐久総合病院名誉院長

 終戦直後から約60年間、農村医療の発展につくしたJA長野厚生連佐久総合病院の若月俊一名誉総長が亡くなって1年。氏の小論文や対談などをまとめた『若月俊一の遺言』が最近、家の光協会から出版された。編集長を務めた同院の松島松翠名誉院長は「若月先生の業績を改めて世に問いたい」と思いを語った。“医療崩壊”の中で地域医療の再生が求められる今、若月氏の先駆的な業績はひときわ光彩を放っている。若月氏の発言は幅広く、協同組合についても、その基本は資本に対抗するところに意義がある、などと強調していたが、松島氏はそうした“若月語録”の数々を振り返った(詳細は『風向計』を)

 

奥野岩雄 JAふらの組合長

2007.7.6
奥野岩雄 JAふらの組合長

 本紙では現在、JA改革をテーマにした特集号に向け各地JAの組合長をはじめトップ層に現場での成果や課題について取材を続けている。
 北海道ではJAふらのを訪ねた。転作率が70%を超えるなか、たまねぎ、にんじん、馬鈴薯、アスパラ、長ネギなど多彩な農産物の生産や地場の野菜を使ったソースなど加工品づくりにも力を入れたきた。
 「ただし、JA主導で新たな品目づくりをしたことはない。地域の生産者のなかから新たなチャレンジが生まれてきた。地域の芽吹きをいち早く見つけて伸ばすのがJAの役割」と奥野岩雄組合長は話していた。

 

故 榊春夫氏 農協人文化賞 一般文化部門特別賞受賞者 (元全JA全農常務理事・元JA全中常務理事)

2007.7.2
故 榊春夫氏
農協人文化賞
一般文化部門特別賞受賞者
(元全JA全農常務理事・元JA全中常務理事)

 東京生鮮食品集配センター(現:JA全農青果センター(株)東京センター)初代場長として、青果物の系統共販拡大の道を拓き、流通革新といわれた予約相対取引を定着させ、直販事業の基礎を築いた。
 全農常務時代には米一筋で活躍し、自主流通米制度の運営改善に取組み、米穀事業の基礎を築いた。全中常務時代は、農政課題に真正面から取組み、その後、農林年金理事長を退任するまでの43年間、農業・農協一筋の日々をすごした。
 受賞記念パーティーに出席した夫人のきくゑさんは「みなさんのお話を聞いていると、農協マンは心底真面目でパワーあふれる方々だと思いました。主人の姿をみなさまの姿に重ね合わせたことです。主人は亡くなりましたが、このあたりに来て、“みんな頑張っているな”と喜んでいてくれていると思っています」と語った。

 

林正照氏 農協人文化賞 一般文化部門受賞者 (JAえひめ南代表理事組合長)

2007.6.29
林正照氏
農協人文化賞
一般文化部門受賞者
(JAえひめ南代表理事組合長)

 「みずから燃えて、人を燃やせ」を座右の銘に農協運動実践者として自ら先頭にたって率先垂範。とくに全国平均を大きく上回る高齢化の地域で、有償ボランティア組織を設立するなど、高齢者を対象にした福祉事業を開始。さらに、JAが組合員や地域社会に信頼される組織になるためには、教育文化活動が欠かせないと、教育文化活動に積極的に取組み、JAの社会的地位向上と地域社会に貢献している功績を高く評価されての受賞。受賞後も「自ら燃えなければ組織運動にならない。これを契機にさらなる努力をする」と語った。

 

坂尾清志氏 農協人文化賞 一般文化部門受賞者 (JAちばみどり営農センター飯岡センター長)

2007.6.28
坂尾清志氏
農協人文化賞  一般文化部門受賞者
(JAちばみどり営農センター飯岡センター長)

 1日10万ケース出荷される春キャベツ、日本一の生産量を誇るトンネル栽培大根をはじめ60品目を超える野菜産地で37年間にわたり営農販売一筋に携わってきた。広域営農指導機能の具体策や60ある部会・生産組織を横断するJAちばみどり園芸協議会のもとで、品目生産出荷体制から販売機能の強化に取組み、「豊かな食」を提案し、「環境と共存できる産地」を目指している。「私どもの産地にある60数品目すべてをブランドにしたい」とこれからの抱負を語った。

 

阿部長壽氏 農協人文化賞 一般文化部門受賞者 (JAみやぎ登米代表理事組合長)

2007.6.27
阿部長壽氏
第29回農協人文化賞 一般文化部門受賞者
(JAみやぎ登米代表理事組合長)

 農協運動の本質は「家族経営農業を核とした地域集落の振興にある」との信念を持ち続け、「赤とんぼの乱舞する地域」をキャッチフレーズに「生産規準に基づく栽培履歴の徹底により主産地として安全・安心」を提供する「環境保全米」に取組むなど、生産者とJAの一体的な取組みをすすめる。その信念を実践してきている活動はまさに農協人にふさわしい功績だと評価されての受賞となった。「いま農協運動が問われている。受賞を機に農協運動とは何かに向かって挑戦していきたい」と熱い思いを受賞式で語った。

 

青木君笑氏 農協人文化賞 一般文化部門受賞者 (元JAあいち知多理事)

2007.6.26
青木君笑氏
第29回農協人文化賞 一般文化部門受賞者
(元JAあいち知多理事)

 旧JA東知多で、生活面活動の主体的な担い手となる女性部会を確立。1200名の組織を5000名を超える組織に一大改革させた。愛知県内初の女性理事として新たな時代に対応する新規諸事業を提案し、観光事業や高齢者福祉事業などがJAの新規事業として確立された。そして氏のリーダーシップによるJA生活面活動の飛躍的な発展とその集大成となる「JAあぐりタウン元気の郷」の事業構築の推進は、全国のJA活動のモデルとして高く評価されている。「能力・才能のある女性がたくさんいる。そうした才能を活かす農協がこれから伸びる農協だと思う」と受賞式で述べた。

 

萬代宣雄氏 第29回農協人文化賞 信用事業部門受賞者 (JAいずも代表理事組合長)

2007.6.25
萬代宣雄氏
第29回農協人文化賞 信用事業部門受賞者
(JAいずも代表理事組合長)

 JAいずもの今年3月末の貯貸率は全国でも有数の44.3%。JAの独自性を発揮した、営農資金・後継者資金・新規就農資金などの開発を行い、積極的に農業支援を行っている。金融店舗には融資専任担当、金融相談員、年金専門員を配置し、きめ細かな相談・推進活動を展開。「頼れるJA」をめざした改革を積極的に進め、18年度には役員を1名増やし、銀行から信用事業担当常務を迎えるなど、旧体質からの脱却をはかっていることも受賞の理由となっている。今後の抱負として「10年後、20年後、緑が豊かできれいな水が流れている健全な地域をつくるのは農協がしっかりがんばることだ」と語った。

 

倉光一雄氏 第29回農協人文化賞信用事業部門受賞者(JA福岡市代表理事組合長)

2007.6.22
倉光一雄氏 
第29回農協人文化賞 信用事業部門受賞者
(JA福岡市代表理事組合長)

 都市化地域の農協として、正組合員の複数化、准組合員の拡大による組織基盤づくりを重視し、銀行など他業態金融機関とは異なった理念のもとに信用事業に取組んでいる。信用事業の専門性を高度化するために融資担当職員の教育・研修に力を注ぎレベルアップをはかったり、貯金業務では女性職員の役割を重視して、3名の女性店長を登用。住宅ローンの個性的な仕組づくりや定期積金での支店単位での個性的な商品開発など、信用事業における功績で受賞。今後も「活力あるJAづくり、信頼されるJAづくりにまい進していきたい」と語った。

 

桑田吉雄氏 第29回農協人文化賞共済事業部門受賞者(JA周南代表理事組合長)

2007.6.21
桑田吉雄氏
第29回農協人文化賞 共済事業部門受賞者
(JA周南代表理事組合長)

 「人と人とのつながりの大切さ」を信条とし、過疎・高齢化が進む合併前の都濃農協組合長時代に建更を積極的に展開し農協の経営改革を実現。合併後のJA周南では、LA体制を逸早く整え、長期・年金・短期共済のバランスのとれた事業を展開。長期共済新契約・保有契約高が山口県No.1に躍進するなど、組合員・地域の利用者とのつながりを大切にした「地元に一所懸命」の実践が評価され受賞した。受賞記念パーティーでは「農業・農協に対する圧力が強まっている。農協人として一致団結して打開していきたい」と決意を述べた。

 

田端敬一氏 第29回農協人文化賞 共済事業部門受賞者 (JAとぴあ浜松代表理事理事長)

2007.6.20
田端敬一氏
第29回農協人文化賞 共済事業部門受賞者
(JAとぴあ浜松代表理事理事長)

 長期・年金・短期共済のバランスのとれた共済事業の伸長に寄与するだけではなく、逸早くLAによる恒常推進体制を確立するなど先駆的な事業を展開。さらに、合併以来12年間連続して長期共済の保有純増を実現するなど、JA共済事業の発展に大きく貢献していることが評価され今回の受賞となった。受賞記念パーティーでは「表彰に恥じないように、今後も全国のJA共済を引っ張っていきたい」と抱負を語った。

 

冨沢俊夫氏 第29回農協人文化賞経済事業部門受賞者 (JAかいふ組合長・前全農徳島県本部運営委員会会長)

2007.6.19
冨沢俊夫氏
第29回農協人文化賞 経済事業部門受賞者
(JAかいふ組合長・前全農徳島県本部運営委員会会長)

 徳島県最南端に位置し過疎化が進む地域で、生協と連携した消費者との交流や地元での消費拡大のためのさまざまな工夫をこらすなど、地産地消の取組みを行い活性化を積極的に推進している。また、過疎化する地域社会全体の活性化にも貢献していることが今回の受賞の理由。そしてこれからも「一般企業営業マンに負けないビジネス感覚を持って頑張っていきたい」と抱負を語った。

 

関 譽骼=@第29回農協人文化賞 経済事業部門受賞者 (前JA越後さんとう組合長・前全農新潟県本部運営委員)

2007.6.18
関 譽骼
第29回農協人文化賞 経済事業部門受賞者
(前JA越後さんとう組合長・前全農新潟県本部運営委員)

 生産組織の育成強化による生産体制の確立や複合営農での園芸作物の振興など、営農活動支援のための拠点機能を確立する営農センターを設置し、農業情報システムの整備や病害虫診断システムの導入、青色申告の拠点とした。また、高齢者福祉対策として介護サービスと健常者対策のデイホームとして福祉センターを設置するなどの功績が認められ受賞した。受賞記念パーティーでは「市町村合併によって役場の活気がなくなっている。JAが地域を引っ張っていくチャンスだと思う」と語った。

 

ジュゼッペ・ポリティ COPA(コパ=EU農業団体連合会) 副会長

2007.6.14
ジュゼッペ・ポリティ氏
COPA(コパ=EU農業団体連合会)副会長

 JA全中と全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)が6月12日に東京で開催した「WTO・日豪EPA・基本農政確立対策全国大会」に連帯のメッセージを表明するため、全中の招きに呼応し来日した。COPAはEU25か国全体を代表する農業団体で、1万5000人の農業者が加入する。全中とCOPAは「全世界の農業者代表による共同宣言」を発表し、世界の農業団体に署名を呼びかけている。
 ポリティ氏は12日、大会終了後に赤城農水大臣や自民党農林幹部とも会って意見を交換した。夕刻、全中宮田会長との共同記者会見で「日本が置かれている事情がよく分かったので、(コパの)代表に伝える」と語った。「コパは、ファルコナーWTO農業交渉議長提案に反対であり、本日の大会を機にさらに運動を進める」とも。
 氏は1950年イタリア・プーリア州の農家に生まれ、バーリ大学政治学部を卒業、現在果樹、野菜の家族経営農家でもある。イタリア農業組合会長で、COPA副会長のほか、IFAP(国際農業生産者連盟)執行委員であり、中南米、アフリカへの輸出のリーダー役でもある。
 「日本、ヨーロッパを始め、どこの国でも農業によって自然が守られている。農業の価値は工業、サービス産業などと同等であり、政府はバランスを重視するべきだ」と、農業に寄せる熱い思いも語った。
 「全中とCOPAは、将来に向かってともに世界に働きかけて行こう」と結び、宮田会長と固い握手を交わした。
 COPAは1958年設立。Committee of Professional Agricultural Organizations in the European Unionの略称。

 

栗山 英樹さん スポーツキャスター

2007.6.11
栗山 英樹さん
スポーツキャスター

 「硬式ボールを使用する中学時代のポニーリーグの時、ピッチャーとして米国チームと横田基地の野球場で対戦したのが、私の自然芝との出会いでした。日本の野球場と言えば、黒土で血と汗と涙のイメージ。横田基地で、初めて自然芝のマウンドに立ち、野球場は緑のイメージだと知った。私の野球人生の原点とも言えます」と、6月7日〜9日の3日間、東京都立川市で行われた日本芝草学会2007年度春季大会で語った。1961年、東京都小平市生まれ。小平第2中、創価高、東京学芸大からヤクルトスワローズへ。現在、北海道・栗山町で内外野に天然芝を敷き詰めた手作りの野球場である「栗の樹ファーム」を造り、一般への貸し出しも行っている。夢は「独立リーグでもいいから、自分のチームをもつこと」で、好きな言葉は「夢は正夢」。

 

西尾 誠 JA全農肥料農薬部 安全・安心推進課 課長

2007.6.4
西尾 誠 
JA全農肥料農薬部
安全・安心推進課 課長

 「幸いにも、現在のところドリフトによって基準値を超過した事例は発生していない。これは生産者の努力はもとより、JAなどの指導力の賜物だと思っている。この1年の結果に安堵することなく取組みを継続し、今後も消費者に安全・安心な農産物を提供していきたい」と、6月の「安全防除運動」月間に寄せて、本紙のインタビューに答えた。JAグループが「安全防除運動」に取組んだのは、1971(昭和46)年のことで、当時は、いわゆる「公害国会」の最中でもあった。無登録農薬問題に端を発した平成15年の農薬取締法の改正(平成の改正)以来、JAグループは組織をあげて農薬の適正使用に取組んできた。「ドリフト対策は、個人レベルだけでなく、地域レベルでの取組みが重要」とも。

 

井上 克信 農薬工業会新会長・日本曹達(株)社長

2007.5.28
井上 克信
農薬工業会新会長・日本曹達(株)社長

 「問題や課題が山積しており、緊張している。前期執行部は、ポジティブリスト制度への対応など、難しい問題に柔軟かつ迅速に対応し手腕を発揮されてきた。新執行部は、この意を継承し、山積した難問の中で、少しでも業界全体のために貢献できるよう力を尽くしていきたい」という。5月24日、農薬工業会第76回通常総会・臨時理事会で会長に就任した。冷静・沈着な判断力、決断力および行動力に定評がある。「消費者と農薬の役割、安全性、必要性について対話を重ねてきた。いろいろな制約がある中で、地道に積み上げていくしかない」とも。事業活動の柱となっているのが、農薬の役割と安全性に関する消費者などとの対話・コミュニケーション。引き続き農薬ゼミを充実させ、さらにDVDの制作も加速させる。同会には運営、技術、広報、安全対策、国際の5つの委員会があるが、各委員の表だった紹介が行われたのは初めて。はつらつとした船出が印象に残った。

 

岩本 毅 (社)日本植物防疫協会理事長

2007.5.25
岩本 毅
(社)日本植物防疫協会理事長

 「ベンゼン環にヨウ素原子がつく殺虫剤というのは、多くの殺虫剤の中でも大変珍しい構造をもった化合物だと言われています。渋谷インデックスなどを見ていますと殺菌剤とか除草剤にはベンゼン環に直接ヨウ素原子がつく化合物がいくつかあるようですが、殺虫剤では例がないと聞いています」と、このほど日本農薬が開催した『フェニックス顆粒水和剤』上市記念パーティで挨拶した。フェニックスの最初のリード化合物が発見されたのは1993年のこと。1998年に総合研究所(大阪府河内長野市)でフルベンジアミドとして創製され、本年2月27日に農薬登録を取得した。実に14年を要している。この特異的な化学構造により多くの優れた特長を兼ね備えているフェニックスに、「農家の方々に安定的に使用して頂き、日本農薬の屋台骨を支える大型剤に成長していってほしい」とエールを贈った。

 

伊藤秀彦 JA山口宇部代表理事常務

2007.5.23
伊藤秀彦
JA山口宇部代表理事常務

 JA山口宇部代表理事常務利用者のニーズに応えて医療系共済を伸ばし18年度に全国トップレベルの実績をあげた。LAによる徹底した説明を重視しているほか、人材育成にも力を入れる。
 伊藤常務は「LAには共済関係の資料だけでなく、経済事業も含めJAについて基本的なことが説明できる資材も持つよう心がけてもらっている。LAはJAの顔。組合員・利用者を大事にする姿勢がJAへの信頼を生みそれが共済事業の成果にもつながると思っています」と話す。(詳細は「JA共済事業特集:現地レポート JA山口宇部」を)

 

小寺弘之 群馬県知事

2007.5.21
小寺弘之
群馬県知事

 「ちょうど1年前、知事公社の郵便ポストに数枚のコピーと手紙が入っていました。内容は、是非ともヘリコプターによる空中散布を止めていただきたいという内容のものでした。冷静に訴えられていることが、逆に説得力がありました」という。群馬県がこのほど、東京都・港区のヤクルトホールで開催した『ぐんま科学フォーラム in Tokyo「有機リン問題」の最前線』での挨拶の1コマ。同県では昨年6月、独自に進めてきた有機リンの慢性毒性に関する研究に照らし、健康への影響を考慮して、全国で初めて無人ヘリコプターによる有機リン系農薬の空中散布について自粛要請を行った。「これまでわが国の行政が、環境に関すること、あるいは公害に関すること、人権に関することなど、いろんなことで過ちを犯したり、放置したり、問題を先送りしたりと、結果的に被害を大きくしたということが多々あると思います」と、取組むべき行政・政治の原点を語った。

 

相見正篤 日本農薬 (株)取締役兼専務執行役員・営業本部長

2007.5.18
相見正篤
日本農薬(株)
取締役兼専務執行役員・営業本部長

 日本農薬(株)はこのほど、園芸殺虫剤「フェニックス顆粒水和剤」を上市した。相見専務は、「既存薬剤に抵抗性を持った害虫にも有効などの特色を持った剤で、大いに期待しています」と語る。また、フェニックスに続く剤も申請中で、今後ラインアップを充実させ、利用者のニーズに応えていきたいという。
 「食料自給率が約40%と低く、農業に元気がない。農業に元気がないと、我々は困ります」と、日本農業の現状を危ぶむ。農業の最前線で頑張っているJAグループには農家組合員のニーズを充分に捉えた事業活動を大いに期待しており、困難な状況の中でも、組織力を発揮すれば展望は開けるとエールを送る。

 

礒田進 コマツユーティリティ(株)社長

2007.5.16
礒田進
コマツユーティリティ(株)社長

 コマツグループの小松フォークリフト(株)と、ミニ建機を造る小松ゼノア(株)が合併。四月にコマツユーティリティ(株)が発足した。用途の違う物流機械と建設機械だが「ミニ建機とフォークリフトはサイズも生産量もほぼ同じなので合併した。小さな機械を製造することだけを真剣に考える集団づくりだ」と礒田社長は設計面などでのシナジー効果を期待。開発力とコスト競争力を高めてシェアアップを目指す。開発は燃料高騰に対応して燃費の良い機械を重点とする。農業との関わりでは「例えば高齢者向けとか棚田の整備などでお役に立てるミニ建機が造れたらいいなと考えている」という。「農協さんからも『こんな機械を造れ』といった提起をしていただければ大変有難い」と望んだ。なおミニ建機の分野には農機具メーカーが参入しているという状況がある。
(詳細は「この人と語る21世紀のアグリビジネス」を)

 

水野晶巳 農薬工業会IPM対応会議座長 (日本曹達)

2007.5.11
水野晶巳
農薬工業会IPM対応会議座長
(日本曹達)

 「化学農薬は、IPM(総合的病害虫・雑草管理)の防除技術の1つとして、他の多くの防除技術と総合的に利用されていかなければならない。アンケート結果は、基本的には西高東低との印象を受けたが、環境負荷の軽減や経済性においては、科学的なデータが整備されていないこともあり、統一的なIPM概念に基づいたものではなかった」と語る。アンケートは、農薬工業会IPM対応会議が各都道府県の植物防疫担当者などを対象に、IPMについて平成17年末から約1か年かけて行ったもので、「実態がアンケートに反映できなかった地域もあった」とも。農水省は6月11日、第6回IPM検討会を開催するが、委員の1人でもある同氏は「消費者、流通業者、生産者のメリットを含めIPMに新しい方向性が生まれるのではないか」と見ている。

 

野村 弘 JA共済連経営管理委員会会長

2007.5.9
野村 弘
JA共済連経営管理委員会会長

 JA共済優績表彰式に向けた特集で、藤谷築次京大名誉教授のインタビューに応えて19年度から始まる「JA共済3か年計画」のポイントを語った。そのなかで組合員・利用者とのコミュニケーション強化に向けた活動全般の再構築をし、満足度向上をはかっていくための「3Q訪問活動〔全戸(個)訪問活動〕」が共済事業だけではなく農協運動にとっても重要な意味をもっていることを強調。また、この3か年では、従来の貯蓄型共済から「若い人のニーズに応えた分かりやすくて掛金も安い生存給付型の仕組みを開発」していくことや、医療系共済や自動車共済に力をいれていくと語った。そして「私たちは目に見えない共済仕組みを提供しているけれど、これはその農家の家庭の幸せを配達して歩いているのだという自負をもって」「いま努力しがんばることが明日につながるし、これからのJA共済にとって大事だ」と現場で推進しているJA役職員へのメッセージを語った。
(詳細は「特集「安心」と「満足」を提供し愛されるJA共済へ―JA共済3か年計画のめざすもの」)

 

窪田隆一 三共アグロ(株)社長

2007.5.7
窪田隆一
三共アグロ(株)社長

 「三共時代の三共アグロから三井化学の三共アグロは、新生会社として一味違ったものに育てていきたい」と今後の抱負を語る。新生会社は、第一三共の医薬への特化戦略の中で生まれてきたもので、氏はその舵取りを執る。「三共農薬」は、三共が1921(大正10)年に、わが国初の合成農薬「コクゾール」の製造・販売を開始したところに端を発する。安全性の高い農薬の研究開発とハイレベルな製剤技術および営業戦略に定評があり、中でも「タチガレン」では1975(昭和50)年に大河内記念技術賞を受賞した。本剤は、苗立枯病の防除と健苗育成効果を併せもち、当時普及し始めた水稲機械移植の普及に大きく貢献するとともに、農家を水稲移植(手植え)の重労働から解放した。住友グループに次ぐ第2グループに浮上した三井グループ。既に、第3グループの誕生に向けた交渉が水面下では進んでいると囁かれている。

 

森田実氏 政治評論家

2007.4.27
森田実氏
政治評論家

 4月21日に東大・弥生講堂で開かれた農業協同組合研究会第5回シンポジウムで講演。地方講演や取材から地域の生活、労働、医療などの崩壊の姿を紹介しながら、こうした現実をもたらした構造改革の背景にあるものを指摘。とくにそれは米国の意向にそって進められたことを強調し小泉前政権のもたらした過度な競争社会を鋭く批判。「小泉前政権の経済政策は完全に間違っていると私は思う。完全な自由というのは弱肉強食の社会をつくるしかない。一定の規制を加えて資本主義の凶暴性を抑えるということをしなければ多くの人間を不幸にする」。
 そのうえでブッシュ政権後を見据え、世界では、市場原理主義の見直し、環境、福祉、平和重視といった新たな胎動が生まれていることもあげ、日本の政治、経済も新たな方向転換に向かうべきことを訴えた。「ブッシュ大統領は1年数か月後には退陣します。今は新たなる胎動が世界的に起こってきている。英国ではあの保守党が思いやりある政治を掲げているほど。日本でも今後ブッシュ・小泉的な流れを止める動きが強まるのではないか。そこから見直しが始まってくると思います」。
(詳細は「農業協同組合研究会 第5回シンポジウム」を)

 

永井 滋 JA全農燃料部長

2007.4.24
永井 滋
JA全農燃料部長

 油価格の高騰と高値のなかでの乱高下など石油事業は厳しい環境下にある。また、LPガス事業は「オール電化住宅」など他エネルギーとの競合が日増しに強まり事業そのものを圧迫してきている。そうしたなかで石油事業については「県域マスタープランの計画的実行による収支の確立と地下タンク漏洩リスクへの対応。そしてJA―SSネットワークを展開して競争力を強化していく」。LPガス事業については「保安なくしてガス事業はない」の原点に戻り、「これからは県本部子会社、本所子会社を含めて子会社を中心に保安指導・査察を徹底し、信頼される保安体制を築くことに」19年度は傾注すると語った
(詳細は「全農燃料事業の19年度重点課題」を)

 

竹内文雄 全国Aコープ協同機構議長 (株)ジャコム石川代表取締役社長

2007.4.19
竹内文雄
全国Aコープ協同機構議長
(株)ジャコム石川代表取締役社長

 先日、「全国Aコープチェーン」に替わるものとして昨年10月に発足した「全国Aコープ協同機構」の発足記念式典が開かれた。同機構議長のジャコム石川竹内文雄社長は、「協同組合のなかのボランタリーチェーンとしてではなく、参加メンバーが義務と責任を果たし、経営安定化に向けた努力をしよう」と、同機構のめざす方向を語った。
 店舗の統廃合を進め規模拡大をめざすだけでは、農協の店だというエーコープの独自性はアピールできない。「少子高齢化等の進展とともに、地域密着型の店舗が求められている。組合員、利用者の利便性を高め、高齢者などが安心して暮らせる地域社会づくりに貢献しよう」と、エーコープ店舗に寄せられている期待に応えたいと述べた。(記事参照)

 

大谷正志 デュポン ファームソリューション(株)社長

2007.4.16
大谷正志
デュポン ファームソリューション(株)社長

 「入社した当時、ちょうど登録担当をやっていた。商品にランネート、ベンレートしかない中で、ベンスルフロンメチル(DPX-84)は約40億円余の商品だろうと思っていたが、ピーク時には約200万haの普及面積に達するなど、大きな成功を収めたものと思う。この要因として、茨城県の研究所で日本農業にあった開発を行ってきたこと、主要製剤メーカー5社との強力な協力関係にあったことなどが挙げられる」と語った。1987年4月、日本初のSU(スルホニルウレア)系一発除草剤「ウルフ」、「プッシュ」、「ザーク」、「ゴルボ」を市場投入し(翌年には「フジグラス」も上市)、ベンスルフロンメチルは20周年を迎える。「1996年に抵抗性の問題が発生したが、混合剤開発も進み、逆にDPX-84の特徴が活かされた」とも。大型殺虫剤「リナキシピル」の開発が進む中、普及面積60%を死守していく。(記事参照)

 

河村哲二 リコーエレメックス(株)理事 計量・計測事業本部 計量・計測販売事業部長

2007.4.13
河村哲二
リコーエレメックス(株)理事、計量・計測事業本部、計量・計測販売事業部長

 同社は「精密加工技術」をDNAとする。主力製品は(株)リコー向けの複写機周辺機・情報機器だが、ガス・水道メーターなど計量機器生産の歴史も長い。保安機能を持ったガスメーターを開発したことなどからJAやJA全農のLPガス事業に寄与してきた。「長期的には人口減少による市場規模の縮小や電力との競合もあるが(JAのLPガス事業は)生活必需のインフラ事業だから需要は横ばいが続く」と見る。競合は「オール電化住宅との間で目立つ」という。オール電化住宅はテレビコマーシャルなどでクリーンなイメージを振りまいているが、「発電段階では重油・石炭を焚くのだから、それに比べればLPガスのほうがずっと環境にやさしいと思う」と河村理事は指摘した。
(詳細は「この人と語る21世紀のアグリビジネス」を)

 

サンアグロ(株)社長

2007.4.11
久保勝正
サンアグロ(株)社長

 「期待と不安の混じった変化が予想される局面での新しい船出であり、必ずしも順風満帆の航海を期待する訳にはいかないが、志を一つにする大勢の仲間と手と手を携えてこの荒波の先へ、大船団によるゆったりとした航海を想像しながら、あるいは夢見ながら進んで行きたい」という。4月1日に船出した、日産アグリ(株)と三井東圧肥料(株)の肥料事業統合会社であるサンアグロ(株)の舵取りをする。戦後の肥料需要は、食料増産の担い手として活況を呈してきたが、1970(昭和45)年のいわゆる「減反政策」以降は減少を続け、ここ数年は製品安の原料高の状態が続き、非常に厳しい経営環境になっている。新会社は、肥料を基軸に農薬、農産物、非農耕地用資材で事業拡大をはかっていく。(記事参照)

 

泉谷 渉 産業タイムズ社取締役編集局長

2007.4.9
泉谷 渉
産業タイムズ社取締役編集局長

 化学、鉄鋼、非鉄金属、繊維などの素材産業各社が電子材料の分野に踏み込んで目覚しい業績を挙げている。昭和50年代から落ち込み続けた業界だが、今では世界シェアの6割、7割を占める製品を次々に出すという復活ぶりだ。泉谷氏はそうした栄枯盛衰をダイナミックに語り、聞く人を元気づける。著書も多い。昨年は「電子材料王国ニッポンの逆襲」(東洋経済新報社刊)を出した。素材産業各社は苦境に喘いでいたころから「10年20年先を見てエレクトロニクスに着目し、粘り強く技術開発を続けて成果を実らせた。私はそこに農業をベースにしたカルチュアを見る」と指摘した。そして「高度成長期に農村の労働力が重化学工業に流入し、我慢強く技術開発に取り組むという気風を根付かせた」ことを復活の体質要因に挙げた。(詳細はシリーズ「風向計」を)

 

堀江 武 (独)農業・食品産業技術総合研究所(農研機構)理事長

2007.4.3
堀江 武
(独)農業・食品産業技術総合研究所(農研機構)理事長

 農研機構はこのほど、技術開発について全農と連携協力協定を結んだ。研究成果の幅広い普及をめざす農研機構と、新しい技術によって現在直面している困難な状況を克服したいと願う全農の思いが連携協力につながった。堀江理事長は、「我々が研究・開発した技術的成果を農業の生産現場で普及させるためには、大きな組織で幅広い技術の活用を行っている全農と連携することは願ってもないことです。全農が力を入れている担い手支援を技術面からサポートできることも嬉しいことです」と、協定調印式で述べた。また、「生産現場での技術的ニーズが分かり、適切な研究課題が見つけやすくなる」とも語った。(記事参照)

 

大内脩吉 日本農薬(株)社長

2007.4.2
大内脩吉
日本農薬(株)社長

 「全く新しい化学構造の新規作用性をもつ自社開発剤です。その高い選択性からIPM(総合的病害虫・雑草管理)の環境適合型資材に位置づけられ、特にチョウ目(鱗翅目)害虫に対して高い効果を発揮します」と、自社開発新規殺虫剤『フェニックス顆粒水和剤』(有効成分:フルベンジアミド)の上市記者会見で語った。本剤は、殺菌剤「ブイゲット」(同:チアジニル)に次ぐ同社総合研究所(河内長野市)創出の第2号商品で、ピーク時の売上高約180億円と世界にはばたくことのできる大型殺虫剤と目されている。「研究開発型中核農薬企業」を目指している同社。全売上高に対する自社原体比率も確実に高まっており、2009年には67%に達する模様。経営体質がいっそう強化されてきた。

 

江原正視 (社)家の光協会新会長

2007.3.30
江原正視
(社)家の光協会新会長

 3月22日の臨時総代会で新会長に選出された。JAの教育文化活動の支援など「家の光協会が果たさなければならない使命をしっかりと果たしていきたい」と総会後の記者会見で語った。
 そのために、文化と協同の力で人・組織・地域の元気づくりを進める「家の光ビジョン」の実現に向けた19年度からの中期3か年計画を必達が重要だとし「厳しさを増すなかで協同活動が大切になっている。JAと組合員とのきずな、連帯感を強める事業に邁進していきたい」と話す。

 

山ア 周二 JA全農肥料農薬部長

2007.3.28
山ア 周二
JA全農肥料農薬部長

 「一言でいえば“大きな変わり目の年”だった」と、18年度を振り返る。ポジティブリスト制については施行前からドリフト対策や農薬の適正使用などの周知徹底をはかってきたが、基準値超過事例が例年より少なく、ドリフトによる事例が1件も発生していなく「努力した結果が報われた」と語る。また、新生プランの一環として取り組んでいる「コスト低減チャレンジプラン」や前倒しで実施されている担い手への支援策などについて、18年度の進捗状況と19年度へ向けての課題などを語った。(詳細は、「19年度の全農肥料農薬事業 山ア部長に聞く」を)

 

阪本 昇 (社)日本家庭園芸普及協会会長

2007.3.26
阪本 昇
(社)日本家庭園芸普及協会会長

 「花育という言葉が園芸業界はもとより一般市民の間でも聞かれるようになりました。これはまさに、最近の世相から花と緑を愛することで、情操豊かな子供たちを育てることを唱えているものです」と3月23日、『2007日本フラワー&ガーデンショウ』の開会式で挨拶した。17回を数える今年のショウテーマは『育て、咲かせ、香りも楽しむLOHASな生活』。子供だけでなく大人も「花と緑」をいつくしむことが生活に潤いをもたせ、心を癒す効果をもたらすことはいうまでもない。今回のテーマはそのような世相を反映させた。「社会の基盤は家庭にあり、社会の平和を尊ばなければなりません」の言葉には、1925年生まれという年齢を超えた重みがある。(記事参照)

 

福谷 明 サンケイ化学(株)社長

2007.3.22
福谷 明
サンケイ化学(株)社長

 柑橘類に甚大な被害を与えるミバエの根絶に地元・鹿児島の企業として積極的に参加。誘引殺虫技術を獲得したことをベースに、特定の害虫のみを防除する環境保全型農業に適応する技術や薬剤を開発する経緯、迅速・的確な発生予察を可能にするムシダス、植物由来殺虫殺菌剤など他社にはない特徴ある技術開発で「小粒でもピリリとした会社にしたい」という思いを語った。そしてフェロモン剤などの普及を行った経験から、JAは「地域をまとめてブランド力をあげるための実力をもっていると実感している」とも。(詳細は「この人と語る21世紀のアグリビジネス」を)

 

郡司祐一 (株)関東農産社長

2007.3.19
郡司祐一
(株)関東農産社長

 「農産物生産は、食の安全・安心はもとより美味しさ、食べることの楽しさ、そして健康、と私たちが生きていくうえでもっとも必要なものだと考えています」という。このほど、環境保全型農業を推進する有機肥料の需要増に対応し、新たに『有機肥料工場』を竣工させた。新施設は、従来の約3倍の生産能力をもっており、1日の原料受入量は80トンにおよぶ。農産物生産に必要な豊かな大地を育む機能性のある有機肥料の生産を実現したもので、2つの大学の支援を得ながらほ場試験を繰り返し、生産者の声を反映させ産地に対応した醗酵有機質肥料の製造を果たした。今後は、「農業生産のキーワードとなっている美味しさの追求、環境にやさしい農業の実践、儲かる農業などへチャレンジしていく」ことにしており、地域ブランドの構築にも貢献していく。

 

木田滋樹 (社)日本施設園芸協会会長

2007.3.16
木田滋樹
(社)日本施設園芸協会会長

 「加工・業務用野菜では、輸入野菜が半分以上。シェアを奪い返せとの声が大きい。しかし、実需者のニーズに応える生産者が少なかったから、結果的にシェアが奪われたのです。ニーズに合った野菜づくりが求められている」と、木田滋樹氏は先日開催された『加工・業務用対応方策総合検討会』で語った。以前、中食・外食など実需者がニーズに合った野菜を作ってくれるように生産者を廻っても、応えてくれる生産者はほとんどいなかったという。仕方なく海外からカット野菜などを輸入したのが今日につながっている。「急激な食生活の変化に、生産者の意識が追いついていない。加工・業務用のニーズに合わせた野菜づくりを進め、経営の安定化を図ろう」と、呼びかける。
(記事参照)

 

高橋亘 JA大樹(北海道)組合長

2007.3.9
高橋亘
JA大樹(北海道)組合長

 19年度の畜産物価格と関連対策が3月8日に決まった。焦点は高騰する配合飼料価格対策と生乳の需給緩和のなかでの需要構造改革対策だったが、加工原料乳補給金単価の引き上げと3年間のチーズ向け生乳の供給拡大支援策などが決まった。
 JAグループはこれに先立ち3月1日、「19年度畜産・酪農対策・日豪EPA対策全国代表者集会」を開き特別運動をスタート。集会では高橋亘JA大樹(北海道)組合長が酪農を代表して決意表明をした。
 「生産者は減産計画にがまんを重ねてきたが、追い討ちをかけるように石油価格、飼料価格が高騰し経営を圧迫している。一度にこれほどの経営圧迫をうけたことはいままでになかった。最近、40歳代の中堅農家が2戸離農した。担い手や酪農生産者に希望がみえる政策を実施して欲しい」。

 

戸田 雄市 JA山形おきたま青年部委員長

2007.3.7
戸田 雄市
JA山形おきたま青年部委員長

 これからの青年部の活動について「将来に向けてどんな政策を実現して欲しいのか、JAや行政に提案しないと、自分たちが思い描く農業が実現しない」と政策提案集団とならなければいけないと語る。何も変わらないという人もいるが「言わなければ変わらない、変えようという意識をもって提言していけば変わっていくのだから“変えようという意識”をもつことが大事だ」とも。JA山形おきたま青年部では、担い手問題など地域農業のあり方について、JA常勤役員と率直に話し合ったり、各地域の小学生などを対象に水稲や野菜栽培を通じた食農教育など多彩な活動を行っている。そうした活動を通じて「農業は人間の基本だから、みんなで考えてよりよくしていきたい」と語った。(詳細は「第53回JA全国青年大会特集」の現地ルポを)

 

寺嶋 晋 イオン(株)食品商品本部農産商品部長

2007.3.5
寺嶋 晋
イオン(株)食品商品本部農産商品部長

 日本の小売業界を牽引するイオングループで農産商品をリードする氏は、理想的には来店客一人ひとりのニーズにあった商品を提供する「個質への対応」。同じ人でも「生活シーン」によって選択する商品のグレードが異なることなど、現在の消費者ニーズを理解するための重要な指摘をした。また、単に「地元のものを食べて」という地産地消は「お客様視点ではない」と否定。「まず地域を知ってもらい、地域を好きになってもらう。そして地元でつくられた旬を味わってもらう」というステップが必要だと考えている。そしてイオングループとしては「地産地消はこれからの最大課題」と位置づけているとも。
(詳細は「シリーズ いま日本の生産者に望むこと」を)

 

菅原文太さん 俳優

2007.2.26
菅原文太さん
俳優

 農の力でニッポンの再生を、をテーマに山田俊男前全中専務、今村奈良臣東大名誉教授と語り合ってもらった。
 「美しい国」というが菅原さんは外観だけ直してもだめで「まず、日本人の心が美しくなるべきだ」と強調し、「商業主義」をキーワードに今の日本と日本人に蔓延している経済効率一辺倒の姿勢を批判、「ここを限りにギアチェンジし農業や漁業をもっと見直すべき」と話す。その農業、農村を守り元気になるためにはリーダーが必要で、リーダーには「一旦、私を捨ててみんなのために力を尽くすという姿勢を」と青年農業者などへの期待も込めた。
(詳細は「特別鼎談農の力でニッポンの再生」を)

 

片山右京さん 元F1ドライバー

2007.2.21
片山右京さん
元F1ドライバー

 「バイオディーゼル100%燃料で走りました。その走行性、疾駆性ともに全く問題なく、普通の軽油となんら、そん色がありません」と2月20日、農水省に松岡利勝農相を表敬訪問し、語った。1963年生まれ。東京都出身。氏は、年初に行われた『パリ・ダカールラリー2007』に参戦し完走したが、使用した燃料はバイオディーゼル燃料のC-FUEL(シー・フューエル)だった。同燃料は、レボインターナショナル社がその技術の粋を集め開発したもので、使用済み天ぷら油などの植物性廃食用油をリサイクルした「軽油代替」の急先鋒として注目されている。ディーゼルエンジンにそのまま使用でき、環境にやさしいクリーンな燃料として創出された。「今後10〜15年の内に、(バイオ燃料のウエイトが)いっそう高まるでしょう」とも語る。

 

矢木龍一 JA全青協会長

2007.2.19
矢木龍一
JA全青協会長

 2月14、15日に日比谷公会堂で開催された第53回JA全国青年大会には1200名の盟友が結集した。今年のメインスローガンは「甦れ 智と結の心」。矢木龍一JA全青協(全国農協青年組織協議会)会長は大会で「将来の農業、地域を担う青年部は組織活動を通じて困難をいくども乗り越えてきた。スローガンの『結』の心とは人と人の結びつきを大切にする考え方。同じ旛のもと問題意識を共有して行動するという意味を込めた」と強調、 日豪EPA交渉など農政課題と地域農業振興に向けて盟友の結集を訴えた。

 

松本浩志 農林中央金庫常務

2007.2.16
松本浩志
農林中央金庫常務

 農林中央金庫は2月7、8日、初めてのJAバンク住宅ローン推進担当者大会を東京で開催。住宅ローン推進の第一線で活躍しているJA担当者などが全国から150名参加した。
 JAにとっては30代、40代の次世代層を引き付けることは若い組合員層への対策と事業基盤の強化にもつながるが、住宅ローンは20年から30年という長期間の関係を築くことが可能な商品。松本常務は「住宅ローン推進は顧客基盤の拡充と収益力の強化といった2つの課題を同時に解決できる有効な手段。何としてもこの競争に勝ち残っていかなければならない」と参加者に呼びかけた。(記事参照)

 

和泉 詩(うた)さん「JA共済全国小・中学生第50回書道コンクール」農林水産大臣賞受賞者(小学1年生)

2007.2.13
和泉 詩(うた)さん
「JA共済全国小・中学生 第50回書道コンクール」
農林水産大臣賞受賞者 (小学1年生)

 香川県・高松市立牟礼北小学校1年。「字の形、筆づかいともに申し分なく誠にスケールの大きい堂々たるおさめ方で立派。大人にはできません」(審査委員・日展参事梅原清山氏)と評価され書道・条幅の部で農林水産大臣賞を受賞。「初めてすごく太い筆と大きな紙をを見て書きたい」と思ったという。「た」の字は上手く書けても「ん」がはみ出たりして何度も書き直した。一番難しかったのは「ぼ」だったという。農水大臣賞を「もらえてすごく嬉しい。一所懸命がんばるといいことがあるんだなと思った」と笑顔で語ってくれた。(記事参照)

 

島田巽 君「JA共済全国小・中学生第35回交通安全ポスターコンクール」内閣府特命担当大臣賞受賞者(小学4年生)

2007.2.9
島田巽 君
「JA共済全国小・中学生第35回交通安全ポスターコンクール」
内閣府特命担当大臣賞受賞者(小学4年生)

  高知県・高知大学教育学部付属小学校4年生。「車椅子の人に対する思いやりの心から生まれた素晴らしい作品」としてJA共済の交通安全ポスターコンクールで内閣府特命担当大臣賞を受賞。「街で困っている車椅子に乗っている人を見て、みんなが安全で、気持ちよい生活ができるようになって欲しいという願いをこめて」描いたという。自転車や車の配置に苦心し仕上げるまでに1週間かかった。スポーツは苦手だが幼稚園のころから絵を描くのが好きだという島田君は、将来、医者か弁護士になるのが夢だが、絵はずっと描き続けていくと語ってくれた。(記事参照)

 

黒谷友香さん 『世界らん展日本大賞2007』オーキッド・クイーン2007

2007.2.7
黒谷友香さん
『世界らん展日本大賞2007』
オーキッド・クイーン2007

 「主に紫色がかった花が好きです。蘭では、カトレアに魅力を感じています。蘭のように、上品で品格をそなえた女性になりたいと思います」。2月24日〜3月4日の9日間、東京ドームで開催される『世界らん展日本大賞2007』で、もっとも蘭の似合う女性に贈られるオーキッド・クイーン2007に選ばれた。黒谷さんは12月生まれ。世界らん展が定める「12か月の蘭」のうち12月はシンビジューム。同花は、インテリアに名画のような品格を与え、日々の暮らしをエレガントな上質感で包み込み、多方面で活躍する黒谷さんのイメージにぴったり。シンビジュームを贈られた黒谷さんは、満面の笑みを浮かべた。日本大賞の開催期間中、会場では、オーキッド・クイーンのポートレートを、誕生月の蘭「シンビジューム」で飾りつけたコーナー展示も行われる。(記事参照

 

マリーフレデリック・パラン氏 フランス農水省食品総局 国際衛生調整部輸出室長

2007.2.5
マリーフレデリック・パラン氏
フランス農水省食品総局
国際衛生調整部輸出室長

 フランス農水省はこのほど、フランスの農畜産物の日本での消費拡大をめざし、日本語によるホームページを開設した。新たに日本語が加わり、14の言語で発信されている。「すべての人に安全な食品を提供することが、我々の使命です。食品の安全性を正しく評価し、食と健康をセットで考えるべきだ」と、フランスの安全な農畜産物を多くの日本人に食べて欲しいと語った。フランスの特産品であるチーズやワインなどは、農場から食卓までのトレーサビリティシステムが完備されていることや、鳥インフルエンザ発生時には軍隊を動員して感染した鳥を素早く隔離するなど、食の安全を最優先するフランスの姿勢をアピールした。

 

穴田甚朗 JA高岡代表理事組合長

2007.2.1
穴田甚朗 JA高岡代表理事組合長

 第57回「家の光文化賞」を受賞。組合長の信条は「JAは組合員が作った船。船長は自分だが、どこに船を向けて進めるべきかは、船を作った組合員の意見を聞いて決めなければならない」。集落座談会のほかに、年1回、24支店単位で「組合員と語る夕べ」を開催したり、青年部、女性部とのテーマを決めないフリートーキングなど組合員の声を聞く機会を多様なかたちでつくっていることが特徴だ。さらに注目されるのは、新規加入組合員を対象にしたJAについての理解促進を進めるためのセミナーを開催していること。組合員の世代交代が進むなか、「なぜ、協同組合であるJAの正組合員になったのか、その声を私たちが聞いてみたい」と思いを語る。組合員の求めている事業活動を実現することがJAの道、と強調した。
「詳細は「家の光文化賞農協懇話会特集」を」

 

秋 貞淑(チュ・ジョンスク)さん

2007.1.29
秋 貞淑(チュ・ジョンスク)さん

  韓国では日本人の7倍も野菜を食べるという。日本で外食をすると味が甘いこともあるが、野菜の量が少ないので外食はほとんどしないという。韓国では白菜やキャベツの外側の葉も捨てず魚などの煮物に使うなど「残さず捨てず」にすべてを食べるという。日本で最近人気のビビンバもそうしたなかで生まれた料理だという。儒教文化の伝統が根強く残り、家族一緒に食事をしたり行動する韓国と日本との違いを、日本の古典文学を学ぶために日本へ留学して17年の経験から語る。最近は日韓文化の比較をカルチャーセンターで教えたり、エッセイストとしても活躍している。
(詳細は「第52回JA全国女性大会特集・農村女性たちへ―消費者からのメッセージ」を) )

 

上村 協子 東京家政学院大学家政学部教授

2007.1.25
上村 協子
東京家政学院大学家政学部教授

 右手に家族経営協定を左手に経営改善計画を持ち、「2007年を女性農業者の資産形成元年」にしようと提唱する。農業を生産から消費まで全体の流れでみて、消費者に受け入れられるものをつくるとか、都市の人も一緒になって農山漁村でよい環境をつくるとか、といったことで女性は生活に根づいた良いセンスを持っている。彼女たちが提案すれば新しいタイプのライフスタイルが生まれる。だから「発想の大転換をして、農家としてではなく個人として農業を選択する時代なのだから、その人の資産を認め、豊かな発想を持つ女性の発言を保障するような仕組みをつくる」ことが必要だという。
(詳細は特集:第52回JA全国女性大会「鼎談 農村女性の権利と役割」を)

 

鈴木昭雄 JA東西しらかわ代表理事組合長

2007.1.23
鈴木昭雄
JA東西しらかわ代表理事組合長

 本紙新年号の座談会「米国農業の光と陰」に出席していただいた。就農まもない約40年ほど前に米国の農場で実習した経験がある。300ヘクタール経営の研修先農場は当時の年間販売額が5万ドルだった。しかし、40年後に訪問してみると「驚いたことに当時とまったく同じ売り上げ額だった」とか。経営の厳しい農場が多く、座談会では手厚い補助金で経営と農地が維持されていることも指摘された。競争力があると思われがちな米国の農業だが、その実態に触れて「競争力とは何か、考えざるを得ない」と語った。そのうえで「食料の生産基地は地球上で限定されていると考えるべきではないか。経済の効率性だけで(農地)を荒らしてしまっていいのか。ここがいちばんの基本では」と強調した。
(詳細は「食と農を結ぶ活力あるJAづくり−「農」と「共生」の世紀を実現するために− 」を)

 

川井田幸一 JA鹿児島県中央会会長

2007.1.19
川井田幸一
JA鹿児島県中央会会長

 「何をしなければならないか。それは田や畑に落ちている。明日からそれを拾ってこい」。9年前、当時、JAそお鹿児島の組合長だった川井田会長の一言で走り出したのが同JAの農家対策特別班(TAF)だ。本紙新年号では地域農業の担い手への徹底した訪問活動を通じて、悩みやJAへの要望を聞き取り、そこから解決策を作り出して実践するこの取り組みを取材した。それは白紙の状態から担い手の声にしっかりと耳を傾け、経営支援策などを練り出す極めてクリエイティブな仕事だった。
 この取り組みのきっかけを「結局、農家の思いをJAが知らなさすぎたということです。JAがあってよかったな、と思ってもらえるJAのかたちをつくろうということです」と話している。(記事参照)

 

田中稔一 日本肥料アンモニア協会会長

2007.1.17
田中稔一
日本肥料アンモニア協会会長

 「日本農業が存続、活性化するためには日本農業を熟知している肥料工業の存続、活性化が不可欠。農業も肥料工業も課題が山積しているが、この難局を乗り切るためには農業関係者、肥料関係者が一致協力し、叡智を結集することが重要」だと語る。日本の肥料工業の基軸ともなっている協会を牽引し、出身母体の三井化学(株)では副社長としての職責を全うし、かつ基礎化学品事業の舵取りに専心している。海外情勢にも明るく、最近の「中国政府の資源確保優先政策の影響を憂慮」しているという。中国が、昨年11月に施行した「輸出関税制度の拡充と輸入関税の引き下げ」によって、リン鉱石など資源を持たないわが国の原料の安定確保は一段と厳しさを増してきた。
 氏の日本農業の将来など諸般の課題への取組み姿勢は、趣味の自転車や山歩きのように業界の将来を見据えつつ確実にペダルを踏み、大地への思いをかみしめた着実な前進をめざしているようにみえる。

 

王貞治 福岡ソフトバンクホークス監督

2007.1.10
王貞治
福岡ソフトバンクホークス監督

 王監督がJA全農裄V武治会長、関水賢司理事長はじめ役員への新年の挨拶にJAビルを訪れた。全農は王監督が理事長を務めている世界少年野球推進財団(WCBF)が実施している『JA全農WCBF少年野球教室』に、1993年から協賛している。王氏は全農が野球教室に協賛していることに感謝を述べ、「子ども時代に周りの大人から教えてもらったことが、今の自分につながっている。今度は自分が子どもたちに教え、チャンスを与える番だ」と、スポーツを通じて青少年の健全育成に力を貸したいと語った。役員からは「体調はいかがですか」、「世界大会での優勝おめでとうございます」など、日頃テレビなどでしか見ることのできない王氏を囲んで、和やかな懇談が続いた。
記事参照

 

中川 敞行 社団法人農協協会会長

2007.1.4
中川 敞行
社団法人農協協会会長

 当協会・中川会長は07年新年のあいさつで引き続き農業、農協を取り巻く環境は厳しく、とくに集落をいかに活性化できるか、具体策を組合員農家とともに立てていくことが課題で「集落を原点として農協活動を展開して行くことが、農協存在の絶対条件ではないか」と述べる。また、昨年10月の第24回JA全国大会決議「食と農を結ぶ活力あるJAづくり−農と共生の世紀を実現するために」の実現に「猪突猛進」することを期待した。「本紙は生産者の思いと、消費者の期待をつなぐ接点の機能を果すべく各地域の協同組合活動に資する情報を常時提供し、協力して参る所存です」。
「各界からのご挨拶」へ)

 


 

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