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(183)誰が500万トンを必要としているのか【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2020年6月5日

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先週のコラムで、過去5年間に世界のコメの輸出数量が年間約500万トン増加し、4521万トンであること、そしてその拡大する海外コメ市場に誰が食い込んでいるかを述べた。今週は同じ状況をコメの輸入という立場から捉えてみたい。

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過去5年間の地域別コメ輸入数量の増減を大枠で示したものが下の表である。米国農務省公表の他国の輸入統計は未勘定の数量があるため、個別地域の合計と総合計が必ずしも一致しない。また、先週、輸出増は502万トンと出しているが、同じ理由により輸入増を見ると468万トンと差が生じている。詳細が未公表のためこの程度の誤差はご容赦願いたい。

さて、これを見ると注目すべき地域は、サハラ以南アフリカ、東南アジア、そして中東であることがわかる。

第1に、サハラ以南アフリカである。この地域のコメ輸入数量は年間約1500万トンもある。日本の年間コメ生産量の倍であり、過去5年間でも226万トンも伸びている。この単純な事実を日本の全てのコメ農家と農業関係者は認識しておく必要がある。

外務省資料によれば、サハラ以南アフリカ(あるいはサブサハラ・アフリカ)諸国は、国の数にして48か国(国連加盟国の約25%)である。国連の人口推計(2019年)は、この地域の人口を2020年で10億944万人、将来人口は低位推計で2053年、中位推計で2048年、高位推計で2044年には20億人を超えると見込んでいる。簡単に言えば、20~30年後に人口は倍増するということだ。

だからと言って、コメの輸入数量が単純に3000万トンになるとは限らない(それはそれで凄いことだ)。だが、現地生産が順調に伸びれば良いが、そうでない場合、コメを含めた食料の輸入量は激増する可能性が高い。したがって、800万トン以上のコメの潜在的生産能力を持つ我が国は、減少する日本国内需要だけに目を向けるのではなく、長期的な視野に立った上で来るべきコメの大量需要時代に備えて実際の生産能力をいかに維持していくかが問われる。それこそ地球規模での食料問題解決への一助にもなる。その上で、ここから先は、48か国の中のどこにターゲットを絞り、密接な関係を構築していくかが重要になる。将来を見据えた戦略をしっかり構築すべきところだ。

第2に、中東を見落としてはいけない。この地域のコメ需要は着実に伸びている。年間678万トンのコメ輸入数量は、わが国の年間生産量に近づいてきているだけでなく、過去5年間で108万トンも伸びている。

特にUEA(アラブ首長国連邦)のコメ輸入数量は過去5年間で67万トンから120万トンに倍増見込みである。筆者にその詳細はわからないが、国の出先機関や商社の現地駐在員は事情を知っているはずである。人口は1000万人弱で着実に伸びているが、アフリカと異なり、今後の人口増加はそれほど急なペースではないことが見込まれている。

そうであれば、短期間にこれだけコメ輸入が増える理由は何なのか、早急に確認を行い、日本産のコメのチャンスを検討すべきであろう。1人当たりGDPで見れば、4万ドルに近い国である。先のサハラ以南アフリカとは異なるアプローチが可能なはずだ。

そして、第3は東南アジアである。率直なところこの地域は激戦が予想される。数字上の輸入数量は中東を上回るが、近隣に大生産地が控えている。タイやベトナム、ミャンマーと正面から競うのではなく、競争をしないで「求められる」質や利便性などを追求した方が良い。要は、高くてもこれなら買うという商品をいかに提供できるかだ。それには、現地の生活習慣や環境等をよく理解した上でのピンポイントの勝負が面白い。

いろいろ書いてきたが、言いたいことは簡単である。「コメ」が日本にとって本当に重要ならば、日本の国内需要だけでなく、世界のコメ需給と今後の状況をしっかりと生産者や流通業者も含めて共有した上で、どのようなコメを作り、どこに出せば良いかという大局的な視点に立った戦略を構築していく必要がある。

そのためには、サハラ以南アフリカや中東など、需要が増加している地域に対し、いくつかの小規模な試みを仕掛け、可能性を見た上で修正し、さらに繰り返す・・・といった形で、かつて生糸や綿製品、そして最近では工業製品を世界に輸出してきたノウハウをコメに対しても応用していく必要がある。

繰り返すが、日本以外の世界ではコメの需要は伸びている。それに対応できるのは個別生産者もだが、それ以上に、国や商社、農協組織である。そこを自粛する必要はない。

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】

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