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【スマート農業の風】(15)スマート農業のハードルを下げるZ-GIS利用法2025年6月3日

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スマート農業の風

ほ場管理をスマート化しオヤジしか知らないほ場をなくす

事業承継は農家の抱える大きな問題だ。たまたま息子という後継者があり、農業を継いでもいいという意思確認ができており、すでに我が家の営農を手伝っている場合でも、明確なタイミングで事業承継をおこなわなければ、さまざまな問題を起こす。

すなわち、先代が経営権をいつまでも譲らず、事業承継にたどり着かない、また、経営権を譲り受けたが、いつまでも口出しがありギクシャクしている、などがある。そもそも、経営権を譲ったのであれば、栽培方法を含む農業経営に口出しをするということが、おかしいことは明白なのだが、長年営農に携わってくると個人のノウハウもたくさんあり、口出しをせずにはいられないという実情も理解できる。

そこで第三者の事業承継アドバイザーや、事業承継に関するガイドを参照に進めるのが良いのだが、子の世代の感覚と親の世代の感覚の差でギクシャクは残る。

ちなみに事業承継に関するガイドは、農協の営農担当者を通じ全農の事業承継ブックを入手することが可能だ。この事業承継ブックは、親子版・集落営農版・部会版とあり、ハッピーリタイアブックと合わせると4版がそろっている。全農のホームページにPDFが公開されているので興味がある方は参考にしてほしい。また行政によっては、事業承継の窓口を持っている場合もあるので各地域の行政に確認して欲しい。

ここで少し別な話を進める。ここ数年知り合った若い世代の農業者は、何かしらの事業承継を経て現在に至っている。Aさんという方は、親から経営と栽培の両方のノウハウ引き受けて、円満に事業承継をおこない拡大経営に進めることができた。栽培の場面で、Aさんの親御さんはいろいろ言いたいことはあるようだったが、世代を譲った後は口出しをせず、水の管理や見回りなどを手伝う程度で過ごしている。いろいろと言いたいことを我慢するのは大変な苦労ではないかと思う。しかしこのことが、円満な事業承継につながっているのは間違いない。

もうひとりBさんを紹介する。この方は、農家の出身でなく幼少・青年期を農業に関係なく過ごしてきた。奥さんと知り合い結婚することになるのだが、結婚の条件が奥さんの実家の農業を継ぐこと。農家を全く知らず、米農家になるのは相当の覚悟が必要と思う。しかし、本人はいたって普通で「まわりに支えられて農業をやってこられた」とシレッと言っている。農業経営はと言えば、通常の稲作に加え、稲作のコントラクター事業を進めるなど今までにない地域農業を進めており、婿入り農家の良い事例となっている。

ここで紹介した生産者の共通点は、全農の提供している営農管理システムZ-GISを使用しているということだ。

ご存じのようにZ-GISは、ほ場の位置情報とMicrosoft Excelのデータをひも付けて管理するシステムで、電子地図上のほ場ごとに任意のデータを登録して管理、表示することができる。例えば、いままでExcelなどの表計算ソフトでほ場管理をしていた農家が、そのExcelデータをそのまま利用してZ-GISに反映することができる。

いままでのExcelデータと違うところは、Z-GISのアプリケーションでデータを見ると電子地図上に自分の所有するほ場が表示されるということ。もちろん、ほ場の形に添ったポリゴンで表示され、どこまでが自分のほ場なのかも確認ができる。作業日や作業内容などがExcelデータに入っていれば、ほ場のポリゴンに表示することが可能で、作業の進捗(しんちょく)状況や作業指示に活用できる。パソコンの画面だけでなく、スマートフォンを使ってデータを確認することができるので、アプリをインストールしてデータをクラウドに保存すればほ場での確認もできる。ただ、すべての農家がスマートフォンを使えるわけではないので、Z-GISでは印刷機能も充実させている。ほかの営農管理システムではWEB上で完結するものが多く、印刷するにはスクリーンショットを活用するしかないものも多いが、Z-GISではアプリケーションから印刷がおこなえるため気軽にプリントアウトができる。農業を手伝ってもらえるおじいさんやおばあさんに代表されるデジタル弱者にもデータを共有できるのだ。

ここまで話をして、事業承継とスマート農業の関連性がどうつながるかというと、ほ場を明確化して事業規模を把握しなければ、正しい事業承継はできないということだ。

ほ場は農業経営の基盤である。特に土地利用型では顕著だ。経営者がほ場の場所を把握していなければ、正しい経営にはつながらず、経営規模拡大を検討する際も、ほ場数・現在の収益・労働時間などの把握が必要となる。

少し前、農業の家族経営でよく言われていた会話に「オヤジしか知らないほ場がある」というのがある。ほ場の場所が複雑で説明できないから伝えるのが面倒なのか、ほ場条件が悪いので家族でも触らせたくないほ場なのか、真相はわからないが、そんな言葉を若い農業者はよく口にしていた。

今どきはほとんどないだろうが、よりよい事業承継のためには、オヤジしか知らないほ場をなくすため、Z-GISなどの営農管理システムを導入して、ほ場管理をスマート農業化する必要がある。

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